札幌100マイル

オランウータン飼育日記&円山四季だより

オランウータン飼育日記&円山四季だより

2008年06月 の投稿一覧

カラスにも生活がかかっています。

 園内では春早くからたくさんの鳥たちが繁殖しています。特にスズメは年に何度も

巣引きをするので、運がよければ巣立ちするところを見る事ができます。たくさん生

まれるという事はそれだけ他の生き物に食べられるということです。かなりの割合で

カラスに食べられていますよ。巣立ち間もない若鳥がカラスに襲われると、スズメの

親達は子供を助けるべく必死に攻撃しますが、カラスにはかないません。あまりしつ

こく攻撃すると自分自身の命が危なくなります。そこで、スズメたちは動物舎内に巣

を作り繁殖するのです。動物舎内の方が安全ということを学習するのでしょうか。い

きなり自然の中に飛び出すのでなくて、動物舎内でワンクッションおくのです。(オオ

タカの舎内でも繁殖しています。)賢いね。でも、巣づくりする場所には限りがありま

す。

 園内で久し振りにコムクドリが繁殖しました。雛達の鳴き声が聞こえてきます。どう

やら巣立ちの時が近づいているようです。近くで親達の威嚇の声もきこえています。

巣立ちが近いのをカラス達はわかっているのです。

20080626-00.JPG



 こうして巣立ちする若鳥を待っているのです。



20080626-05.JPG

 待ちきれないカラスは地上で何かやっています。よく見ると木の根を引っ張って土

の中に隠れているいる虫を食べていました。



 これはアカゲラですが巣の近くに飛んできただけなのに親達は大騒ぎでした。

20080626-07.JPG

 これがコムクドリの巣穴です。親はこの巣の周りに止まって見張っています。



 この写真を見てもよくわからないだろうけど、これがコムクドリです。このカメラでは

これが限度です。悪しからず。

 何とか無事に巣立ちして欲しいものですね。でも、カラスにも生活がかかっていま

す。まだ、親に餌をねだっている若鳥カラスも見かけます。口を大きく開くので、口の

中が真っ赤に見えます。


 以前はカラスかスズメしか繁殖していませんでした。でもここ数年はコムクドリやコ

ゲラ、アカゲラが繁殖しだしました。遠い昔、僕が動物園に勤めた頃は、たくさんの

鳥達が繁殖していましたよ。手の届きそうな所にヒヨドリや、地上ではセキレイ等色々

な鳥たちが繁殖していました。餌となる昆虫達もたくさんいたからね。 

 
 現在、当園では生物の多様性の確保ということで、バッタや蝶、トンボなどの生き物

も住めるような、動物園に改善していってます。  

気分を変えて。

 最近疲れが溜まっているのか、すごくだるいんだよね。ストレスがドカ~ンです。特

に精神的な問題は厄介だよ。   これは効きました。「弟路郎の脱走未遂騒ぎ」には参ったも

んです。  こんな時は好きな事をして、ストレスを少なくしなきゃダウンしちゃうよ。

僕の場合は、生物調査や採集。植物勧賞かな。早速、今日の早朝に行って来まし

た。勿論、仕事前にだよ。





 北区」の奥の川に行きました。でも残念ながらスジエビしか確認できませんでした。

胴長を持ってくるのを忘れてしまったからです。春先なら代謝も下がり、エビモやヒシ

の下を網ですくうと、外来生物のタイリクバラタナゴやモツゴ、時にはライギョの稚魚

などが網に入ります。勿論、ブナやコイ、ワカサギの稚魚などもいますよ。水温が上

がると深いところに行ってしまい、手網じゃ中々すくえません。短靴じゃね。残念!

 

 明日はザリガニでも見に行こうかな。

 それとも、円山にでも散策に行こうかな。仕事前にね。

やっと園内産の果実が使えます。

 一年ぶりに園内産果実を与えました。第一号はクワの実です。まだ赤くなったばか

りなので、ものすごく酸っぱいけど、弟路郎は美味しそうに食べていました。熟して黒

っぽくなったやつの方が好きみたいです。

20080622-00.JPG

20080622-01.JPG



 小さい果実なのに一粒ずつ口に含んで食べていました。さすがに種は小さすぎる

ので、ぷっぷっと出すことはありませんでした。



 フサスグリはまだ少し早いようです。これから順次、色々な果実を与えていこうと思

います。

 園内には二十年以上実を収穫できない果物があります。それはセイヨウナシです。

ピンポン球ぐらいまでは大きくなりますが、全部無くなってしまいます。犯人はカラス

なのです。食べるのではなくて、下に落として遊ぶ?みたいです。紙袋等で包んだ事

もありますが、そんなことをしたら翌日には殆ど無くなってしまいます。



 今日見たら小さい果実がまだ少しついていました。でも時間の問題でしょう。



 それに比べて動物病院裏に植えてあるプラムは、熟すまで付いているので、収穫

することができます。もしかして、カラスはプラムが嫌いなのかな?

 家に植えてあるプルーンを挿し木しています。プルーンとプラムは親戚なので、プ

ルーンは食べないかも知れません。だから園内に植えてみようと思います。ハスカッ

プも挿し木と種を蒔きました。これも園内に植えようと思います。少しでも色々な果実

を新鮮なまま与えたいからです。本当は数百種もの食べ物を与えてみたいです。

軽石で描いちゃいました。(とうとうやりました。)

 恐れていたことが起こりました。小さな軽石を持ってアクリルガラスのそばに座りま

した。草の中に落ちていた小石を拾ったのです。嫌な予感が的中!指先で軽石をつ

まんでアクリルガラスに描き出しました。ヒエ~。

20080619-00.JPG

 芸術だ!

20080619-01.JPG

 どんどん描いてるわ。

20080619-02.JPG

 描いた所をなめっても消えないよ。



 唇も使っているよ。

20080619-06.JPG

 信じられないよ。こめかみまで使っているよ。

20080619-07.JPG





 持っているんだよね。宝物かな。

 

 軽石を忘れさせるために林檎やパンを与えて気を逸らしました。でもなかなか石を

捨てないで困りました。そう言えば最近、クレヨンや絵の具で絵を描かせていないよ

な。  暇すぎるからするんだろうね。 

青刈りサトウキビ与えました。

 6月3日、ミカン温室に美味しそうなサトウキビが生えていたので与える事にしまし

た。やっぱり冷凍品より新鮮な方がいいよね。水分たっぷりでシャリシャリ感が良さ

そうです。甘さは薄っすら感じるほどだから、あまり糖分が含まれていないみたいで

す。





 高さが3メートルぐらいあり、茎の一番太いところで直径6cmもあります。外側の

硬い皮を剥いで中のシャキシャキした髄を噛んで吸っています。刈った後も、脇や地

中から芽が出てきますので、何度も与える事ができます。



いつもはすぐに出て行くのに、今日はなかなか出て行きません。ものすごく警戒して

います。青刈りサトウキビやその他、好物などをたくさん隠したり、細工したりしてい

るの知っているのに、どうして警戒しているのか?出るのに7分ほどかかりました。
 
移動してから気がついたのですが、いい写真を撮る為に屋外の中扉を閉めたのが原

因とわかりました。アクリルガラスだと反射していい写真が撮れないので、隣の展示

場から写真を写そうと思い、最初から閉めてしまったからです。野生のオランウータ

ンは、生きる為にいつも警戒しながら生きています。それに比べて飼育下のオランウ

ータンは、殆ど命が危険にさらされる事が無く、刺激に乏しいからたまには刺激も必

要かな。



 お見合い用の鉄格子の間や弟路郎が覗いている穴から写せます。



 目を細めながら美味しそうに食べています。



 今回は葉の部分をよく食べていました。巣のような所で食べている時が一番満足そ

うです。



 こういう状態で体が隠れる時がよろしいようです。



20080615-04.JPG

 昼頃になって日差しが強くなってきたら、サトウキビの残骸も含めて全部下の日陰

のところに運んでしまいました。そして、そこでのんびり食べ始めました。長い時間、

直射日光を浴びるのは苦手のようです。考えてみたら野生のオランウータンは、樹

上生活者でたくさん葉のある所で生活しているもんね。

   
 時には同じものをたくさん食べたい時もあると思います。このように食事に変化をつ

ける時もあります。牛などの反すう胃の動物に、普段少ししか与えていない物をたく

さん与えるとまずい事になるけどね。

今日も植えました。弟路郎の森に!

20080612-09.JPG

 一昨年、昨年と2年続きでつくった苗です。ミツバアケビは挿し木で、ウドとエノキは

種を蒔いて、ヤマブドウは腐葉土に生えていました。フキは勝手にポットから生えて

きました。

 今のところ、約80種植えてあります。まだ絶滅した種はありませんよ。

 目標は300種にしましょうか。

お客さんから寄贈、即与えました。

 ひと月おきに東京から当園に来るお客様がいます。これまで何度もチンパンジー

やオランウータン、テナガザルの為に、普段あまり食べさせていない果物等を寄贈し

てくれています。今回は、ベビーコーン、サクランボ、葉付き人参を寄贈してくれまし

たので、早速与えることにしました。また、弟路郎の目の色が変わるよ。



20080612-01.JPG

 皮を剥いてひげ?を取り、早速食べ始めました。





 トップを取って、パキッ、パキッ、音をたてながら食べています。



20080612-07.JPG

 右手にサクランボ、左手にはサクランボの種。



 種は蒔かないで、割って食べてしまいました。そういえば昔、よく梅干の種を歯で割

って食べていました。どもりになるから食べるなと、お母さんに言われたのを思い出し

ました。

 今日は弟路郎にとってとてもハッピーなランチになりました。

 よっぽど美味しかったのか、最終的に全部食べてしまいました。人参以外は、勿体

ないので冷凍して、ちょくちょく与えることにしました。ありがとうございます、常連様。

感謝いたします。

昨日のフキバッタの話。

 今日の朝、昼、夕方と3回、フキバッタを見に行きました。そしたら、昨日の夕方と

同じ状況でした。あの場所が現在の一番居心地の良い場所なのでしょう。あちらこち

らで脱皮殻がありました。





 ぶれて見にくいけど、昼も夕方もこんな状態でした。日があたって良いのかも知れ

ないけど、危険がいっぱいです。



 けっこう蜘蛛がいるんだよね。色々な種類の蜘蛛がね。


  
 同じバッタでも場所や食草が違うと、いる位置や種類も変わります。この様な所に

は、ヒメギスやキリギリス、ヒナバッタなどがすんでいます。草の中間あたりにいる事

が多いかな。

20080610-04.JPG

20080610-06.JPG

 みんな日向ぼっこしているよ。
  


 上に付いているのが、脱皮した殻です。

不思議だな。

 今日の夕暮れ時、動物園の森(仮称)に行き、何か珍しいものがいないか歩いてみ

ました。そしたら、フキバッタがみんなヨモギの上の方にとまっているんだよね。主に

直射日光のあたっている所にかたまって、たくさんいるんだよ。





20080609-05.JPG

 写真がぶれているけど、これしかないから悪しからず。ヨモギの高さは約60cmぐ

らいかな。夜はまだ寒いから、日光をあてて温まる?違うね。下はカナヘビ等に食べ

られるから?違うね。  わからないや!こう言う時は円山動物園に聞いてみよう。な

んてね。  昆虫館の担当者は、この4月から秋まで限定で、僕がやることになりまし

た。だからきいても無駄です。明日、多摩動物園に一般の人として聞いてみようか

な。なんかカッコ悪いな。バッタに聞くしかないね。



 普通のバッタと違い、フキバッタはこの様なフキの生えている場所にすんでいま

す。(写っていないけどフキもたくさん生えています。)

クマゲラだ~。

 弟路郎のランチ前、フリーフライトもあるけど、急いで園内に生息する生き物を写そ

うと、あちらこちら歩いていました。そしたら、猛禽類の鳴き声に似たような声が近くか

ら聞こえてきました。もしかしたらオオタカかなんかの若鳥の声かなと思いながらも、

バッタなどの写真を写していました。

20080608-02.JPG





 こんな感じでせっせと写していました。そしたら、近くの木からいきなり大きなドラミ

ングの音がしました。思わず木を見たら洞の中からクマゲラが出てきました。ビックリ

しましたよ。今まで、園内で若鳥が飛ぶのを一度見た事がありますが、成鳥はありま

せん。以前に何度かドラミングの音は聞いた事がありましたけどね。







 いや~感動しました!体がすごく大きくて、黒い体に赤い頭部の色が生えていまし

た。なんか心臓が少しドキドキしてきました。早く写真に撮らないといけないと思いバ

チバチ撮ったらみんなぼやけてしまったよ。時間がないからあせっちゃいました。で

も、妙に人馴れしているようにも見えました。(後で冷静に考えたらね。)もしかしたら

藻岩山にいたやつかな。



 そのすぐ後に、同じ所にコゲラが飛んできました。

20080608-09.JPG

 時間がないのに近くにいたヘビまで写してしまいました。  そんなことしているか

ら、フリーフライトで大恥をかきました。ルアーをどこかに落としてしまったのです。探

して貰っている間、飛ばしながら話をして、時間稼ぎをしましたが話すこともなくなり

終了しました。その後で見つかり、ルアーをしましたが、まだ残っている人達がいた

ので驚きました。

  
 将来園内で、クマゲラが繁殖するのを夢見ようかな。コゲラやアカゲラは繁殖した

りしているからね。

pageTop