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冬プロレポート~冬の円山動物園から~

冬の動物園プロジェクト、略して冬プロのメンバーが冬の動物園の魅力を発信

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by winterpj

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冬プロレポート~冬の円山動物園から~

冬の動物園って楽しいの?っていうか冬も開園してるの?
円山動物園は冬も元気に開園中!もっと皆さんに冬の動物園の魅力を知って欲しい…そんな気持ちから立ち上がったのが「冬の動物園プロジェクト」略して「冬プロ」です。
冬プロメンバーが冬のイベント情報や見どころ動物など、冬ならではの旬でホットな情報をお届けします!


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ゆく年くる年

みなさん、こんばんわ。

今日は大晦日ですね~。2010年もとうとう最後の日となってしまいました。
2010年を締めくくるラストブログを務めさせていただきます獣医の伊藤でございます。

今日はブログ担当ということで、動物園も閉園してるし、1日かけてたっぷりネタ(写真)を仕しいれるぞ~!と意気込んでましたが、業務が終わって事務所に戻ってきたら既に夕方!結局何のネタも仕入れることができませんでした((T_T))

というわけで、たまたま事務所に残っていたもとい、この一年特に頑張っていた職員の写真を織り交ぜながら、この一年を振り返ってみましょう。

まずはこのお方、みんな大好きチンパンジー担当S川職員です。


                  ↑
チャコ様とS川職員(もちろんチャコ様は麻酔でお寝んね中です)

2010年はチンパンジーチャコさまの治療から始まりました。
元旦1月1日、S川飼育員から無線が・・・
いやな予感がするなと思いつつチンパ館に到着すると、血まみれになったチャコ様が!!
というわけで正月そうそう全身麻酔下で緊急手術というヘビーな1年の幕開けとなりました。

結局、チャコ様は一年間で計6回ほど闘争による負傷のため手術をすることになりました。チャコ様、来年はみんなと仲良くネ!(お母さんなんだから)



そして、こちらは先日左眉の上を怪我してしまったS川さん(心臓の弱い方は見ないでください)
チャコ様とおそろいだねと喜んでましたが、来年は怪我をしないよう気を付けてくださいね。

そしてチンパ館の今年一番の出来事と言えばレディの群れ復帰でしょう。
数年前のチャコ様との同居で骨折したことがあったため、チャコ様、チャ―坊、トニーとの同居の際は、ドキドキしながら観察していましたが、何度か怪我を負うことはありましたが無事に群れに戻ることができました。
これもひとえにS川さんをはじめとする飼育員の努力とみなさまのご声援があったからと思います。そして愛娘テスを育てながらレディをずっと守ってくれていたジェーンの存在もとても大きかった。
ジェーン、テスありがとう!そしてレディを受け入れてくれたトニー、チャ―坊、みんなありがとうね!



さてお次は、いつみても幸せそうな、類人猿館担当のY田飼育員!


いつもニコニコのポジティブ男Y田職員も一年の疲れがどっと出たのか、今日はお疲れモードでした。


類人猿館といえば今年はオランウータンのレンボーと弟路郎とのあいだにハヤトが生まれるという嬉しい出来事がありました。

今はすくすくと育っているハヤトですが、生後1、2日はなかなか授乳が確認できず、心配な日が続きました。

初産のため育児経験のないレンボーは、生まれたばかりのハヤトを自分の顔の近くでぎゅっと抱きしめていて放さない為、ハヤトがおっぱいを吸おうとしてもなかなかおっぱいの近くにいけなかったのです。

このまま授乳ができなければ、衰弱してハヤトが死んでしまう可能性もあります。
そこでハヤトの状態を常に確認しつつ、そのまま自然保育するか、人工保育に切り替えるかの判断を迫られました。
一旦人工保育にしてしまうと、その個体は同種の動物との同居や繁殖ができなくなる可能性があるため、できるだけ人工保育はしたくはありませんでした。

2日目の朝になっても、レンボーはハヤトを頭の近くから放さず、授乳は確認できませんでした。ハヤトもこころなしかやや脱水してきたように見えました。
そこで、なんとかハヤトがおっぱいを吸える体勢になるようにと、Y田職員がレンボーの気を引いて、そのすきに授乳をさせる作戦を開始しました。

Y田職員がレンボーの気を引いてハヤトを乳首に誘導・・・
しかしなかなか授乳には至らず。

そこで哺乳瓶でミルクを飲ませてみようと試みますが、全部レンボーに飲まれてしまいました。


ところが、哺乳瓶にレンボーの注意がそれたスキにハヤトがレンボーのおっぱいを見事にゲット!!


Y田職員もガッツポーズ!!


この後、一日に数回自力で授乳する姿を確認し、ほっと胸をなでおろすことができました。動物の繁殖は、出産にいたるまでも大変ですが、実際には無事出産した後のほうが心配事は多いのです。

えーと次は・・・っと思いましたが、思った以上に長々と書いてしまいましたので、今回はここまでにしたいと思います。

今年はプレーリードッグ、リスザル、レッサーパンダ、シンリンオオカミ、ダイアナモンキー、スローロリス、ゼニガタアザラシ、オランウータン、エランドそしてホッキョクグマと多くの新しい生命が誕生し、その愛らしい姿をとおして少しでも生命の大切さや環境保全についてみなさまにお伝えできたのではないかと思っております。しかし、11月に起きましたエゾヒグマ館での「カステラ」の死亡事故など、起こしてはならない事故を起こしてしまった反省すべき年でもあります。この事故により亡くなってしまいました「カステラ」の死が無駄にならないよう、円山動物園職員が一丸となって来年も頑張っていこうと考えております。

いつも年円山動物園を応援して下さる市民の皆様、ともに一年間頑張ってきた動物園スタッフのみなさん、そして円山動物園に住むたくさんの仲間たちへ・・・
今年も一年お世話になりました、また来年もよろしくお願いいたします。

追伸 2011年、円山動物園は元旦1月1日から開園します。
初詣が終わったら、ぜひ円山動物園へお越しください。
では、良いお年を!


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