CHEFのバイブル
Posted by recolte on 2010年6月15日(火) 14:47
CHEFの料理書大好きです。
蔵書の中に料理人としての方向性を決めた一冊があります。
ハタチ位の時に親方に教えて頂きました。
この本に出会うまでは、見た目に綺麗な料理にしか興味が無かった様におもいます
秋の収獲期に春に産まれた仔豚を屠畜して、1頭まるごと加工する・・・。
血のソーセージから小間肉のパテまで・・・初めて循環農法みたいな原型を
意識しました。それからの自分は業者が配達してくれる食材だけでなく
卸売り市場に買出しに行きたいと、親方に直訴して市場通いは現在まで
続いております。
ジビエ(狩猟肉)を始めて見たのもこの本でした。20年以上前はジビエなど
流通してなく、NZ産の養殖の鹿肉や台湾産の合鴨が出回り始めた頃です。
毛が付いたままの丸ごとのマガモや野兎に憧れてました。
現在の当店のスタイルの骨格になっている一冊です。
写真は現在の料理書に比べ荒々しく、綺麗では無いですが食材にも命があって
たとえ野菜でも、無駄にするとバチが当ると思い出させてくれる本です。
現在の様な料理本のさきがけだと思いますが
この堀井和子氏の5冊は80年代に出版され、これ以降の料理本に多大な影響を
与えたように思います。それまでの料理写真は、何がどの様に入っているかを
判りやすい写真だったのが、全体のイメージや雰囲気を重視した画期的な
本でした。装丁も当時斬新でした。
残念な事に現在はどちらも絶版なんです。
明日の定休日は山岳渓流を彷徨い、蓄えた脂肪を消費してきます。