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コウヒロナガクビガメの産卵。
Posted by zoohonda on 2014年11月3日(月) 22:28
新爬虫類両生類館完成以来の悲願でありましたコウヒロナガクビガメがとうとう産卵してくれました。
いやーこれはほんととんでもないことなんです。
我々(というか僕のような人たち)が生きるこの狭い世界では世紀のビッグニュースなんです。
昨年から求愛行動が活発化しておりまして、近い将来の繁殖を期待しておりましたが、正直まだまだ若いなって思っていたんですよね。
そして今夏も良い具合だったもので、今年の冬は冬眠させて、来年の繁殖に向けて本格的に飼育法を切り替えようと思っていた矢先、なんとメスの行動に変化が。
あ、「こりゃとうとう卵を持ったな」って感じだったもんで、レントゲンで確認したんですね。
それがこれ。
綺麗に映る11個の卵。
産卵時のトラブルを避けるためにも、体内に何個入っているかを事前に確認することは非常に重要なことなんです。
そしてレントゲン撮影が終わった日の夕方、さっそく産卵が始まりました。
約1時間半をかけて無事に終了。
下は産卵終え穴を埋め戻している様子。
卵は直ちに掘り出し人工孵化へと切り替えます。
深さ約25cmの場所で確認。
しかし全て取り出したところ7卵だけ、いくら掘ってもそれ以上発見できません。
そう、まだ体内には4卵残っている状態なわけです。
ここで事前のレントゲン検査がほんとに役にたちましたね。
そしてその日の深夜、どうも気になって職場に戻るとなんと水中に4個の卵が・・・
残念ながら残り4卵は水中で産み落としてしまったんです。
とりあえずすぐに掬いあげたんで、もし有精卵であったとして大事に至らないとは思うんですが、ほんと早期発見で良かったですよ。
そんなこんなで今回産んだ11卵。
今度の悩みは孵化条件をどうするかですね。
コウヒロナガクビガメは世界的にも繁殖例が少ない種で、情報も少ない。
しかも野生ではわざわざ秋から冬にかけて産卵するという非常に特殊なカメでしてね。
つまり卵はまず低温状態に置かれ、それを経ることで順調に発生が始まるというシステムなわけです。
そのため人工孵化においても低温処理の必要性があり、また孵化日数もやたら長い。
実際ドイツでは積極的に低温処理を行い、成果を挙げています。
しかしその一方で最近は「そんなことしなくても全然OK!」という声も多く聞かれ、実際に低温処理せずに孵化させている事例もあるんですね。
んーほんと悩みますよ、今回は2つのパターンでやってみようかな、あと2週間以内に結論を出さなきゃ。
とりあえず有精卵であることを祈ります。