札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

2007年07月 の投稿一覧

それが一番大事

バックヤードのアオダイショウとシマヘビの産卵が始まりましてね。




僕はね、今まで公私ともに様々な爬虫類の繁殖をやってきましたよ。
でもね、やっぱり一番うれしいのは身近なアオダイショウやシマヘビが毎年継続して繁殖することなんです。











僕らって日本のことを「すごく小さな島国」って思い込んでますよね。
でも実際はそれほど小さな国ってわけでもないんですよ。
実際ヨーロッパのほとんどの国より国土面積は広い。
愛すべき飼育技術の国、ドイツや英国よりもね。
ただ山地が多くて、狭い平野部に人口が密集しちゃってるから窮屈に感じちゃうんですかね。
確かに人口は多いからさ。

日本って南北に長くて地形も複雑なもんだから亜寒帯から亜熱帯までと多様な気候が見られるのが特徴。
しかも島国ときている。
そう、こんな特殊な環境で進化適応してきた日本の野生動物ってのはほんと貴重なんですよ。
大陸の影響は受けてはいるけど、そのほとんどは日本にのみ生息している固有種だしね。

例えば以前ここで紹介した臭いヘビ「ヨナグニシュウダ」ね。
まあ近縁種は他国にもいるけど、ヨナグニシュウダっていうヘビは世界中で与那国島だけにしかいないんです。
ひろーい世界の中で、小さな小さな与那国島だけにしかいないわけなんです。
これほど分布域が狭い種ってのも珍しい。ほんと貴重なんです。日本の宝なんですよ。

僕が毎日観察してるシマヘビやカナヘビ、それを取り巻く生態系も「ここ」だけにしかないものです。
身近なものも「生態系の多様性」の一部、だからその中にいる僕らはもっとそれを知る必要があるわけです。
地球的視野で見れば、僕らにとって身近な生態系がいかに大切なのかってことがわかりますよね。

でもね、
日本人特有の性質なのかもしれんけど、外国産をもてはやす風潮が間違いなくあるんですよ。
外国コンプレックスみたいなね、外国の動物の方が素敵で貴重に見えちゃうみたいな。
まあ動物に限らずだけど。
んでそっちばっかりに目がいきすぎちゃって自国の生態系の価値や魅力に気が付かない場合が多いんだな。
まさに灯台下暗し。

動物園もそう。
例えばアオダイショウなんかはいつでも捕れるもんだから適当に扱われていることも多いっすよ。
外国産の立派な展示場横の仮設水槽の中に入れられてたりさ。
僕はね、こういうのを見るとほんと悲しくなっちゃいましてね。
「アオダイショウの方がずっと素敵で大切なんじゃい!」って叫んでしまうわけですよ。
僕が爬虫類館担当になって最初にやったことは外国産を裏に引っ込めて北海道産の展示を始めたこと。
一番身近で大切なものを知ってもらいたいですからね。

当然飼育技術に関しても遅れてます。
実際日本産の動物ってのは飼育、繁殖が技術的に難しいのが多いんですよ。
爬虫類に限らずね。
ここら辺の技術確立ができてないと、いざという時の対応が遅れてしまうんですね。
当然管理能力が欠けていると身近な生態系のメッセージを発信することも難しくなりますしね。
実際、身近なアオダイショウやシマヘビ、カナヘビなんかを継続的に繁殖させることってなかなか困難です。
だからこそ円山動物園では日本産爬虫類の繁殖に力を入れているし結果が出ればすごくうれしいわけです。

動物園の役割である「環境教育」や「種の保存」、これらを外国産動物主体に行っていく。
例えばトラやゴリラを通して熱帯雨林の現状を知ったり、保全のために行動を起こしたりね。
うん、たしかにすごく大切なことだし実行するべきです。

でもね、僕らの役割は、まず何よりも先に「身近な生態系を知り、保全していくこと」だと思いますよ。
それが一番大事(DMBB)
世界の珍しい動物のことはよく知っていても、肝心な自国のものがおろそかになってしまってる・・・
これじゃあなんかかっちょ悪いでしょ。


「アオダイショウを笑う者は、アオダイショウに泣く」
今宵はこの名言を残し、ドロン(死語)したいと思います。
では。

目に毒です。

みなさんこんばんわ。
「長いヘビには巻かれろを」モットーに元気に生きております。

今宵は現在行われている特別展「円山昆虫研究所」をご紹介したいと思います。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/gyouji/2007july.html#science
今年はですね、ファーブル昆虫記が刊行されてちょうど100年目にあたるんですよ。
まあそんなこともありまして、この特別展が開催されたのです。
この特別展は民間企業と動物園で結成された実行委員会で主催しております。
小規模ではありますが、道内の各博物館などの協力もありまして楽しい特別展になっておりますよ。



実は札幌って日本の昆虫学発祥の地なんですよ、知ってました?
これはほんと市民の誇りですよ。


カブトムシ、クワガタとのふれあいブースです。
昆虫採集など否定される風潮もある現代ですが、命に直接触れる経験ってのは必要なことだと思いますね。
最近は虫好きのお子様が減ってきてますね、ほんと信じられない時代です。


地上最強の生物、クマムシブース。
クマムシで検索してみてください、きっとあなたもハマるはず。
我が動物園の山本獣医師が日々研究を重ね、やっと撮影に成功した貴重映像も公開しております。


今回この特別展において飼育員ブースってのを作ってもらいましてね。
飼育員が好きなことをやっていいよってブースです。
夏といえばやっぱ毒虫ですよね。
3年前に開催された伝説の特別展、「毒虫展」の再来です。
今回展示しているのは12種類。
種数は少ないですが、どれもこれもパンチの効いたクリーチャー達です。
20070724-04.JPG

造形家飼育員田村さんが中心となって作成されたオブジェ。
20070724-03.JPG

ではここから愛すべきクリーチャー達の一部を紹介したいと思います。
まずは毒虫業界きっての癒し系キャラ、放つ異臭は笑っちゃうくらい臭い「タンザニアオオヤスデ」
20070724-05.JPG

いやーかなりきてますね。テッカテカっすよ。
でも毒はないのですよ、自然界での役割はミミズと同じ分解者。
無くてはならない存在です。キャベツとリンゴが大好き。

続いてはビロードをまとった黒い戦士「タイランドブラックタランチュラ」


かなり怒ってます。牙を向けてご機嫌斜めのようです。
しかしほんと美しいクモですよね。僕のお気に入りです。
タランチュラってのは見た目は怖いですが、実は毒は弱いのですよ。
噛まれても死ぬようなことはありません。
僕も高校生の頃一度噛まれたことがありますが、手が腫れて痛かっただけです。

続きましては妖艶なブルー、すばやい動きで扱いずらい「コバルトブルータランチュラ」
20070724-07.JPG

これもまた美しいです。
先ほどのクモとは違いこちらは樹上性、展示ケースの上の方にひっついています。

こちらのクモは「ファイヤーレッグタランチュラ」
名前のとおり炎のような赤毛を身にまとったタランチュラです。
20070724-09.JPG

非常に美しいクモなんですが、刺激すると足で腹部を擦って体毛を飛ばしてくるんです。
ほんと鬼太郎みたいな奴でしてね。
そしてその毛が皮膚に付くと痒くなっちゃうですよ。
皮膚が弱い人にはおすすめできません。

そして、飴玉みたいなこの方達、「ラオスオオダンゴムシ」
非常にキュートです。
20070724-10.JPG

でかいダンゴムシでしょ?
まあほとんど土の中に潜っちゃってるんですけどたまに列を成して歩いてます。
その姿がなんだかとても素敵でしてね、ほんと愛しくなっちゃいますよ。

そしていよいよ真打の登場、極悪キャラ「タイオオムカデ」です。
20070724-11.JPG

これ20cmあります、ものすごいでかいムカデです。
そして動きもめちゃくちゃ早い。ケージに移しかえる時は正直ちょっと怖かったです。

そして最後はこのお方、三葉虫と間違えないでね「マダガスカルオオゴキブリ」
20070724-12.JPG

ほんとはお腹の画像を見せたかったのですが、失神者が出ても困るのでやめときました。
このゴキブリ、掴むと鳴くんですよ。「シーシー」ってね。
でも良くみるとゴキブリらしくなくそんなに不快感もないですよ。
もし部屋に出てきても、こんだけでかけりゃスリッパで叩く気も失せますね。

とりあえずここでは一部を紹介しました。
みなさんも「もっと見てみたい!」って気になったでしょ?
ぜひ「円山昆虫研究所」に来てくださいね。

でも実は毒虫って言いながらも、タランチュラとムカデ以外は無毒の生物達です。
「全然毒虫展になってないじゃないか!」と言う方もおります。
そして飼育員はこう答えるのです。
「いいえ、目に毒なのです」
では。

妊婦さんに誘われて

以前紹介した伝説の場所。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/35
通称「ヘビオトープ」。
野生のヘビ達が集団生活をおくっている場所でございます。

ヘビの求愛が活発になるのは春、日長、温度の変化が刺激となって発情いたします。
交尾はだいたい5~6月にかけてですね。


野生のヘビの交尾画像(激レア)

そんで産卵がはじまるのは7月に入ってから。
8月になる前にほとんどの個体が産卵を終えてしまいますね。
だから7月ってのはヘビ達にとって人生最大のイベントの時期なんですよ。

この時期♂ってのはほとんど姿を見せませんね、早朝にょろっと活動する程度です。
日中は強い日差しを避けて隠れてるんですよ。

んで日中でも姿を見せてるのは9割方♀です。
しかも全てお腹に卵を持った妊娠個体。



これはシマヘビね。
この妊婦さんはかなりでかいです、たぶん10個くらいの卵を持っていると思いますね。




こちらもシマヘビ、彼女はここで暮らす最も美しいシマヘビなんですよ。
産まれて来る子ヘビ達もさぞ美しいことでしょう。
隣でトグロ巻いてるのはアオダイショウの♂。




20070718-02.JPG

そしてアオダイショウ。
彼女も非常に美しい個体です。




20070718-03.JPG

こちらもアオダイショウ。
腹パンパンですよ。
「産ませてよ!」って感じでございますね。




20070718-04.JPG

こちらはちょっと見づらいけど、仲良く並ぶ二匹の妊婦さんです。
右側の個体はまだ若いですね、初産かもしれません。
「ねえ、マタニティー教室って行ったほうがいいの?」
「んー強制参加ではないからね、でも呼吸法は覚えたほうがいいわよ」
若い個体は少し神経質でしたね、マタニティーブルーってやつですかね。

まあこんな感じで、この時期の♀ってのはみんな卵を持っているわけです。
当然お腹の卵を冷やすわけにはいきませんよね、だから長時間の日光浴をするんですよ。
あと、前回説明した紫外線とビタミンDの話ね。
太陽を浴びることでより卵の卵殻の形成を促進させてるんだと思います。

たぶんこのヘビ達も数日中には産卵しますね。
突然姿を見せなくなったら産卵に入った証拠です。
だから産卵日ってのもだいたい推測できるんですよ。

いやーとりあえずうちの妊婦さん達を紹介してきたけど、みんな美しく魅力的な個体ばかりですよね。
やっぱ円山のビバリーヒルズで暮らしてるヘビってのはどっか一味違うんですよ。


20070718-05.JPG

ではまた。

熱い男の栄養学

毎日暑いですね。
最近の爬虫類館の温度はこんな感じ


35℃ね。
喉はカラカラ、腹はペコペコ。
でも館内全体がこの温度ってわけではありません。
これじゃあ動物も死んじゃいますからね。

この温度に達するのは、飼育員が作業する場所だけ。
この爬虫類館、なぜか人が利用する場所にだけ直射日光が当たる仕組みになってるんです。
ほんと訳がわかりません。
安藤忠雄もびっくりの建築設計なんですよ。

餌を作る調理台や各展示場へ続くキーパー通路。
行くとこ行くとこ全てスポットライトが当たるんですからね、毎日ライブライトでスター気分ですよ。

だから室内作業がメンイなのに僕の肌は真っ黒です。
しかもいつも頭にタオル巻いてるから、おでこの上半分は真っ白です。
ほんと「白黒つけるぜ!(ショウ アイカワ)」って感じですよ。

あと汗をかかない体質なもんで、体内に熱がこもっちゃっいましてね。
たまに吐き気なんかしたりしながらがんばってるんです。
ほんと心も体も熱い男ですよ、僕って奴は・・・
この前なんかもネットオークションの競り合いでつい熱くなってしまいましてね。
見事ハンドクリーナーを定価以上の価格で競り落としてやりましたよ。
そのくらい熱い男なんです。

まあそんな人を熱くさせる日光燦燦ライブライトな爬虫類館。
でもね、直射日光は人間にも爬虫類にもすごく大切なもの。骨の形成にね。
特にカメ類なんかは骨の塊みたいな生き物だから特に日光が必要なんですよ。

骨代謝に必要なのはビタミンD(D2とD3)という物質。
このビタミンDがカルシウムの吸収を促進してくれるんですね。

ビタミンDは食物からも摂取できるけど効率は良くないです。
口から摂取するよりも体内で作り出した方が断然効率的なのです。

もともと僕らは体の中にプロビタミンDっていう物質を持ってます。
このプロビタミンDってのはそれだけでは何の役にもたちません。

でもね、紫外線を浴びるとこれらの物質がたちまち活性化して「ビタミンD」へと変身するんです。
そしてカルシウム吸収を促進し、丈夫で強い骨を作ってくれるわけなんですよ。
だから日光を浴びるってことはすごく大切なことなんですね。
ビタミンDが体内で生成されていないといくらカルシウムを摂取しても意味がないんです。
例えフライドチキンを骨まで食らってもね(吉田飼育員)

そんなライブライトの下で働いている僕、皆さんはさぞビタミンDに包まれた骨太ガイだと思うでしょう。
でもそれは違います。

実はビタミンDってのはね、紫外線の中の「ある波長(UBV)」を浴びないと生成されないんです。
でも僕が浴びてるのはガラス越しの日光、つまり有効な波長はカットされてしまっているんですね。
これじゃあ全然意味がナイチンゲール。
直接日光を浴びないとダメってことなんですよ。

だから爬虫類館の動物達には特殊なライトを使ってます。
これはビタミンD生成に必要な紫外線を出すライトなんですね。
だから室内にいても健康に生活してられるんです。

んで僕はというと・・・
有効な紫外線はカットされ、単なる熱と光だけを浴びてるのです。
骨太になるどころか、体力と水分を奪われながらカッサカサになってるにすぎないわけです。
以上、熱い男の栄養学でした。
ぶひ。



飼育員の立場から日本経済を斬る

こんばん。

僕はね、こう見えても日本の社会情勢には敏感な男なんです。
日本が現在どのような状況に置かれ、またどのような立場にいるのか?
政治、経済、UMA出現情報などを調査し世界的視点また客観的視点で見つめ冷静に分析するわけです。

僕は政治番組や討論番組なんかは必ず観てるし、若かったら「しゃべり場」にも応募しちゃってますよ。
当然新聞、雑誌もしかり、蕎麦屋に行けば「財界さっぽろ」なんかをちらりと開いたりね。
まあ日々情報収集には余念がないわけです。

そんな通な僕がね、とても気になってることがあるんです。
それは現在日本経済界を揺るがしている外資系ファンド、通称「ハゲタカファンド」。
僕は彼らの動向を注意深く観察してきたんです、来る日も来る日もね。
そして入念なリサーチの結果、僕が声を大にして世間に言いたいは事はただ一つ。
それは・・・


「だからハゲタカっていう鳥はいないの!いるのはハゲワシなの!」

巷でよく使われる「ハゲタカ」って言葉。でも実際ハゲタカって種類の鳥は存在しません。
ハゲワシってのは実在してますけどね。

そう、この社会情勢のどさくさにまぎれ間違った動物の知識が人々に刷り込まれてしまってるんですよ。
この場を借りて是非ともそれを正したいと思っております。

僕はテレビでキャスターがこの単語を発するたびに必ず大声で突っ込みを入れてるんです。
「おっと奴さん、それは違うぜ」ってね。
例え他人の家や空港での待合室や家電屋であってもです。
これは義務であり猛禽好きとしての使命でもあるのです。


いやーずっと溜まってたことが言えてすっきりしました。
初の文章のレイアウトアレンジをした甲斐もありました。

もーバッサリですよ。
飼育員の立場から日本経済界をバッサリ斬ってやりましたよ。


では皆様ごきげんよう。


これはハゲタカでもハゲワシでもなく、コンドル。
「1羽でもコンドル(混んどる)」

カンボジアモエギハコガメの孵化

今年もカンボジアモエギハコガメの孵化に成功いたしました。


卵は3月6日に産卵されたもの。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/14

孵化したのは6月26日でございます。
今年は孵卵温度を高めに設定したためいつもより早めの孵化でございました。





カンボジアモエギハコガメはモエギハコガメの亜種でベトナムとカンボジアに生息しております。
中国では昔から食用にされてまして、現在では絶滅に瀕しているカメなんです。
特にアジア産のカメ類ってのは産卵数が少ない種が多いもんで一度個体数が減ってしまうと回復するのが困難なんですよ。

動物園の役割のひとつとして、「種の保存」があります。
特に貴重な種に関しては国際的視野を持って積極的に繁殖事業を行っていく必要があるわけです。
でもモエギハコガメはやたら飼育が難しく、繁殖はおろか長期飼育するのも困難な種。

このカメは1994年に動物商から円山動物園に25匹が寄贈されました。
しかし3ヶ月以内にほとんどが死亡、2000年の段階で♂♀各1匹だけが残りました。
大半の個体が餌も食わずに死んでいく・・・・・

とにかく現地でのストックや輸送状態が非常に悪いんですよ。
現地では食用ですから、狭い籠なんかに山積みにされて市場に並んだりしてるんです。
そんな過酷な状況の中ではすぐに病気になってしまいます。
んで日本に輸入されて来る頃にはすでに取り返しの付かない状態まで悪化しているわけです。
(最近ではかなり改善されたようで輸入される個体の健康状態も良いです)

生き残った♂♀のペア、でも健康状態は良くなかったですね。
痩せているし、頑固な偏食だし・・・
でもね、「このペアをなんとか復活させて、繁殖までもっていく!」
そんな強い決心で繁殖事業に挑んできたんですよ。

体重の増加、偏食の改善、繁殖に向けての体内リズムの再確立を2年かけて実施しました。
結果、2002年に初産卵、04年に初めて孵化に成功いたしました。
その後、2006年、07年と継続した繁殖を行っております。
現在はバックヤードにて6匹の個体を管理しております。
(左から、♀親、2004年産まれ、2006年産まれ、2007年産まれ)


ほんとは展示して皆さんにも観察してほしいところなんですが、この種はなにせ神経質。
2005年に一度展示を行ったのですが、それが原因でこの年は繁殖しませんでした。
環境の変化で繁殖リズムが狂ってしまったんですね。
それぐらい微妙な条件が必要なんです。

この種は世界的にもみても繁殖例は少ないです。
国内の施設では円山動物園のみが繁殖に成功しております。
飼育技術者の立場から種の保存に貢献。
まさに飼育係冥利に尽きるって感じでございますね。

この種は貴重な種、展示よりも繁殖を第一に考えております。
でも近いうちに何らかの形でお披露目したいと思っていますので、それまでご理解よろしくお願いいたします。




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