札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2010年08月 の投稿一覧

コモド旅立つ。

コモドオオトカゲのコナンとコニがインドネシアと旅立っていきました。
20100819-00.jpg

輸送箱にも素直にすんなり入ってくれて、ほんと最後まで手のかからないオオトカゲでございましたよ。
左がコニで右がコナン。
でも無事に着いてくれるまで、実に不安でございましてね。
早くこの胸のモヤモヤをすっきりさせてほしいです。
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ぽっかり空いたこの巨大な展示場を眺めるとやはり寂しさがこみ上げてきますね。
しかしね、現実に寂しがってもいられないわけですよ。
爬虫類館には僕に命を委ねているたくさんの爬虫類両生類がいますからね。
明日からもいつも通り、脇目も振らずに非日常的な日常をこなしていくわけですよ。

コモドがいなくなった爬虫類館は来園者の方々には少し寂しいかもしれません。
でも今は来年の新爬虫類・両生類館に向けての蛹の時期だと思って見守ってくださいね。
春にはオオムラサキのように美しく羽ばたいて魅せますよ。
羽化したらヘビトンボだった、みたいなことにはなりませんからね。

では短い期間ではございましたが、コモドーズを愛してくださった皆様に心から感謝します。










お盆休みはコモドで。

コモドオオトカゲのコナン、コニの旅たちの日が決まりました。
8月18日です。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-328.html
展示は17日まで行っております。
お盆休みを利用して是非コモドに会いにきてくださいね。



ほんと存在感のある素敵なトカゲです。
爬虫類の特徴の一つとして、「剥製、もしくは石のように動かない」ということがいえます。
確かにコモドもそれほど動きませんが、こう見えても爬虫類業界の中では桁外れに活動的なんですよ。
とくに人間が中に入り、彼らの好奇心にスイッチを入れることで、その活動量はマックスに達します。
だからガイドに限らず、排泄物の掃除やプールの水換え、またはダニ取りの時などコモドの魅力的な動きが観察できるんですね。
コモドだけでも十分魅力的なんですが、人とセットになることでより強い印象を与えることができるんですよ。
そんなこともあって僕は極力コモドの中に入って、作業する時間を作っていたんですね。



動き回る巨大生物、その横には「貧相で将来は喉に餅を詰まらせそうなタイプ」の男ですからね。
そりゃお客さんの足も止まりますって。
まず断片的にでもコモドの魅力が伝わって、さらに強い関心を持ってもらうためのきっかけになれば良いなと思っておりました。
この作戦はたぶんうまくいったんだと思うんですよ。
たくさんのコモドファンの方達が何度も足を運んでくれましたからね。
本当に心から感謝しております。

でもそんな絡みもあと数日ですね。
最近は他の動物にかかりっきりでなかなかコモドとの時間を過ごせないでおりますが、明日からはまた時間を作りたいと思っております。
全身のダニをきれに取ってあげようかな。
では明日も皆様のご来園を心待ちにしております。

星空動物園 再び。

急な話ではございますが、今夜星空動物園を開催します。
今日は夜の動物園で、青少年科学館による移動天文台を実施する予定でしたが、雨予報のため中止になる可能性が高いです。
本当に今年は天候に恵まれず、せっかくの企画も台無しでございます。
そのため、たぶんこんなスケジュールになると思いますので皆様ぜひきてくださいね。

19:15~19:45 本日見れたはずの星空、夏の星座、流れ星について

19:45~20:15     〃  

20:15~20:45 本田飼育員と天文係のスライドトークショー

場所は動物園センター情報ホールです。
では皆様、足元が悪い中とは思いますが、よろしくお願いします。
レッツ、ナウロマンティック(BY Koji2000)。



さよならコモド。

さよならは突然にやってまいりました。
コモドオオトカゲのコナン、コニがインドネシアに帰ることになりました。
早ければ8月10日に出発する予定です。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-328.html


コナンとコニ。
ほんと穏やかで賢く、爬虫類という概念を覆してくれる存在でした。
付き合えば付き合うほど、実に奇妙であり、また実に魅力的な動物でした。
インドネシアに帰っても是非元気に暮らし、子孫を残していってほしいですね。

いやーしかしほんと無念なのは繁殖には至らなかったことです。
今年はダイエットも完了し、準備万端で挑んできたつもりだったんですけどね。
やはりそうは問屋は卸さない。

今年は5月から7月中旬にかけて、ダラダラと交尾期が続いていたんですよ。



今年は朝一番にプール内でマウントしている事が多かったですね。
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そしてつい先日、♀コニにやたらと穴を掘る行動が観察されたんです。
コモドはまず何箇所も穴を掘って、そのどれかに卵を産むんですね。他の穴はダミーです。

まあそんなこともあったので急遽妊娠しているかどうかの検査を行ったんですよ。
しかし残念ながら卵は確認できませんでした。

これで国内でコモドを観察できる場所はなくなってしまいます。
急な話で恐縮ではありますが、何分国際間の貴重な種のことなのでご了承ください。
では残り短い期間ではありますが、皆様是非動物園に足を運んでくださいね。
さよならコモドイベントは8日の日曜日です。
たくさんの御来園をお待ちしております。



「THE 飼育」。

あまりの放置プレーにより、瀕死状態のこのブログ。
入院説、異動説、死亡説と知人の間では流れていたようですが、再びこのブログに息吹を与えるべく戻ってまいりました。
なんだか久しぶりに登校して、仲間に受け入れてもらえるかちょっと不安な中学生の気分です。
皆様なにとぞよろしくお願い致します。

皆様お元気だったでしょうか?
僕もそれなりに元気です。
町内会費を集めに行ったり、広報さっぽろや選挙のチラシなどを配布したりと日々活躍しております。

もちろん動物園でもバリバリやっておりますよ。
なんたって新爬虫類・両生類館の建設が開始されましたからね。
40年に一度あるかないかの大事業です。
そりゃ僕も休日返上でハッスルしますよ。
ほんと毎日気分は超YPです。(過去ログ参照)

今僕が動物園で主に取り組んでいるのは、もちろん「飼育」です。
いや飼育という表現では足りません、ここではあえて「THE 飼育」と言わせていただきます。
なんとなく「ものすごく飼育」みたいな感じの意味だと理解していただけるとありがたいです。

今ですね、新爬虫類・両生類館に向けて、国内外からたくさんの生物達が集まってきているんですよ。
そんなこともあって現在の管理個体数は200を越えております。
現在のバックヤードはこんな感じ。







もうね、どこになにがいるのかわからないって感じですね。
でもね、どこになにがいるかはちゃんとわかってます。






閉鎖された昆虫館も爬虫類、両生類たちのバックヤードとなってるんですよ。
うちの風呂よりでかいケージが所狭しと並んでおりますね。



要求する条件が異なる種を一箇所で管理するってのは非常に難儀でございまして。
特に昆虫館ね、ここは全面ガラス張りの施設です。
ほんとこういう環境ってのは最も飼育に向いていないって気がしますね。
とにかくね、日射の影響をモロに受けてしまうんですよ。
陽が照れば高温になりすぎ、陰れば温度が足りなくなる。
もう毎日太陽との戦いでしてね。
ほんと今まで生きてきて、太陽に対して憎悪を憶えたのは初めてですよ。

爬虫類・両生類ってのはシビアな温度環境を要求します。
気まぐれな太陽さんと雲さんの動きで、一日中温度を監視し管理しなくちゃならないわけです。
まあそのおかげで僕の体内サーモスタットは非常に研ぎ澄まされましたよ。
たぶん何千万もする設備機器よりも、僕が動き回った方が良い環境を作れますね。
まあそんなこんなで気分は超YPなんですか、日々ピリピリしちゃうんです。

しばらくそんな日が続くと思いますが、新爬虫類・両生類館の完成は来春です。
どうか皆様期待してくださいね!
素晴らしい施設にするため職員一丸でがんばりますよ!
必ず市民の皆様に誇りに思ってもらえる施設になります!



僕もにんにく卵黄の過剰摂取でがんばっていきます!
なんか変なテンションになってきたのでもう寝ます!
それでは皆さんおやすみなさい!

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