札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2008年11月 の投稿一覧

日本両生爬虫類会議開催。

25・26日と、我が円山動物園で日本動物園水族館両生爬虫類会議が開催されました。
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全国の動物園水族館の爬虫類、両生類担当者が札幌に集結。
こわくないですよーみんな素敵な方たちです。
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ホスト園は忙しいのです。会議を成功させるため職員総出でがんばります。

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会議直前の風景。この独特の張り詰めた空気感がたまりません。

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2日間に渡って、たくさんの研究発表が行われました。
注目は名古屋港水族館による、「スッポンモドキの繁殖」。
このカメの繁殖例は過去アメリカ、ドイツで1例ずつありますが、まともな事例は報告されていません。
世界初の快挙といっても過言ではないでしょう。

もちろん僕も発表しましたよ。今回こちら。
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いやーほんと素晴らしい会議でしたよ。

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インドネシア政府副大使、森林部長によるコモドオオトカゲの特別講演も行われました。

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こちらはユリウスによる、「コモドオオトカゲの飼育と繁殖」

そして全体討議では、日本産両生類爬虫類の域外保全(飼育下繁殖)を積極的に進めていくことが宣言されました。
この宣言は「円山宣言」として受託されました。
今後の両生類爬虫類の分野において歴史的な日になるでしょう。


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我が家には4人の飼育員達が4日間泊り込み。
ご存知、心の師の長坂拓也。
いつものように、伝説のペイズリーパジャマ姿で「カツゲン」をがぶ飲みです。
ほんと考えられないわ、このお方。

嗅覚を研ぎ澄ませ。

僕はね、最近もっぱらソファで寝てるんですよ。
なんかベッドで寝るのはもう飽きちゃいましてね。
寝心地はすごく悪くて全然熟睡できないんだけど、なんとなくプチキャンプ気分が味わえて楽しいんですよ。
まあキャンプ自体は嫌いなんだけどね。

そんなこんなで昨日の朝、いつものようにソファで目覚めたんですよ。
そしたらなんか臭い・・・・なんとなく「ホットケーキ」のニオイがするんですね。
まあホットケーキは大好きだから、あまり気にせずそのまま犬の散歩に行ったんですよ。
んで帰ってきて玄関に入ったとたん、やっぱりホットケーキ臭なんですね。
「こりゃおかしいぞ」って思いましてね、とにかく家中探索したんです。
誰かが忍びこんでホットケーキ焼いてたら大変ですからね。

僕はね、オオトカゲばりに鼻が利くからすぐにわかりましたよ。
ニオイの根源は寝室だなって。
まあ実際、鼻が利くとかの問題じゃなく、寝室から煙が出てましたからね。
ほんと瞬時に状況を理解しましたよ、布団が燃えてるって

最近はベッドを使ってなかったもんだから、ベッドを物置にしてたんですよ。
んで上に置いてた敷き布団がストーブと密着してて燃えてしまったわけです。
燃えたというよりも「炭火焼き」みたいな状態、炎は上がってないんだけど煙がすごくてね。
うちはパネルヒーターだからじわじわと熱が伝わって燃えたんですよ。

いやー慌てましたよ、布団を持ち上げたら中から煙がモックモク。
もう頭の中では冠二郎のメロディーが鳴りっぱなしでね。
とにかく急いで布団を玄関まで運んで、外へぶん投げて雪に埋めてやりましたよ。

その日僕は休日だったんです。
もし出勤日だったら僕のことだから気にもせず出かけてたと思うんですね。
そしたらどうなってたか・・・そう思うとぞっとしましたよ。

いやー大事に至らなくてほんと良かった・・ほんと胸をそっとなでおろしました。
頭の中では「いいちこ」のメロディーが小一時間静かに流れてましたからね。
皆様もこの季節、ほんとに気をつけてください。
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特に異変を察知するわけでもなかった愛犬のルーツ。

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ロックンロール!

ミスターユリウス。

コモドオオトカゲと共に技術指導のため来札した、タマンサファリのユリウス氏。
彼との奇妙な生活が始まって10日がたちました。
なんせ寝る時以外はほぼ一日中一緒に過ごしていますからね。



すっかり五郎さんみたくなってます。
南国から来たのに「北の国から」スタイル。
雪を見るのも初めてで、粉雪舞うたび写真を撮りまくっております。

ユリウスはコモド諸島産まれ、そう、生粋のコモドっ子なのですよ。
幼少の頃からコモドドラゴンを身近に感じ、非日常的な日常を過ごしてきたわけです。
タマンサファリの飼育員となって13年、僕と同期です。

奥さんと幼い娘さんを国に残し、言葉の通じない遠い異国へと一人でやってきたユリウス。
すごく謙虚で、シャイで真面目なユリウス。
そんな彼にとってここでの生活は大きなストレスでしょう、心情は痛いほどわかります。
僕も以前ニューヨークに行った際、所持金も少なくどうしていいかわからないまま夜の街をさまよいました。
挙句のはてにハトの餌を自販機で買い求め、涙ながらに飢えをしのいだ経験があります。
あの大都会で食いぱっぐれるくらいのチキン野郎だったわけです。

彼との生活で大変なのは、やはり言葉でしょう。
彼はインドネシア語しか話せません。
通訳の人が付く日もありますが、付かない日も多々あります。


彼との生活を豊かにするための必須アイテム。
常にこれを持ち歩きお互い必死に伝えるべきことを伝えているのです。



最近の二人の様子。一日の大半はこんな感じです。
お互い辞書を開きながら、言葉を探しています。

ユリウスがおもむろに辞書を開いた時は、僕に何かを伝えたいサイン。
言葉が見つかるまで15~20分くらいかかり、僕もそれをじっと待ちます。
彼から発せられる情報は、今後のコモド飼育にとって非常に重要なことですから。

そしてやっと出てきたセリフは・・・「今日は雨ですね」
僕は「そうだね・・・・」
そんなユリウスがとっても愛おしいです。

でも最近は、めんどくさいのか開き直ったのか、無理はせず二人で鼻唄を歌いながら過ごしています。
そして疲れたら無言、長時間の沈黙も全然へっちゃらです。
無言でも長時間一緒に過ごせる関係、そう、ある意味家族になったのですね。



職場のみんなからも愛されています。
特に女性陣の人気者。
僕と二人で居る時は決して見せない笑顔ですね。

コモドオオトカゲに会いに来た際は是非ユリウスにも声をかけてください。
彼も喜ぶと思いますよ。

スラマッシアン (こんにちは)
クナルカン  (はじめまして)
ナマ サヤ ナオヤ (私は直也です)
テリマカスィ  (ありがとう)
サマサマ (どういたしまして)

これくらい覚えておけば大丈夫です。
皆様のお越しをユリウスと共にお待ちしております。

コモドオオトカゲは丸顔族。



コモドが来て1週間が経過、2頭とも落ち着いております。
んでもって先日、初めての給餌を行ったんですよ。



タマンサファリでは1週間に一度、ニワトリを与えているんですね。
ニワトリ1羽をぶつ切りにして2頭に分けて与える。
ほんとは餌の質と量は変えていきたいんだけど、しばらくはタマン方式をそのまま引継ぎたいと思っています。
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とりあえず2頭とも食べてくれたので一安心です。
でも2頭とも肥満ぎみでございます。
飼育下育ちだなってのがすぐにわかる体型ですね。
オオトカゲってのは餌の乏しい環境の中で進化適応してきた種類。
だから餌の豊富な飼育下では容易に太ってしまうんですよ。
でもこのプロポーションだけはもうちょい何とかしたいですね。
僕はね、動物のプロポーションにはめちゃくちゃうるさい男なんですよ。
飼育下の動物達って本来の美しいプロポーションを保っていないんですね。
ほんと別の生き物じゃないの?って思うこともしばしばあるんです。

「精神的、肉体的な健康を考慮した上で、本来の美しい体型を保たせる」
これは僕が動物を管理する上で最も重要視していることなんですね。
特にカメなんて適切な管理をしてないとすぐに甲羅が歪んできちゃいます。
甲羅が一度歪むと2度と元には戻らない、失敗は許されないわけです。
日々の飼育管理が単なるルーチンワークでは絶対に達成できないことなんですよ。
皆さんがいつも見ている動物園の動物達、実際は全然違う印象を持っているかもしれません。


でも飼育下産まれのコモドはほんとに温厚ですね。
触っても全然平気、ちらっと横目で見てくるだけです(そのチラ見がなんとなく怖い)。
大きくて強い動物ってのは往々にして温厚で扱いやすい傾向があります。
怖いものがないから、警戒心も薄く、ある意味鈍感で精神が安定してるんですね。

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来園者からも「かわいいー」って歓声が飛んでおります。
ほんと今まで爬虫類館では聞いたことないセリフですよ。
うん、たしかにコモドはかわいらしい顔つきなんです。
それは他のオオトカゲよりも鼻先が短く、顔が丸いからね。
ほんと丸顔族は得ですよ、みんなにかわいがられるんですから。
レッサーパンダなんてそれの最たるものですよね。
爬虫類だったら、リクガメ類とかシシバナヘビとかかな。
反面、ウマヅラコウモリやインドガビアルといった面長族はちょっと厳しいな。
人間ってのは無意識的に丸顔でフワフワしたものを愛おしいと思うようだから。
僕はみんなとは好みがちょっと違いますけどね。



毎週土日は「コモドオオトカゲのポイントガイド」もやっております。
皆さん、是非見に来てくださいね。
僕だったら二万回くらい見に行きますよ。
世界の宝が円山にいるんです・・いまだ信じられませんよ、僕は。

インドネシアの至宝ご来園。

いやーみなさん、とんでもないことになってしまいましたよ。
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その日は突然やってきました。
とうとうきてしまった・・・夢にまで見たこの日・・・・
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非現実的なことが現実になった瞬間・・・・
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OH MY GOD!
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-146.html
そんなわけで、世界最大のトカゲ、コモドオオトカゲのペアがインドネシアからやってきました。
インドネシアがこのトカゲを国外に出すのは異例なことです。
現在日本でコモドが見れるのはここだけ!
なんてことでしょう!コモドを管理できるなんて誰が想像できたでしょう!
ありえない!ほんと超YPです!
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大人の太ももより太い尾。
もしこれで叩かれたら、脳挫傷確実です。
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例えようのない巨大な足。
ほんと参りましたよ。ほんと超YPです。
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全身からオーラが出まくりです。
世界の宝がここにいるのです。
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夫婦仲良し。
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技術指導のため、トカゲと共にやってきたユリウスさん。
インドネシア、タマンサファリの飼育員です。
スラマッパギー。
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本日より一般公開です。
是非皆様会いにきてくださいね。
この機会を見逃すと人生の3分の2を損することになります。
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ほんともう信じられない!
ほんと超YPです!



※超YP(チョー・ヨンピル) 

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