札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『爬虫類』タグの付いた投稿

足長おじさん、ありがとう

最近スネークアートの会場に付きっきりなもんで、飼育業務が手薄であります。

日本の飼育係って何でも屋なんです。
飼育技術者であることはもちろん、時には教育者、時には保護活動家、時には大工、時にはペンキ屋
、時には営業マン、特にはイベント屋、時には歌い手(ハッピーバースデーレディー)など
まあ色々やることがあるわけです。

んで業務が重なるとみんなで助け合って乗り切るわけです。
でもね、爬虫類館ってなかなか難しいんですよ。
だってどこに何がいるのか僕しか知りませんから。

んで爬虫類でしょ?
「ジムグリの様子見て食べたそうだったらピンクマウス10匹あげといて」とか
「レップカルでダスティングした2令コオロギを別飼いコモチカナヘビにあげといて」とか
何のことやらわからないわけです。

でもね・・・
合間をぬって爬虫類館に出向くとちゃんと世話してくれてるんですよー。
「100万ぺソの笑顔」こと吉田さんが気を使ってやってくれてるんですね。
しかも、ネズミ室(餌用ネズミの飼育部屋)の掃除(床材交換、かなりめんどくさい)まで・・・。
フリーフライトや猛禽のトレーニングも任せちゃってますから
ほんとに毎日助かっております。ありがとうございます。

あと僕は祐川さんの休みの時はチンパンジーの代番をやってるんですね。
チンパンジーは通常二人で代番をやるんです。僕と海獣担当の土佐さん。
んで会場の準備なんかで遅れてしまうと、土佐さん一人で掃除、餌やり、レディの授乳なんかも
すべてやってくれてるんですね。いやー本当に感謝です。ありがとうございます。
まあ二人に限らずいろんな方にカバーしていただいて僕もイベントに専念できてるわけなのです。

でもね、不思議なことがあるんですよ。
んーかれこれ半年くらい前からなんですが、ネズミ室の水換えをやってくれてる人がいるんです。
飼育課の人に尋ねても誰も「おれじゃねーよ」ってな具合でほんとにわからない。
ネズミ室は一般の人が入れる場所ではないので職員の誰かのはずなんですが
全くわからんのです。まあ助かってるんで今は誰でもいーやって思ってるんですけどね。
まだ見ぬ僕の足長おじさん、いつもありがとう。

今宵はちょっと心温まるお話をさせていただきました。
ではおやすみなさい。

土佐飼育員
土佐飼育員。やさしい人。
「梅図かずお」じゃないからね。間違えないでね。
赤白ボーダーシャツじゃないのが悔やまれます。

日本産爬虫類の巨匠。星野氏来園。

爬虫類好きなら誰もが知ってるこのお方、星野一三雄氏。
生活総合情報サイト「ALL ABOUT」の「爬虫類・両生類」を管理されているお方です。
先日、遠き宮崎から当園に遊びにきてくれました。

以前メールで何度かやりとりしたことはあったのですが、お会いするのははじめて。
まあお互い「爬虫類バカ」ってことで逢った瞬間からハイジとクララですよ。

おみやげはもちろん「宮崎地鶏真空パック」と「焼酎」。
下戸の僕には豚に真珠、スペングラーヤマガメにモロヘイヤでしたが
「泥酔会」(べろんべろん会)なる秘密結社を率いていた酒好きの父に飲んでもらう予定でおります。
ありがとうございます。

星野氏の専門は日本産の爬虫類両生類。
飼育ばかりではなく、フィールドワークもこなす筋金入り。

3時間程爬虫類について議論し、その後僕の家へ。
いやーほんとに刺激的なお話をたくさん聞けてよかったです。

んでずーっと星野さんに聞いてみたかった質問を一つ
「どーしてサイトを管理してるのですか?ものすごい大変ですよね?」

「モチベーションを保ち続けるためですよ。」と即答。
自分ばかりではなく、日本の爬虫類飼育技術向上のため自ら荒波に身を置くその姿勢。
本当に頭が下がります。勉強させていただきました。

動物園業界においては
「ドタキャンの本田」「最もあてにならない男」として名を馳せている次男坊な僕としては、
爪の垢をそのままむしゃぶりつきたい気分でした。

これからも情報発信基地として、さらなるご活躍を期待しております。
星野さんに感謝。


では
最後は僕が手塩にかけて育て上げた日本一美しいアオダイショウで締めくくらさせていただきます。
日本一美しいアオダイショウ

交尾のさせかた(カンボジアモエギハコガメ編)

3日前から湿度を下げカラカラにしとく


飼育ケージ内の物(水入れや隠れ家)を全部とりだす

♂のケージに♀を入れる

上からぬるま湯をたっぷりかけて湿度を上げる(カメにもかけてね)

10分待つ(覗いちゃダメよ)

んで・・・・・・・

カンボジアモエギハコガメ01

交尾成立

行為が終わったら(30分程度)再び♀を取り出し元のケージへもどす

最近♂の行動がもちょもちょしてきたため本日交尾を実施いたしました。
2月に入ると日長時間がのびますよね、爬虫類館は年中暖房しているんで、本来繁殖行動を引き出すために必要不可欠な「温度変化」を提供してやることができないんですよ。

だから、この日長変化を利用して発情のタイミングを調整しているんです。
2月に♂と♀の「やる気」が最高潮に達するように飼育管理を行なうのです。
彼らの行為がスムーズにいくよう事前にしっかりお膳立てをして、
最高のムードを演出してあげるのが飼育係の役割なんですよ。

他に2月に「やる気」を設定しているのは「ヨウスコウワニ」
動物園に来た際は観察してみてくださいね。
あと、かるーく展示場のガラスをドンって叩いてみてください。
きっとエキサイティングな光景を目の当たりにすることができますぜい。

カンボジアモエギハコガメ02

交尾を終えた♂
恍惚の表情・・・・・・・・

伝説のイベント開催します。

3月17〜31日まで「円山スネークアート展」が開催されます。
「ナゼ、多くの人は爬虫類・両生類を嫌うのだろうか?」をスローガンに
札幌に暮らすART集団が新たな視点で爬虫類・両生類の魅力を伝えるという伝説のイベントです。
聞いただけでおもしろそうな感じがするでしょ?

なぜこんなアート展をすることになったかと言うと、まあ僕は昔から爬虫類が好きだし飼育担当者として爬虫類への理解を深めてもらい彼らが愛すべき存在であることをアピールする使命があるわけです。
しかし動物園が発信する「理科チックなメッセージ」はなかなか世間には伝わらないんですよねー。

まあそのような状況の中でも来園者の方も含めいろんな人から爬虫類についての相談を受けることもあります。んでふと気付くと爬虫類に関心を示す人ってなぜが芸術家やロックンローラー(メタル系6・パンク系3・ロカビリー系1)の方達が多いことに気付いたんですね、本当にとっても素敵でウィットに富んだ方達が多いんですよ、まじで。
だったら彼らに新たな視点で爬虫類・両生類の魅力を伝えていただこうってのがきっかけなんです。

独特な感性を持ち合わせている表現者達は爬虫類の魅力を鋭く感じとることができます。
だから常々僕は「爬虫類を好きな人ってかっこいい奴らが多いんだぜ!」って世間に教えてあげたかったんですよ。んで爬虫類はキモくてイヤっていう感情が「何となくかっちょ悪くない?」みたいな風潮ができたらいいなーなんて思ったりもしてたんですね。
何よりも爬虫類・両生類が主役なのが素敵なんです。
爬虫類・両生類だから個性豊かな人達が集まるんですよ。
例えばこれが動物全体を対象にした「アニマルアート展」だったら?んー・・・・・・なんかつまんない。
やっぱ爬虫類だからパンチがきくんですよ、きっとね。
でも「猛禽アート展」はちょっとだけ楽しそう・・・・

あっタバコもあと残り3本、今夜はもう寝ますわ。

次回は愛すべき実行委員達についてお話します。

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