札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

2007年06月 の投稿一覧

ナチュラルガーデニング

今日は休日、のんびり過ごしていました。
百合が原公園さんの花日記を見ていると心が和みますよね。
花っていいなーって。
僕も実はガーデニングとか庭いじりとか結構興味があるんですよ。

ガーデニングといえばイギリスですよね。
イギリスの住宅ってのはフロント&バックという形になってます。
区分けされている土地はすべて細長く、方位に関係なく道路側がフロント、裏がバックヤードなんです。
住宅は道路側ギリギリに建てられていて、裏のバックヤードが広くとられています。

道路に面した玄関側はお客を迎えるため、また通行人に眺めてもらうための華やかなフロントガーデン。
んで広く取られたバックヤードは家族で過ごしたり、好きな庭を作ったりするプライベートな空間。
「使える庭」がそこにあるのです。

日本の場合、南向きにこだわり、家は後ろギリギリに建てて道路に面した前庭を広くとりますよね。
だから庭全体が通行人の目にさらされちゃってる・・
洗濯物も丸見えだし、お茶を飲んだり読書をしたりって落ち着ける空間ではないですよね。
結局「使えない庭」になってしまう・・ほんともったいないです。

まあ文化も気候も条件も法律も違うんで一概にどちらが良いとは言えません。
でもやっぱイギリス式の方が合理的だし、住んでて楽しいと思うんですよね。
だから僕もこの「フロント&バック」という理念を参考にしております。




まずは通行人を楽しませるためのパブリックな空間、フロントガーデン。
ここには色鮮やかな



フキね。
しかも品種改良したわけでもないのにミラクルに成長。
コロポックル5人は暮らせます。


大きさがわかるように典型的なスペングラーヤマガメの♀を置いてみました。


ね?大きいでしょ。



続いてお客さまを迎える玄関までのアプローチはもちろん

20070628-02.JPG

タンポポね。
こちらもミラクルタンポポへと成長しております。
一見タンポポと思いきや、なんかギザギザしてて毛羽立った「タンポポモドキ」みたいのも一緒に生えてます。


大きさがわかるように典型的なトウブハコガメの♀を置いてみました。
20070628-03.JPG

ね?大きいでしょ。


最後は使える庭、バックヤード。
ここには一面の



フキね。
北竜町のひまわり畑を彷彿させる幻想的な風景です。
コロポックル750人は暮らせます。


んで先日・・
20070628-05.JPG

全て刈りました。



「お前、最近ブログ書くネタねーだろ?」と同僚達はいいます。
いえそんなことありませんよ、先はまだまだ長いのです。
どんどんDeepにしていきますのでご了承とご理解お願いします。























最安値

動物園でもっとも餌代が安い動物ってなんだべかなー?しばし考えておりました。
いろいろ悩みましたが、結局「夏場の爬虫類」という結論に達しました。
まあ餌用のコオロギとかなり接戦だったんですけどね。

爬虫類館には動物食、植物食、雑食とそれぞれ食性の違う種が暮らしております。
その中で頻繁に餌を与える必要があるのは植物食の種、イグアナとかリクガメね。

どんな餌を与えてるかというとこんな感じです。



左側がアカアシガメ、キアシガメ、手前がイグアナ、奥の2つはクモノスガメね。

まあこの日はペレットや少量のリンゴなんかも加わっていて豪華メニューだったんですが
基本メニューはタンポポ、オオバコ、クローバー、ハコベ、そしてハイビスカス。
そう、これ全て野草類なんですよ。

植物食の爬虫類には低カロリー、高繊維、高カルシウムの餌が必要なんです。
野草類は育った土壌にもよるけど、市販の葉野菜よりはこれらの条件を満たしております。
なんせ「タダ」だしね。

だから春から夏はこの野草類のみを利用してるんです。
市販野菜は使っておりません。
新鮮な野草をその都度刈ってきて新鮮な状態で与えているんですよ。
園内そこら中に生えてますからね。
他の飼育員にとっては邪魔な雑草、でも僕にとっては宝みたいなもんなんです。

ハイビスカスは爬虫類館と隣接している熱帯植物館に年中咲いております。
しぼんでしまった花を摘んで餌にしてるんですよ。

んで最後にビタミンD3入りカルシウム剤をふりかけて完成。
このカルシウム剤のみ何円かかかっちゃってるんですわなぁ。
それで餌用コオロギが食ってる煮干の欠片とどっちが高いか悩んじゃったんですよ。

まあとにかくこの時期の爬虫類は餌代がかかってないのです。
動物食種に与えているコオロギやネズミは自家生産ですしね。
雑食性種に与えている果実類だけは多少のお金はかかってますが、まあそれでも微々たるもんです。



そんなこんなで僕の日課はこの雑草刈から始まります。
カマを持った飼育員が園内を闊歩しておりますが、「ナマハゲ」ではありません。
特に泣く子も探しておりませんので、どうぞ怖がらないでください。

もし見かけた際は
「おっ今日も雑草刈りですな!」とか「よっ蝦夷の雑草ハンター!」などと声をかけていただければ幸いです。


花びらのように花びらを囲むクモノスガメたち。
決して小食な種ではありません。

人生の師

こんばんわ。
昨日は何の日だったか知ってますよね?
そう、UFO記念日です。
1947年、アメリカで世界で初めてUFOが目撃された日です。
この歴史的記念日、皆さんも盛大に祝ったことでしょう。

ネイチャーやサイエンスより「月刊ムー」(俳句風に)










千石正一氏に続き、僕の人生の師でもある長坂拓也氏が昨日まで遊びにきておりました。
動物業界の巨匠達が相次いで来札、非常に慌しい日々でございました。



20070626-00.jpg

長坂氏との出会いは13年前。
当時高校生だった僕は、飼育のことで頭がいっぱいの気持ち悪い少年でした。

当時、日本の爬虫類飼育レベルはまだまだ低く、試行錯誤の状態。
巷では間違った情報も多々流れ、激動の混乱期だったのです。

そんな中で僕が手にした書、そこには頭がスッキリするほどの真実が書かれていたのです。
その書の著者は長坂拓也氏。

いやー感激しましたねー。
すぐにこの人と話がしたい!
たまたま氏の職場が掲載されていましたのですぐに104で調べましたよ。
んで二分後には電話をかけていました。

氏は業務の合間にも関わらず、うさんくさい高校生の電話にも親切丁寧に対応してくれましてね。
2時間も。

それからは頻繁に連絡とるようになり、お互い様々な情報交換を行ってきました。
そして僕も高校を卒業し、動物園に無事就職。
氏もとても喜んでくれましてね。

動物園に就職してからは毎月氏の元(東京)へ通いましたよ。
そればかりではなく年2,3回の南西諸島へのフィールドワーク、各学会の参加など
いつも僕は氏と一緒に行動しておりました。

就職してからの6年間は給料のほとんどを飛行機代に使ってましからね。
でもこれも自分を磨くための月謝だと思って喜んで払っていましたよ。
金ってものはこういう使い方をするべきだと思ってましたからね。

付き合いの中で氏はいろんな方々を僕に紹介してくれました。
全国に散らばる凄腕飼育員や研究者の方達です。

おかげで僕の人脈も一気に広がりましてね、今では様々な分野を網羅しておりますよ。
何か困ったら電話一本でアドバイスもらえるので本当に感謝しております。

人生を変える出会いってありますよね。
僕は氏と出会ったことで一気に道が開けたのです。
僕にとってかけがえのないお方なのでございます。
ほんと幸せな男ですわ、僕って奴は。


まあそんなこんなで今夜はちょっと良い話をしてみました。









千石ウィークも無事終了

千石先生トークショーも無事に終了。
暑い中来園してくれた皆様ありがとうございました。




良い話でしたよね。
環境破壊、温暖化など押し付けることなく淡々と現実を語る。
「ハンバーガーを食うなとは言わない。
ただハンバーガーを一個食うことで、どういうことが起きているのかは知っとくべきである」
知ってるのと知らないのとでは大きな違いがあるってのがスタンスです。
命はみんなつながっているんですよね。

お家芸のダジャレも多数飛び出し僕も安心しました。
普段ならあの10倍くらいダジャレが飛び出します。
しかもわかりづらいものがほとんどです。

特に動物の学名をからめたダジャレなんて難しすぎてまったくわかりません。
何がおもしろいのかもわからない。

僕 「あのーわかりづらいんで、いちいち反応しなくてもいいですよね?」
千石先生 「おーいいぞ。俺のダジャレは癖なんだから、いちいち反応しなくてもいいんだ」


トークショー終了後は、近くの中華屋で食事。



素敵な一週間もここで終了。
千石先生、森垣さん、ありがとうございました。



森の中にて
おもむろに木の棒を拾う、そしてそれをツエのかわりに利用。
「これがツエー(強い)味方になるんだ」
伝説の男は誰にも止められない。

ジビエな夜に乾杯、千石先生トークショー前夜。

みなさまお待ちかね。
いよいよ千石先生トークショーが明日開催されます。
天候にも恵まれそうなので、午後3時から野外ステージにて行う予定でおります。

市民の皆様、先生への質問はまとまりましたか?
せっかくのチャンスですからどんどん質問してくださいね。





そんなこんなで昨夜は最終打ち合わせと食事会のため先生のご友人宅を訪問いたしました。
晩餐会は鷹匠の伝統料理「鴨スキ」と千石先生の手料理で決定。
カモの肉をスライスして、それを鉄板で焼き、大根おろしと生醤油だけで食べます。
昔から鷹匠達はこのような手法でカモを食べてきました。
まじでうまいです。

今回用意したカモ、ぱぱっと捌いてこんな感じ。


これは僕が今年の2月に岐阜県で鷹狩りをした際に得た獲物です。
最後の1羽だったもんで、自分で食べちゃうのはもったいないなーって思ってたんですね。
ちょうど良かったですよ。

千石先生はかなり料理好き。しかも上手です。
今回はアスパラとほうれん草のおしたし、トマトスープにポテトサラダ、そしてデザートはゼリーね。
かなりヘルシーメニュー。

いやーうまかったですよ、三人前あったんですがほとんど僕一人で食っちゃいましからね。
すごく食が進んだもんでおかわりしようと台所へ行ったら「おかわりはないぞっ」って。
「えー、うそーん」仕方なくフランスパンを持ってきて齧ってました。

食後は天空の城ラピュタを観ながらしばし談笑。
世界の国々のこと、動物のこと、宮崎 駿氏のこと、話は尽きません。
ほんと楽しい晩餐会でございました。

では皆様、明日のご来園お待ちしております。

札幌市円山動物園 特別企画
千石正一先生 トークショー
~いのちはみんなつながっている~

<プログラム>
日 時:平成19年6月17日(日)午後3時~4時
会 場:札幌市円山動物園(中央区宮ケ丘3)
熱帯鳥類館横 野外ステージ(雨天時:動物科学館ホール)
※ 観客席は屋外芝生のため、帽子やレジャーシートをご用意ください。
料 金:無 料(ただし、動物園への入園料は別途必要です。)

第一部 15:00~15:30 千石正一トークショー
第二部 15:30~16:00 千石さんと飼育員によるどうぶつ質問タイム

<プロフィール>
(財)自然環境研究センター研究主幹。動物の世界を研究・紹介することに尽力し、自然環境保全の大切さを訴える。図鑑、学術論文などの幅広い執筆活動のかたわらテレビなどにも出演。著書に「いのちはみんなつながっている-西表生態学」(朝日新聞社)、「こっちみんなよ!」(集英社)「最後のゾウガメを探しに」(丸善)、「世界のネコの世界」(海竜社)など。
(引用「千石正一 いのちはみんなつながっている」http://d.hatena.ne.jp/cafesensen/


緊急開催!千石正一先生トークショー

実は、千石先生が来札されております。








先日もゆっくりと園内を見学されていきました。
まあ昨年も来られていますので、今回はポイントを絞って重点的に見学。


野生のアオダイショウを撮影する千石先生。
蝦夷のアオダイショウにしばし感動。


トラと語らう千石先生。
実は一番好きな動物はイエネコ。



いやーいつも会うと思うんですが、ほんと一言一句聞き逃せません。勉強になりますよ。
千石先生は爬虫類のイメージが強いですが全ての種において造詣が深いです。
なんせ日本で最も多くの野生動物を、生息地で直接観察されている方ですからね。

またそれに留まることなく、世界中の文化、芸術、音楽、食などにも精通しておられます。
僕は、こんだけ多分野において幅広い知識を持っている人は他に知りません。
まさに乾いた砂が水を吸うようにその全てを吸収したい限りでございます。



3月に開催された「スネークアート展」に参加される予定でしたが、体調不良で残念ながら欠席。
楽しみにしていた市民の方も多かったことと思います。
千石先生もそのことを大変気にしていたのですよ。

そして園内見学中に
千石先生 「おい本田、今週の土日は俺あいてるぞ。なんかやるか?」
本田    「え?まじっすか?ちょっと園長と打ち合わせしてきます!」

そして急遽「千石先生トークショー」の開催が決定!
千石先生から札幌市民へのプレゼントです。
ほんとに義理堅いお方です。
感謝感激でございます。

市民の皆様、この機会をお見逃し無く。
多くの方のご来園をお待ちしております。


●概要
札幌市円山動物園 特別企画
千石正一先生 トークショー
~いのちはみんなつながっている~
20070614-02.gif

<プログラム>
日 時:平成19年6月17日(日)午後3時~4時
会 場:札幌市円山動物園(中央区宮ケ丘3)
熱帯鳥類館横 野外ステージ(雨天時:動物科学館ホール)
※ 観客席は屋外芝生のため、帽子やレジャーシートをご用意ください。
料 金:無 料(ただし、動物園への入園料は別途必要です。)

第一部 15:00~15:30 千石正一トークショー
第二部 15:30~16:00 千石さんと飼育員によるどうぶつ質問タイム

<プロフィール>
(財)自然環境研究センター研究主幹。動物の世界を研究・紹介することに尽力し、自然環境保全の大切さを訴える。図鑑、学術論文などの幅広い執筆活動のかたわらテレビなどにも出演。著書に「いのちはみんなつながっている-西表生態学」(朝日新聞社)、「こっちみんなよ!」(集英社)「最後のゾウガメを探しに」(丸善)、「世界のネコの世界」(海竜社)など。
(引用「千石正一 いのちはみんなつながっている」http://d.hatena.ne.jp/cafesensen/

動物病院にて(診察室編)

続きです
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/45



ルーツはですね、待合室では終始ごきげんだったわけですよ。
犬やら人やらたくさんいましたからね。

ルーツは犬が大好きなんです。
とにかく他の犬達と遊びたくて仕方がないんです。
普段遊んでくれる相手がいないですからね。

僕だって他の犬達と思いっきり遊ばせてやりたいんですよ。
でもそれはかなわぬ夢・・・・

なぜかと言うとこの犬、ものすごくウザイんです。
ほんとウザさ1000%(トシキカルロス)なんです。

他の犬を見かけると、まずものすごいスピードで駆け寄ります。


この段階でたいていの犬は引いてしまいますね。

そして尻尾をビュンビュン振り回しながら(意図せずにテーブルのマグカップを吹っ飛ばすくらいの力)
腹の下からガンガンを鼻を突き上げて匂いを嗅ぎまくります。
この段階でほとんどの犬は硬直し唸りだします。

犬が怒ってかかってきてもまったくお構いなしです。
攻撃を交わしながら、しつこく激しくじゃれ合おうとします。
空気がまったく読めない残念な犬なんです。

そして最後はジャンプ攻撃です。
まず犬の前に立ち何度もジャンプします。
そしてそのまま近づいていき、犬の背をジャンプで跨ぎながら反復横とびを始めるのです。
みなさまここで戦意喪失。

だから一度でもルーツと遊んだ犬は、ルーツを見かけるとさりげなく方向転換するんです。
その極めて自然なさりげなさが実に絶妙でね。
そしてルーツはキューんという鼻笛を鳴らしその姿を見送ります。

あっでも一度山の中でセントバーナードとレトリーバーに偶然会いましてね。
飼い主さんの了承も出たのでたっぷり遊ばせてやったことがありましたわ。

いやーすごかったですね。
あまりの激しさに10分後には二匹とも嘔吐です。
当然飼い主からはドクターストップ。

ルーツはそんな犬なんです。


話を動物病院に戻しましょう。

先生に呼ばれ診察室に入りました。
なんか異様な空気を感じたんでしょうね。

突然下半身が沈み、プルプル震えてんですわ。
あの長い尻尾が腹にぴったりくっ付いちゃって完全に視界から消えてましたからね。

そして若き獣医師におもむろに抱き上げられ診察台へ。
「すごく緊張してますねーここまで緊張する子は少ないですよ」と先生。
なさけない・・・不甲斐ない・・・父ちゃん情けなくて涙出てくら(東野英心)

ルーツの顔を見ると・・・目を細め決して人とは目を合わさず斜め上を見ています。
これは怒られた時の表情と一緒です。
うっ、ちょっとおもしろい・・と思いつつ見守りました。

診察の際は犬が暴れぬよう必ず抑えます。
まあルーツはでかいんで獣医師さんと看護士さんと二人で抑えてたんですね。
この時に気が付いたんですけど、ルーツったらものすごく臭かったんです。

実はここに来る前、散歩中にオタマジャクシ達の誘いに釣られドブにはまってしまいましてね。
僕は犬が汚れても足も拭かずに部屋に入れちゃう民族なもんで、ついクサイまま病院に来ちゃったんです。

しかも犬を抑えてるのは若い女性看護士・・
なんかそのクサさにものすごく恥ずかしくなってきちゃいましてね。
だってね、教室に放置された柔道着みたいな匂いなんですよ。

まあ、その場で僕にできることといえば
とりあえずクサイのは犬で僕ではないですよってことを確実に理解してもらうことだけです。
だから少し離れて治療を見守ることにしたんですよ。

そして診察も終わりに近づいた頃です。
女性看護士の肘から液体がツーっと流れたんです。
僕は瞬時に気づきましたね、ルーツが失禁したことに・・・

もうクサイやら失禁するやらでなんか僕も無気力になってしまいましてね。
気の利いたセリフも必殺ジョークも浮かばなくて、気づかないふりしちゃいましたよ。

でもさすがプロです、看護士は体におしっこがかかり続けているのに全く動じません。
その姿に僕もホロッときちゃいましてね。

「あれ?おしっこしちゃいました?」
ここで初めて気がついたふりをし、謝まりました。
どっと疲れた1日でした。
20070614-05.JPG

「いやー先ほどは失禁してしまいまして・・・・お恥ずかしい・・・」


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彼も疲れたんでしょう。
ものすごい寝方です。




「おっす、失禁犬です」

動物病院にて「待合室編」

愛犬ルーツの予防接種に行ってきたんですよ。
でも僕は動物病院の雰囲気が苦手でね。



動物病院って仲良し飼い主さん達が集ってるでしょ?
なんかあの輪の中に溶け込めなくてね。
「ヤングママ、初めての公園デビューの巻き」みたいな感じなんですわ。

頼む、誰もいないでくれ・・・祈りながら病院のドアを開けたんです。
いやーびっしりでしたね、小型犬を連れたマダム達で・・・

洒落た小型犬を連れたマダム達の中にガリガリの巨犬を連れたガリガリの男が入るんです。
嫌でも目立ちますわなー。談笑もピタリと止まり、視線は一気にこちらに集中。

まあ強烈な視線の中、さすがに僕も無視はできませんよ。
そして口から出たセリフは「あは、こんにちは・・・」
いやーこの瞬間僕は世界一かっこ悪かったですね、「あは、こんにちは」って。

しかも僕が入ったとたん犬達が全員吠え出してね、マダム達も床にいた犬達を一斉に抱えたんですよ。
別に猛獣連れてるわけじゃないんだからさ。

まあそんな不穏な空気の中とりあえず受け付けを済ませ、隅っこーの方に目立たないように座ったんです。
全然読みたくもない「愛犬の友」なんかを開きながらね。

そしたら案の定きましたよ、マダムの質問攻め。
「きれいな子ねーどんなトリートメント使ってるの?」

くそ、いきなりトリートメントときたか・・
間違いなく犬種を聞かれると思って完璧にシュミレーションしてたのに不意を付かれたぜ。
自分ですら固形石鹸で頭洗ってる(坊主だから)のに、犬にそんな洒落た物使うわけないじゃん。
「年に一回シャンプーするくらいです。あとは汚れたら自分で舐めてます。」

そしたら今度は向かいに座ってた眼鏡の奥に鋭い眼光を持ったマダムですよ。
「それジャーマンショートヘアードポインターよね?イギリスのキツネ狩り用の犬でしょ?5歳くらいよね?」

くそ、このマダムったら全て間違ってるぜ・・・
うちのはイングリッシュポインターだし鳥猟犬だし2歳なのに・・・
しかもジャーマン(ドイツ)と言っておきながらイギリスってどういうことなんだ・・
ほんと詳しいんだか無知なのか全然わからないぜ・・
いったいどうしたらいいんだ・・・
悩んだ挙句とりあえず笑顔で否定。

すると別のマダム「お名前はなんて言うのかな?」
うわっ出た、飼い主ではなく、犬に直接質問攻撃!
僕は顔をこわばらせながら「ルーツって言うんだよねー」って
もう恥ずかしくて死にそうです。

さらに間髪入れず隣のマダムは「はいお手!お手!」って。
しかも「お手」って手を差し出されるたびにルーツはその手をペロッペロッ・・・
もう限界だ・・・・
くそーお手くらい教えておけばよかった・・激しく後悔・・・

そうこうしてるうちにやっと順番が回ってきましてね、見事その場を脱出ですよ。
しかしトラブルはまだ続くんですわな。

次回へつづく・・・


「はあ?お手?んなもん知るかっ」

バンジョー再び。

彼が帰ってきました。
昭和の男前、テクノカットとツーブロックでお馴染みの、足利さんです。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/24

怪我を克服し先日より合流、まだ走ったりはできません。
裏方としてハリスホークやシロフクロウの世話なんかをしてくれています。


そしてアメリカワシミミズクのバンショー。
再トレーニング中でございます。

懐けを終え、外での飛行訓練を開始したとこです。
いやーやっぱアメワシはいいっすね。
軽やかで機敏ですよ、ほんと。
白ふくろうはワシっぽくて、アメワシはタカっぽいです。
まあフクロウですけどね。

昨年も訓練してるんで、初日から紐なしでビュウンビュンです。



まずは60mの振り替え(人から人へ)足利さんからまみちゃんへ。
実に軽快です。




ういっす、俺登場。



力強いロケットスタート



強風の中でも安定した飛行。



急上昇もお手の物。



まみちゃんと。
肌がきれい。
カメラを構えているのに油断した表情。



久々の再開を分かち合う両氏。

足利 「いやー元気だったかい?さびしかったでしょ?」
バンジョー 「髪切った?」




子供たちと語らう足利さん。

足利さん 「最近家に幽霊が出て寝れないんだよねー」(実話)
子供達  「気のせいだよ」

フライトチーム全員集合。

コモチカナヘビの楽園

会議出席のため道北のとある場所へ行ってきました。




道北と言えば・・・
そうですね、我が北海道が誇るコモチカナヘビの生息地です。

コモチカナヘビは日本では北海道の道北の一部にしか生息してない貴重なトカゲです。
この種の特徴はなんと言っても卵胎生であることでしょう。
卵を体内で孵化させちゃって、子供を直接出産するんです。
寒冷な土地に生息しているため、卵の時期のリスクを減らしているんですね。

国内で飼育を行っているのは円山動物園だけで、毎年生息地での調査も行っています。


ここは、道北のとある場所。
コモチカナヘビの生息地です。広大な湿地帯ですね。
気温は11℃、まだまだ肌寒く爬虫類の匂いはまったく感じられません。
20070605-01.JPG

この時期(5月下旬)に観察に来たのは初めてでした。
だって、まだかれらは冬眠中ですからね。
小一時間ほど歩きましたが、コモチカナヘビの姿は一匹もありません。

以前別の生息地でも調査したのですが、彼らが本格的に活動を開始するのは6月中旬~下旬にかけて。
んで、観察できるのは9月の下旬くらいまでかな。
つまり1年で活動している時期ってのは3~4ヶ月程度なんです。

だからね、この時期に観察できないことなんて百も承知なんです。
でもね、僕は絶対に活動している個体もいると推測してるんですよ。
この時期でも絶対にいるはずなんです。
だからね、すぐにあきらめず自分を信じて、観察を続けました。


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いた。
やっぱいたでしょ?ね?まじでしょ?

そう、昨年産まれの幼体です。
幼体は体も小さく代謝も高いため、季節の年変化に敏感です。
多少温度が上がれば活動するはずなんです。
だから親個体よりも活動開始する時期が早いんですよ。

たとえば10月の観察では、まだ気温が高くても親個体の姿は1匹もありません。
すでに冬眠準備に入っているんですね。
日長の変化などで体内リズムの年変化が規則的に働いているんです。

でも幼体はまだたくさん活動しているんですよ。
だいたい親個体よりも前後1ヶ月くらいは長く活動しているみたいですね。

結局この日は合計で5匹の幼体を観察。
非常に満足でした。
ここも7月に入れば、たくさんのコモチカナヘビを観察できます。
でも生息地は局所的で、絶滅に瀕している種類なんですよ。
円山動物園は彼らの調査研究をこれからも続けていくつもりです。

みなさんも一度生息地に足を運んで観察してみてくださいね。
場所は道北のとある場所です。

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