札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

『未分類』カテゴリーの投稿一覧

【お知らせ】円山動物園のブログを一本化しました

いつも円山動物園のブログをご愛読いただきましてありがとうございます。

平成28年(2016年)10月1日より、皆様に幅広い情報をすぐにご覧いただけるよう、これまで動物や担当業務ごとに分かれていたページを一本化いたしました。

新しいページには、こちらからアクセスいただけます。

http://www.city.sapporo.jp/zoo/blog_top.html

※これまでと同じように、動物ごとの情報をご覧になりたい方は、ブログ内の「カテゴリー」をクリックしていただくと、絞り込むことができます。

こちらでの報告が遅くなりまして大変申し訳ありません。

これからも円山動物園ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

アルマジロトカゲの出産。

 

IMG_2988

ゾウガメのうめちゃんに花や果物、小銭を手向けてくださった方々、ありがとうございます。

IMG_3102

 

あ、でも小銭はちょっと困りますのでどうかお控えくださいませ。

 

悲しい出来事もありましたが、ものすごく嬉しいこともありました。

アルマジロトカゲの出産です。

IMG_2999 (1)

 

円山動物園では4匹2ペアのアルマジロトカゲが暮らしておりまして、そのうちバックヤードで管理しているペアから1頭が誕生。

アルマジロトカゲは子供を直接出産する胎生種です。

IMG_3001

円山動物園ではアルマジロトカゲとって必要な季節性を人為的に提供し、彼らが本来持ち合わせているであろう概年リズムを組み立てて繁殖を促しています。

しかし、野生下では集団を作って生活している社会的なアルマジロトカゲに関しては、こういった環境要因よりもペアの相性や一緒に暮している個体間との関係といった社会的環境の方が明らかに繁殖に及ぼす影響が大きいと感じています。

ほんとものすごく特異な習性を持つトカゲなんです。

ある意味非常に難しいとも言えますが、逆にペアの相性が抜群に良いなど社会的環境が整ってしまえば苦労することなく継続的に子孫を残してくれる種とも言えるかもしれません。

この貴重なトカゲで今後も継続して繁殖できるよう、環境を整えていかなくてはなりませんね。

あーすごく嬉しい。

 

 

 

ヨツメイシガメ、飼育方針の変更。

爬虫類両生類館のバックヤードでは6匹のヨツメイシガメを飼育しております。

このカメたちは、密輸され税関で保護された悲しい過去を持つ個体たちです。

ヨツメイシガメは中国、ベトナム、ラオスの一部に分布しておりまして、雑食性で標高500m以下の渓流で暮らしているという事以外は、ほとんど生態が知られていない謎多きカメです。

生息数は減少しておりまして、現在はIUCNレッドリストでは絶滅危惧種に指定されており、またサイテスでも付嘱書Ⅱ類に掲載され国際取引が規制されています。

円山動物園では幼体時で保護されてからかれこれ7、8年管理しておりますが、これまで全個体がメスであるという認識でした。

が、しかし、成長に伴い彼らの容姿も変化していき、今年に入って一気に雌雄の差が現れてきたのです。

いやー驚きました、今までメスだと思っていた6匹が、実はオス4匹とメス2匹だったのですから。

完璧にメスと思い込んでいた事もあって、細かい変化に気づいていなかったという事もあるのでしょうが、それにしても今になってここまでの変化が起きるとは思ってもいませんでした。

 

ではとりあえずオスとメスの違いを皆さまにお知らせいたします。

まあ知ったところで社会にどう貢献できるかどうかはわかりませんが、ご家族ご親戚など集まった際などに「豆知識」として披露していいただけたら幸いです。

 

まずはオス個体。

ヨツメイシガメという名前の通り頭の上に「4つの目」の模様があるのが特徴でして、まずこの「目」に雌雄の違いがあります。

IMG_1788

オスはこのとおり「ダイダラボッチ」のようなギロッとした目つきが印象的です。

なんだか「目目連」に睨みつけられているような恐ろしい気分になります

 

そしてメス個体。

IMG_1791

一方こちらは明るいつぶらな目で、こんなくまモンのような瞳の彼女からは微塵も敵意は感じられません。

 

そしてオス個体の腹甲。

IMG_1793

細かい放射状の模様が入っていて、非常に美しいです。

尾はメスに比べると太くて長いです。

 

 

メス個体の腹甲。

IMG_1794

 

模様が少なくのっぺりした印象です。

 

雌雄を比較すると、色彩的にはやはりオスの美しさが際立ちます。

これは他にも一部のカメ類にも当てはまる特徴です。

とりあえず無事に雌雄が確認されましたので、来シーズンからは一緒に保護されたジャノメイシガメと同様に繁殖を目的とした管理に切り替えていきます。

この希少なカメたち、今後も展示の予定はありませんが、バックヤードにて大切に飼育していきますので何かしらの成果が出ましたら、またお知らせいたします。

 

 

 

エゾアカガエルで繁殖賞。

 

エゾアカガエルの繁殖で日本動物園水族館協会より繁殖賞をいただきました。

そう、こんな身近な種がこれまで国内の飼育下において繁殖が行われていなかったわけです。

やはりエゾ系動物は北海道の園館が使命感と責任を持って、飼育下での技術確立に取り組んでいくべきでしょう。

だからこのエゾアカガエルでの受賞は、本当に嬉しいのです。

IMG_1433

 

このニュースはホームページにすら載っておりませんが、この賞の重み、分かる方には分かっていただけると思います。

感無量です。

IMG_8241 (1)

 

 

エゾサンショウウオの上陸。

今年のエゾサンショウウオたちの上陸が始まっております。

親の横にいる小さいのが今年の仔。

IMG_0369

ここまで生き残り無事に上陸した仔たちは別ケージに移され、今後累代繁殖を進めていくために飼育管理していきます。

かなり小さく、シダや流木の隙間なんかに入りこんでいる場合も多いため、見つけ出すのは非常に困難です。

IMG_0368

数ヶ月経ってある程度大きくなってから発見される仔もいるんですよ。

だから今年生まれの仔たち用に孵化直後のコオロギを定期的に投入しております。

まあそんな感じですぐに隠れてしまうため、来園者の方が上陸した仔たちを観察できる可能性は残念ながらかなり低いです。

でもエゾサンショウウオたち、こんなに小さくても逞しく生きていますよ。

 

 

pageTop