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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2016年01月 の投稿一覧

冬眠。

今シーズンも始まりました、円山動物園名物「冬眠展示」。

夏でもそれほど動かない爬虫類たちが、冬眠することでより動かなくなってしまうという斬新な「行動しない展示」。

皆様、本年もこの機会をお見逃しなきよう謹んでお知らせ申し上げます。

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北海道ゾーンは照明も最低限とし、薄暗い環境になっております。

爬虫類両生類たちが飼育下において健康を維持し繁殖を継続していくためには、それぞれの生息地の季節性の提供が必須です。

そのため北海道ゾーンでは展示しながらも「冬」を再現できるような施設の設計となっております。実に画期的なのです。

ヒガシニホントカゲとニホンカナヘビは完全に土に潜り冬眠していますので観察することはできませんが、

他のヘビ類は夏期と同様に不活発な姿を存分に堪能できます。

しかし夏場ですら姿を見せないシロマダラとジムグリに関しては、これまで通り非常に観察は困難ですので予めご承知おきください。

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早いもので、この斬新且つ画期的な展示も今年で5回目となります。

こちらの思惑とは裏腹に、世間では驚くほど話題になっておりません。

時代が追いついてくるまでもう少し時間がかかりそうですね。

これからもしばらくぶっちぎりで先頭を走り続けることになりそうです。

先を考えると若干気が重くなりますね、若干。

では。

 

 

北海道爬虫両棲類研究会第4回大会のお知らせ。

毎年恒例、北海道爬虫両棲類研究会の大会が開催されます。

詳細はこちら http://koke-koke.com/Kamui/archives/760

今週の土曜日1月23日(土)午前10時より円山動物園・動物園センターにて開催されます。

専門家による基調講演、会員による研究発表、一般の方も聴くことができます。

僕も一題発表させて頂く予定です。

北海道に生息する爬虫類両生類の今を知る貴重なチャンスです。

動物園の入園料のみで参加費はかかりませんので、皆様ご家族ご親戚ご友人お誘い合わせの上ご参加ください。

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インドセタカガメのペアリング。

展示場とは別にバックヤードにて管理しているインドセタカガメのペアリングを開始しました。

昨年野毛山動物園から来園したオス2メス1のトリオです。

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一見すると仔ガメが親ガメにじゃれついているだけのように見えますが、立派な交尾行動の様子です。

この種は性的二型が顕著でして、甲長20cmを超えるメスに対してオスは10cm未満。

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これだけ雌雄の大きさに差がありますから、ペアリングもタイミングが重要となります。

力の差が歴然ですから、気分が乗らないならメスはいつでもオスを追っ払えますからね。

こういった種には、より高度な事前のお膳立てと良いムード作りが必要となります。

結果が出るまで時間がかかるかもしれませんが、しばし慎重に観察を続けていきたいと思っています。

ではみなさまも素敵な週末を。

アデュ。

 

 

 

 

エゾアカガエルの冬。

あけましておめでとうございます。

本年もなにとぞよろしく御願い致します。

では新年最初は、円山動物園の爬虫類両生類館を象徴する動物でスタートを切りたいと思います。

エゾアカガエルです。

北海道が世界に誇れる両生類、そして道民にとって最も身近なカエルさん。

現在、展示場内の温度は5℃前後まで低下し、完全な冬モードになっています。

円山動物園恒例の「冬眠展示」です。

水中でじっとしている個体もいれば

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すでに盛っている個体も見られたりして、思い思いの冬を満喫しているようです。

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展示場内の植物たちも常緑種を除いてはすべて地上部がなくなりました。

サラシナショウマ、ミズヒキ、ヒトリシズカなどまた春の芽出しまでしばしのお別れです。

こちらは昨年産まれの幼体、秋まで一気に成長し、初めての冬を経験しています。

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小さいながらも実にたくましい。

こんな冬のカエルたちの様子を見た来園者の方々から、「カエルが死んでいます」と度々連絡をいただきます。

ただ不活発になっているだけで死んではおりませんのでご安心ください。

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では皆様、冬のエゾアカガエルの貴重な生態を是非ご堪能くださいませ。

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