札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2007年03月 の投稿一覧

鼻唄まじりで行くぜ、伝説の祭典最終日

こんばんは、
新倉イワオです。

伝説のスネークアート展、いよいよ明日が最終日となりました。
明日はゲストを招いての授賞式とトーク。
午後3時から第一レストハウス(海獣舎下、サル山じゃないからね)
にて行ないます。

しかし皆様にご報告しなくてはいけないことがあります。
すでにホームページ上ではお知らせしているのですが、
いがらしゆみこさんと一緒にゲスト出演される予定でした千石正一氏が
体調を崩され急遽欠席となってしまいました。

大変残念なことですが、仕方がありません。
千石先生は「次回は絶対行くし、俺も出展する!」
とおっしゃっていましたので皆様ご了承とご理解をお願い申し上げます。
いがらし先生は来てくれるのでご安心を。


会場にてビルマニシキヘビと語らう子供たち。
このヘビ、ほんとうにやさしい子です。
怖いものがないため何事にも動じません。
昨日などは大勢の方たちの前でゆっくりトグロを巻きそのまま寝てしまいました。

何がすごいってそのトグロの巻き方。
いやーあれは美しかった。
ほんと参っちゃいましたよ。

長年ヘビと生きている僕でもあんなトグロは見たことない。
10年に1度見れるか見れないかのトグロでしたな。

絶妙な照明による、皮膚から繰り出される妖艶なツヤと渋み。
無駄のない体型と逞しい筋肉。
畳の微妙なささくれ具合。

これらの要素が絶妙なバランスで保たれた時だけ
この伝説のトグロが見れるのです。
ブロッケン現象みたいなものなのです。

そんなこんなで昨夜は祝杯ですよ。

ショットグラスに養命酒、もちろんロックで。
そいつでにんにく卵黄(3粒)を一気に流し込む。
すかさずレモンを齧り、窓にそっと目を向ける。

これが俺のダンディズム。

では素敵な週末を。



















続・ウズラ雑炊

先日お話したウズラ雑炊
テレビ、ラジオでお馴染み薄いウズラ雑炊
ヘルシー&セクシーウズラ雑炊

「それであのウズラをどうやって食べるんだ?」
上司に聞かれました。

そして本日再びウズラ雑炊を食べるシュチュエーションに陥りましたので
今宵は詳しくお話しましょう。

まずは解凍。

左が僕の分、隣の肥えてる方が明日の鷹の分。

実際食すのは両胸、両足だけ。
残りは腹ペコ犬ルーツへ。無駄は出しません。


今宵は優雅に人参、卵も加えて。


そして5分後

男の料理完成。

体も心もあったまる。


アホ面ルーツもセクシーポーズでご機嫌です(ウズラの残り、実はそんなに好きではない)

図々しいったらありゃしない。

こんばんは、

昨日、所用により日帰りで東京へ。

朝一の便で出発。
相変わらずこきったない街で僕はちょっと苦手なんだな。
空気が黄色いしね。
すすきのと同じくらい苦手だな。

そのままお茶の水に入り打ち合わせ。
んで終了したのが4時すぎ。


そして僕の人生の師であるゴッドファーザー長坂拓也氏と一緒にいざ上野動物園へ。
新しいクマ舎、「クマたちの丘」を見たかったんですよねー。
到着したのは閉園間際。

とりあえず、斉藤まり子女史へ電話。
まり子さんは上野動物園の敏腕飼育員。
コアリクイの人工保育をなどを成功させ、
その飼育技術の高さは誰もが認めております。
強い信念を持った素敵な女性でございます。
そして、なによりカラオケがすごくうまい。
でもちょっとだけスナック風。

新しいクマ舎にはマレーグマ、ツキノワグマ、ヒグマ、コツメカワウソ
などが展示されているのですが、もう閉園だったためすでに室内に収容済み。
新しいクマ舎
新しいクマ舎02

いやー本当だったらこの木にマレーグマが居たはずなんです。
樹上のマレーグマ見たかったなー。

この施設で最も特徴的なのはここ

人工冬眠施設
人工冬眠施設02

人工冬眠施設。
ここでクマを人工的に冬眠させて、そのメカニズムを科学的に分析し、解明する。
やっぱ上野はやるね。上野動物園には学問がしっかりと根付いている。

人工冬眠施設03
リスやヤマネといった他にも冬眠する哺乳類たちもいましたよ。


その後は笑顔がキュートな井手さんに案内していただいて
バックヤードを見学させていただきました。

バックヤード
ゴッドファーザー
ゴッドファーザーもご満悦。

シュールなお顔
シュールだ・・・・なにげにシュールな顔だ。


まり子様、井手様、忙しい中ありがとうございました。
閉園後に手土産も持たずにやってきた僕達を暖かく迎えてくれて・・

鷹・人兼用

最近ろくなもん食ってませんよ。
ほとんどお菓子(源氏パイ)で生きている状態です。
完全自炊主義を心に誓った僕にしてみれば不甲斐ない日々でございます。

今夜こそは少し栄養のあるものと思い冷蔵庫を覗いてみると・・
しわしわでちっちゃくなってる人参(ゴムみたいにくねくね曲がる)が2本
ペニシリンが合成できるくらいカビが生えたピーマンが5個(ケセランパセランかと思ったぜ)
ジップロックの中で液状になってる何かが一つ。
半分に切っているのに全部が茶色いタマネギ(芽みたいのが10本くらい出てた)

んー・・・・・
とりあえず見てみぬふりだな。

食う物がない時いつも利用するもの
それはこれ。
ウズラ
ウズラね。もちろん鷹の餌。
これは言ってしまえばジビエみたいなもんです。
高級食材だし、贅沢なはずなんです。
人間が食ったって良いじゃん、べつに。

まあウズラだけじゃ味気ないので白菜と卵を買いにフードセンターへ。
んで帰り際に我が猛禽飛行部隊の「マミちゃん」とばったり出会う。

何を買っていたかは知らないけど、たぶんあの素振りからすると
サランラップか何かだな。まあとにかくラップ系なのは確かだな。
とりあえずマミちゃんを家まで送り自宅へ戻る。

んで、今夜のメニューはいつもどおりのウズラ雑炊に決定。
沸騰した鍋にごはん、刻んだウズラ、白菜を入れ最後にめんつゆをぶち込むだけ。

簡単でおいしいから奥様達にもお勧めです。
是非試してみてね。

足長おじさん、ありがとう

最近スネークアートの会場に付きっきりなもんで、飼育業務が手薄であります。

日本の飼育係って何でも屋なんです。
飼育技術者であることはもちろん、時には教育者、時には保護活動家、時には大工、時にはペンキ屋
、時には営業マン、特にはイベント屋、時には歌い手(ハッピーバースデーレディー)など
まあ色々やることがあるわけです。

んで業務が重なるとみんなで助け合って乗り切るわけです。
でもね、爬虫類館ってなかなか難しいんですよ。
だってどこに何がいるのか僕しか知りませんから。

んで爬虫類でしょ?
「ジムグリの様子見て食べたそうだったらピンクマウス10匹あげといて」とか
「レップカルでダスティングした2令コオロギを別飼いコモチカナヘビにあげといて」とか
何のことやらわからないわけです。

でもね・・・
合間をぬって爬虫類館に出向くとちゃんと世話してくれてるんですよー。
「100万ぺソの笑顔」こと吉田さんが気を使ってやってくれてるんですね。
しかも、ネズミ室(餌用ネズミの飼育部屋)の掃除(床材交換、かなりめんどくさい)まで・・・。
フリーフライトや猛禽のトレーニングも任せちゃってますから
ほんとに毎日助かっております。ありがとうございます。

あと僕は祐川さんの休みの時はチンパンジーの代番をやってるんですね。
チンパンジーは通常二人で代番をやるんです。僕と海獣担当の土佐さん。
んで会場の準備なんかで遅れてしまうと、土佐さん一人で掃除、餌やり、レディの授乳なんかも
すべてやってくれてるんですね。いやー本当に感謝です。ありがとうございます。
まあ二人に限らずいろんな方にカバーしていただいて僕もイベントに専念できてるわけなのです。

でもね、不思議なことがあるんですよ。
んーかれこれ半年くらい前からなんですが、ネズミ室の水換えをやってくれてる人がいるんです。
飼育課の人に尋ねても誰も「おれじゃねーよ」ってな具合でほんとにわからない。
ネズミ室は一般の人が入れる場所ではないので職員の誰かのはずなんですが
全くわからんのです。まあ助かってるんで今は誰でもいーやって思ってるんですけどね。
まだ見ぬ僕の足長おじさん、いつもありがとう。

今宵はちょっと心温まるお話をさせていただきました。
ではおやすみなさい。

土佐飼育員
土佐飼育員。やさしい人。
「梅図かずお」じゃないからね。間違えないでね。
赤白ボーダーシャツじゃないのが悔やまれます。

先入観を捨てて、頭の中を真白に・・・「円山スネークアート展」開催

伝説のイベント、円山スネークアート展が本日より開催されました。
円山スネークアート展01
今宵は会場の様子をお伝えしましょう。
けっこういいぜ。
円山スネークアート展02
昨夜はこんな感じ。トラブル続きでほんとに終わんのって感じ?

んで本日。
円山スネークアート展03
会場全体を囲うジェットブラックの壁には、情熱的な平面アート

円山スネークアート展04
円山スネークアート展05
円山スネークアート展06
円山スネークアート展07
そして個性豊かな立体アートや海洋堂ブース。画像には入りきりません。
左の方で園長自らがワニのガラス模型を組み立てる。

円山スネークアート展08
異常にリアルな巨大ワニ
円山スネークアート展09
札幌市立大学、札幌市立高等専門学校による生体展示ブース。
円山スネークアート展10
ヘビの美しさを最大限引き出している。
円山スネークアート展11
CCDカメラを利用しヘビの細部を巨大スクリーンとモニターに映し出す。にくい演出。
円山スネークアート展12
まだまだ盛りだくさんのスネークアート展。ご来場お待ちしております。

実行委員、動物園職員総出でがんばりました。皆様お疲れ様です。
そして、札幌市立大学、札幌市立高専、芸術の森美術館、株式会社海洋堂の
皆様にこの場を借りて感謝いたします。

いやーなんとかなるもんだね!
死ぬほど疲れたので寝ます。

ソバカスなんて気にしない

今日は、スネークアート展敏腕ディレクターでもある殿村女史と
展示台を借りるため芸術の森美術館へ。


今回のスネークアート展、クールで洗練された展示を行ないます。
そのため芸術の森美術館にご協力いただき、アドバイスなども頂いております。
ほんとに感謝です。


展示台を倉庫から引っ張り出しトラックへ運ぶ。
ひたすら運ぶ。ものすごい数です。いやー疲れましたわ。
気温33度の爬虫類館にいても汗が出ない僕でも少ししっとりしましたから。


休日を返上しめんどくさい作業を引き受けてくれた学芸員の樋泉さん、ありがとうございました。
卒業式のリハーサルの合間をぬって手伝いに来てくれた札幌高専の斉藤先生ありがとうございました。


んで夜からはスネークアート展の良き理解者でスペシャルゲスト&審査員でもある
いがらしゆみこさんへのインタビューのため南区の「櫻珈琲煎房」へ。


インタビュアーは円山動物園応援団長のウェブシティさっぽろの杉山さん。
さすが会話の引き出しかたがお上手です。


話しは盛り上がりふと気付いたらすでに4時間経過。
あっと言う間の楽しい一時でした。忙しい中ありがとうございました。


いがらしさんもスタッフの方も、動物と自然が大好き。自宅でもたくさんの動物と暮らしております。
非常に深い愛情を持って接しているので、動物達は本当に幸せそうです。
特に金魚の飼育技術は素晴らしく、繁殖しまくりでものすごいことになってます。


んで帰り道、いがらしさんとスタッフのレイさんを送るつもりが全然違う方向へ。
僕、極度の方向音痴なんです。来た道なんて全く覚えてないんですからね。


よく道に迷って人に尋ねるのですが、教えてもらった最初の角をすでに反対に曲がるんです。
んでまたぐるぐる迷っているうちに、さっき尋ねた人と再び出会います。
あれはかなり気まずいですな。


あー明日からはいよいよ設置作業です。
人生で最も忙しくなる2日間になることでしょう。

円山スネークアート展、アート部門。

こんばんは。
ケーシー高峰です。

伝説のイベント円山スネークアート展の「アート部門」の募集が終了しました。
出展者数120名、出展点数230点と予想をはるかに上回る結果となりました。
ありがとうございます。

イラスト、油絵、水彩、CG、染物、染織、キルト絵、版画、写真、俳句などの平面アート。
彫刻、模型、フィギュア、人形、ボックスアート、ガラス、洋裁、手芸、クラフト、陶芸、絵本などの
立体アートとあらゆるジャンルの作品が集結します。

ほんとに素晴らしい作品ばかりです。部屋に飾りたいと思うものばかりです。
こんな作品を飾れば、僕の香ばしい部屋の印象も変わるでしょうね。
ほんと香ばしいんです。いつもパンを焼いてる匂いがするんです。

僕の部屋のアートな物ってなんだろう、少し考えてみました。
あっあるわ。


ベトナムに生息するカメシリーズ巨大ポスター(超レア)
ベトナムに生息するカメシリーズ巨大ポスター(超レア)

そして


ゾンビ・・・・・・
ゾンビ・・・・・・

スネークアート展は格式の高いものを目指してはいません。
爬虫類・両生類を中心に様々な世代の様々な立場の人々が集まりメッセージを送る、
これが基本スタンスです。

当然プロで活躍されているアーティストの方も多く参加されていますし、お子様の作品もあります。
200万円の絵画の隣に小学生の絵、んでその横にはいぶし銀の俳句・・・・・
なんて素敵な展示会なのでしょうか。

会場の雰囲気は
爬虫類らしく妖艶で陰気でありながらクールでパッションな感じをイメージしております。

でもまさかこんなに集まるとは思っていなかったんだなー。
毎日残業、残業、残尿で準備を行なっています。
しばらく眠れない日が続きそうです。

病床の足利さんも、さぞ喜んでくれていることでしょう。
本当は手伝ってくれる予定だったのに・・
すごく頼りにしてたのに・・・
ムカ
なんど見てもムカつきます。

それはいつも休日中

今日は休み明け。
先日交尾させたカンボジアモエギハコガメのケージを覗いてみる。

あっ・・・・産んでるな。
ゆっくり土をほっくり返してみると・・・

カンボジアモエギハコガメのたまご
ほらね。

10日程前から餌を食べず、ケージ内をしきりに動き回っていた♀。
これは産卵前の兆候です。あーもうすぐ産むなーとは思っていたのですが、
毎年必ず僕の休日中に産むんですよねー。
動物園では担当者のいない日に何かが起こるのです。良いことも悪いことも・・・


もちろん先日交尾させてすぐに卵を産んだわけではありません。
爬虫類っていうのは「精子貯蔵」をする動物なんです。
一度交尾すると♀は体内で精子を生きたまま貯蔵するんです。
んで良い時期に受精させて産卵する。

つまり1度交尾すれば数年間は有精卵を産む事が可能なんですね。
だからこの卵もいつの精子と受精したのかはわからんのです。
それだけ自然界では配偶者と出会う機会が少ないってことです。
1度の出会いで数年は種を残せるようにするっていう戦略です。
少ないチャンスを有効に使うんですよねー。
なんとも合理的で神秘的な特徴。

んでこのカンボジアモエギハコガメの場合、たぶん3年は交尾させなくても産卵可能です。
でも交尾させないでいると年々有精卵が採れる確立も下がります。
一応動物園では年に2,3回程度交尾させて、毎年確実に有精卵を採ってます。

時期はいつでも良いんです。
交尾さえさせればあとは♀のリズム、タイミングで産卵してくれますから。

たまご02
んで卵をよーく見てください。真ん中が白くなってますよね?
これは、卵の発生がはじまってるんです。つまり有精卵。
産んだ直後は透き通った感じなんですよ、んで2日くらい経つと発生が始まり白濁してくる。
だからこの卵はたぶん2日前くらいに産んだんでしょう。
無精卵の場合はずっと透き通ったまま。

でかいっすよね。単一電池と同じくらい。
♀は甲長14cmくらいなんで体の割りにはかなりでかい卵を産みます。
だから他の種のように一度に何個も産まないんです。
この個体は一度に1個。んで年に3回程度産みます。

んでこれが孵化装置。
たまご3
まったくアナログな方法ですが、これが1番良い。
このカメは落ち葉が堆積したような湿度の高い森林で暮らしています。

必要な孵化環境は、まず「多湿」と「通気性」そして「ある程度の温度」。
普通カメは深く穴を掘ってそこに卵を産みます。
でもこのカメは違う。
必ず浅い場所に産むんです。

たぶん自然界では落ち葉の下とか朽木の下なんかにさらっと産んでるじゃないかなー。
浅いってことはそれだけ通気性が必要ってこと。
通気性と多湿という矛盾した環境を提供するのです。

卵1個に対して、大きなケースとたくさんのミズゴケ。これは長期間環境を安定させるためです。
このたっぷりのミズゴケが長期間十分な湿度と通気性を確保してくれるんですねー。
んで温度は適当。室温にまかせてます、だいたい18〜27℃くらい。
この環境でだいたい110日くらいで孵化します。

まだまだ先は長いですが、また近況を報告しますね。
バックヤードがモエギハコガメだらけになっちゃうな、こりゃ。

悲しいお知らせ。

猛禽飛行部隊のメンバー、「昭和型ハンサム」「ムード歌謡の貴公子」こと足利さんが
本日骨折しました。

仕事中ではございません。サッカーの試合中にです。

彼はサッカーがすごく上手です。
石崎くん並に上手です。

でも怪我は誰にでもあること、仕方ありません。
しばらく療養が必要のため、戦線離脱でございます。


僕達も30才を過ぎ、若い気でいても残尿感が出てくる年頃です。
そりゃ脚がもつれる時もあるでしょう。
運動会の親子リレーでなぜお父さん達がすぐに転ぶのか最近理解できるようになりました。
無理は禁物ですね。

猛禽類のフリーフライトは、毎日午後2時から公開しておりますが、
足利さん離脱のため、毎週水曜日は中止となってしまいます。
3名でまわしていくのは不可能なのです。
大変申し訳ございません。
 
とりあえず近々お見舞いに行ってくる予定です。
そしてギブスに卑猥な言葉を書いてやるつもりでおります。
これで勘弁してやってください。

皆様、ご理解とご了承の程、よろしくお願い致します。
足利さん
今となってはこの笑顔がむかつきます。

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