札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2008年01月 の投稿一覧

調印式。

「ワイルドマウス展」が27日に終了いたしました。
たくさんのご来園ありがとうございました。

謎多き野ネズミ達からのメッセージ。
興味深く受け取っていただけたかと思います。
トウキョウトガリネズミも体調を崩すことなく、健康な状態でお返しすることができました。
ちょっとだけ太らせたけど。

そしてこれを機に円山動物園と霧多布湿原トラストがパートナー協定を結ぶこととなりました。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-72.html
調印式の様子です。


霧多布湿原トラスト理事長の三膳時子様と円山動物園園長、金澤信治による調印です。



固い握手。
今後、動物園として様々な役割を担う上で非常に意味のある協定でございます。

これにより今後は霧多布湿原トラストと様々な共同事業が開始されます。
大きな柱はやはりトウキョウトガリネズミの調査研究、そして飼育下繁殖でしょう。
彼らの謎を解き明かすためにも非常に重要な計画です。
飼育下繁殖は是非成功させたいですね。
彼らはこの北海道という寒冷地で進化適応してきた存在。
冬場の飼育管理に重要なヒントが隠されているかもしれませんね。

でも本当に良い干支展だったと思います。
協力していただいた方達にこの場を借りて感謝いたします。
ありがとうございました。



こちらの握手には、意義も意味も全く存在しておりません。





ぶひぶひ。

脱がしてあげる。

大雪には参りましたね。
近所の皆様はほんときれいに除雪しております。我が家だけですよ、埋もれているのは。
とりあえず今日はサンフランシスコガーターヘビ二匹分の道を付けてお茶を濁しておきました。

前回書いたUMAブログ、予想に反し各方面から反響がありましてね。
「スカイフィッシュについて教えてくれ」とか、「あの本買いました」とか、「中島公園でカモノハシを見た」とか。
中島公園にカモノハシって・・いるわけねーじゃん。そりゃカモだよ。
極めつけは「友人がチュパカブラの骨を持っている」という情報。
プエルトルコの怪人「チュパカブラ」ですよ。
これにはさすがに妖怪アンテナが反応しましたね。是非拝見したい・・・。
でも購入したのはメキシコだと・・・・んー実に胡散臭い。
とりあえず「40ルピアで売ってくれ」とだけ伝えておきました。

では本題に。
この画像見てください


脱皮直後のビルマニシキヘビ(3m)
皮がバラバラになってますね。しかもところどころ皮が体に残ってます。
普通ヘビってのはきれいに千切れることなく脱皮するんです。
これは「脱皮不全」という状態。つまり脱皮の失敗ね。
せっかくの美しい姿も台無しです。
原因は過度の乾燥。この時期は特に乾燥しちゃうんで脱皮不全が多くなるんです。
こうなると人が介入して、残ってる皮を脱がしてあげないといけないんですね。
20080125-00.JPG

こういう風にぺりぺりと剥いてあげるんです。
でかいヘビだからけっこう時間かかりましたね。

20080125-01.JPG

特に尾の部分にがっちり残っております。
こういう場合は・・・・
20080125-02.JPG

ふやかす・・とにかくふやかすのです。
これでスムーズに剥くことができます。

20080125-03.JPG

最後の尾先。
プルンってうまく剥ければ何ともいえない爽快感を得ることができます。
でも途中で千切れると、ものすごくイライラします。「んもーっ!」て。

前にも言ったけど湿度管理ってすごく大切。
人間も含め過度の乾燥ってのはよくないです。
健康にも美容にも悪影響を与えます。
みなさんも乾燥にはくれぐれも注意してくださいね。
ちなみに僕の部屋は湿度20%・・・砂漠です。

サイエンス。

僕はね、「飼育を科学する事が重要だ」って常日頃から言ってるんですよ(高校時代、科学の成績は1)。
でもね、非科学的な事が大好きでしてね。
幼稚園のとき初めて自分で買った本は「心霊写真集」。
マイヒーローは「新倉イワオ」でしたからね。
まあ親もさぞかし不安だったでしょう。
でもこれは「性」なんです。もう誰にも止められないんです。

まあそんな僕がね、先日久々にテンション上がったんですよ。
観ました?テレビでやってた「ツチノコ特集」。
非科学的分野において、僕が最も愛す項目の一つが「UMA」(未確認動物)ね。

世界中には様々なUMAが存在しています。
でも水生系UMAはもう飽きちゃいましたね、ネッシーとかカナダのオゴポゴとかね。

猿人系もいまいち。
雪男しかり、ビッグフッドしかり。
強烈な異臭を放つ「スカンクエイプ」にはちょっとだけ反応。

やっぱ飛行系UMAですよ、テンション上がるのは。
例えばメキシコの「フライングヒューマノイド」、大好きですね。
ほんと初めて映像を観たときは全身の感覚器官が一斉に活動を開始しましたから。
僕の携帯は「フ」って打ち込むだけで「フライングヒューマノイド」って変換されるんです。
それくらい好きなんです。
あとはアメリカの「モスマン」、蛾男ですよ。胡散臭さがたまりません。

でもね、やっぱり外せないのは我が国を代表するUMAの一つ、西表島の「ヤマピカリャー」
僕は西表が大好きで何度も足を運んでるから関心が強いんですよ。

西表島には「イリオモテヤマネコ」が生息しています。
しかし昔から、イリオモテヤマネコより大きなヤマネコが目撃されてるんですね。
それを現地の人は「ヤマピカリャー」(山の中で光るもの)って呼んでるんですよ。
昨年も魚類調査のため島に来た大学教授が浜辺で目撃したってのがニュースでやってましたね。
んー実に興味深い。

以前ある学会に参加した時、イリオモテヤマネコの研究発表がされたんですね。
僕はね、もうたまらず手を上げて質問したんです。
「ヤマピカリャーはいるんですか?正直に教えてください」って。
周りはざわつき、失笑する方もいましたね。
んでその大学教授は満面の笑みでこうお答えになりました。
「いたらいいですね」
僕はピンっときましたね、この人は何か知ってるって。
そのうち真相が明らかにされるかもしれません。
ロマンだな、実にロマンだ。

では最後に僕の本棚からお勧め本を一つ紹介します。


「秘密の動物誌」 激レアお勧め本です。
興味ある方は一緒に語り合いましょう。

ええ、それでも飼育に科学は必要です。

ザリガニフォーラム。

こんばんわ。
環境省主催による「洞爺湖ザリガニフォーラム」に参加してまいりました。



今年サミットが開催されるこの洞爺の地に、ザリガニ界のG8が終結。
たくさんの報道陣も集まり、盛大に開催されました。

会議の主たる議題は「外来生物ウチダザリガニの現状と対策」
このウチダザリガニ、もともとは北米原産です。


1930年に食用として北海道に持ち込まれ、その後各地に広がってしまったんですね。

まあ何が厄介かって、このウチザリさん。
適応能力も高く、繁殖力も旺盛、また在来種であるニホンザリガニも食ってしまうってことで大変なんです。
直接的、または間接的に生態系に及ぼす影響が大きいと判断されています。

地元の方の話によると以前は洞爺湖にもニホンザリガニが多く生息していたそうです。
しかし近年はほんと一匹も見つからない。
あれだけいたニホンザリガニが一匹もいないってことに強い危機感を持ったそうです。
まあ、ウチダザリガニだけの影響ではないかもしれませんが、一要因としては十分考えられますね。
彼らにとってニホンザリガニは最高の食料ですから。

この会議では道内各地で行われているウチダザリガニの調査や捕獲状況などが発表されました。
結果、全道的に爆発的に増加しており、すでに完全駆除は不可能なようです。
然別湖においても在来のニホンザリガニが姿を消したそうです。

酪農学園大学の吉田准教授によると、最も外来生物対策が進んでいる国はニュージーランド。
たしかにキーウィやムカシトカゲといったメガトン級の希少種が生息してますからね。
そのデーターによると、外来生物は定着してある期間までは一定数を維持、十年程度で爆発的に増加していくそうです。
この時期になるともう駆除は不可能なようで、早めに対処する必要があるんですね。

でも残念ながら北海道では時すでに遅し。
今後は伝播しないよう、しっかりとした情報発信と対策が必要なんですね。

円山動物園でもニホンザリガニの保全計画が実施されます。
今回のフォーラムではこの計画について発表してきたんですよ。
彼らの保全にあたり、同時にこの外来種についてもしっかりとしたメッセージを発信していかなくてはなりませんね。

まあでもこのウチダザリガニ、持ち込んだのは人間です。彼らに罪はないんですよ。
でもやはり最も大切なのはもともとの生態系。
この生態系を保全していくには駆除していかなくてはならないんですね。
目の前の状況を冷静に捉え客観的に判断していかなくてはなりません。
様々な利用方法も考えられていますが、最善な策はまだ見つかっていないのが現状です。

また国内に伝播しているたくさんの外来生物達。
彼らに対しての調査研究がもっと必要であることが説明されてました。
まあたしかに、例えば全国に帰化している「ミドリガメ」や「アメリカザリガニ」。
では実際彼らが生態系にどのような影響を与えているのかは推測の域を出ていません。
彼らにもっと関心を持ち、科学のメスを入れていくことで最良の対策案が生まれるかもしれませんね。


当日朝、捕獲されたウチダさん。


冬でも平気で抱卵中。

円山スネークアート展 作品募集の告知。

「2008 YEAR OF THE FROG 円山スネークアート展」 作品募集要項が完成いたしました。
皆様どしどし応募してくださいね。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/snakeart2008.htm

皆様の研ぎ澄まされた感性で、先入観をぶっ飛ばしてしまってください。
昨年同様、ピリリと辛いパンチの効いた作品をお待ちしております。












今年は「アリオ札幌」様の協力もありまして、スネークアート展はアリオ札幌でも開催されます。
円山動物園での開催期間は3月15日~3月30日まで、終了後はアリオ会場へと場を移し再び開催されます。

これだけ長期間、自分達のメッセージを発信し続けることができる機会ってのはなかなかありません。
しかもマイナーな爬虫類や両生類達。
主催者側にとっても作家さん達にとっても非常に喜ばしいことだと思いますね。

アリオ会場の詳細に関しては、動物園のHPに近々アップいたしますのでマメにチェックしてみてくださいね。
ではたくさんの応募をお待ちしております。

いやーバタバタしてるわ。
ぶひぶひ。

円山スネークアート展開催決定。

今年も伝説のイベント「円山スネークアート展」が開催されます。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-71.html
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/category/3
嫌われがちな爬虫類・両生類の魅力をアート視点で伝える。
そんな素敵でイカれたアート展です。

また今年は皆様ご承知のとおり「国際カエル年」でござます。
http://www.amphibianark.org/yearofthefrog.htm
これは現在急速に生息数を減らしている両生類達を救うために国際自然保護連合(IUCN)、世界動物園水族館協会(WAZA)により発足された「両生類の箱舟計画」が今年推進する世界規模のキャンペーンです。

円山動物園もこれに賛同し、この「円山スネークアート展」を通しメッセージを発信したいと思っております。
カエラーの皆様、今年はたくさんのカエルアートを期待しております。

募集要項などの詳細は近々アップいたします。
ま、カエルに限らず昨年同様たくさんの作品を募集しておりますね。
皆様、奮ってご参加くださいませ。



これは昨年のポスター。
デザイン僕の兄貴。

サンデーセミナー。

いまさらながらあけましておめでとうございます。

現在サンデーセミナーが開催されております。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/gyouji/sunday_seminar.html

13日はいよいよ皆さんお待ちかね「北海道のネズミたち」でございます。
講師は今回干支展でも協力いただいている霧多布湿原センター館長の河原さんでございます。

河原さんは国内でトガリネズミに精通している数少ない一人です。
大変貴重なお話がたくさん聞けると思います。
ぜひ市民の皆様、お越しくださいませ。

僕は残念ながら出張と重なってしまい参加できないんです。
ほんと無念です。皆さんがうらやましいです。
僕がこの日参加するのはこれ。
http://www.toyako-vc.jp/event/2008113.html
ザリガニフォーラム。

円山動物園では現在様々な計画が同時に進行しております。
その軸のひとつでもある「ニホンザリガニ保護増殖計画」について発表してまいります。
でも発表時間は3分・・・赤いきつねも作れません。

では皆様13日は家族そろってトガエリネズミDayを満喫してくださいね。



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