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ヨツメイシガメ、飼育方針の変更。
Posted by zoohonda on 2016年8月17日(水) 23:17
爬虫類両生類館のバックヤードでは6匹のヨツメイシガメを飼育しております。
このカメたちは、密輸され税関で保護された悲しい過去を持つ個体たちです。
ヨツメイシガメは中国、ベトナム、ラオスの一部に分布しておりまして、雑食性で標高500m以下の渓流で暮らしているという事以外は、ほとんど生態が知られていない謎多きカメです。
生息数は減少しておりまして、現在はIUCNレッドリストでは絶滅危惧種に指定されており、またサイテスでも付嘱書Ⅱ類に掲載され国際取引が規制されています。
円山動物園では幼体時で保護されてからかれこれ7、8年管理しておりますが、これまで全個体がメスであるという認識でした。
が、しかし、成長に伴い彼らの容姿も変化していき、今年に入って一気に雌雄の差が現れてきたのです。
いやー驚きました、今までメスだと思っていた6匹が、実はオス4匹とメス2匹だったのですから。
完璧にメスと思い込んでいた事もあって、細かい変化に気づいていなかったという事もあるのでしょうが、それにしても今になってここまでの変化が起きるとは思ってもいませんでした。
ではとりあえずオスとメスの違いを皆さまにお知らせいたします。
まあ知ったところで社会にどう貢献できるかどうかはわかりませんが、ご家族ご親戚など集まった際などに「豆知識」として披露していいただけたら幸いです。
まずはオス個体。
ヨツメイシガメという名前の通り頭の上に「4つの目」の模様があるのが特徴でして、まずこの「目」に雌雄の違いがあります。
オスはこのとおり「ダイダラボッチ」のようなギロッとした目つきが印象的です。
なんだか「目目連」に睨みつけられているような恐ろしい気分になります
そしてメス個体。
一方こちらは明るいつぶらな目で、こんなくまモンのような瞳の彼女からは微塵も敵意は感じられません。
そしてオス個体の腹甲。
細かい放射状の模様が入っていて、非常に美しいです。
尾はメスに比べると太くて長いです。
メス個体の腹甲。
模様が少なくのっぺりした印象です。
雌雄を比較すると、色彩的にはやはりオスの美しさが際立ちます。
これは他にも一部のカメ類にも当てはまる特徴です。
とりあえず無事に雌雄が確認されましたので、来シーズンからは一緒に保護されたジャノメイシガメと同様に繁殖を目的とした管理に切り替えていきます。
この希少なカメたち、今後も展示の予定はありませんが、バックヤードにて大切に飼育していきますので何かしらの成果が出ましたら、またお知らせいたします。
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