『新爬虫類・両生類館』カテゴリーの投稿一覧
至高のカメ展示開始。
Posted by zoohonda on 2011年12月25日(日) 17:45
希少カメ2種の展示を開始しました。
2種とも横浜の野毛山動物園で繁殖した個体でして、種親は密輸によって緊急保護された個体です。
両種ともサイテス(ワシントン条約)付属書Ⅰ類、もっとも厳しいランクで国際取引が規制されています
今回は繁殖基地の増加と危険分散のために円山動物園へやってきたのです。
センターラボにて管理中のハミルトンガメ(Geoclemys hamiltonii)。
まずこの水玉模様が実にチャーミング、参観日のお父さんのネクタイって感じで非常に好感が持てます。
このバランスの悪いどでかい頭、これをキープするためにはやはり貝類を食べさせたいですね。
そしてこちらがインドセタカガメ(Pangshura tecta)。
一般的にはテクタセタカガメの名で通っているのですが、日動水の表記にしたがっております。
こちらも美しいカメです。
往年のミルマスカラスを彷彿とさせるこのマスク。
実に妖艶でオリエンタルな趣をかもし出しております。
同居しているニシキセタカガメ(Kachuga kachuga)と共に優雅にスイミング。
まるで彼らの故郷、ガンジスの底流のような風景です。
皆様をガンジスの流れへといざないます。
メリークリスマス。
良い夫婦の日に語らせて。
Posted by zoohonda on 2011年11月22日(火) 17:53
今日は「良い夫婦の日」なんですってね。
素敵で粋な語呂合わせにしばし感心しております。
当然、動物にとっても「良い夫婦」というか「個体間の相性」ってすごく大切。
特に繁殖を確実に進めていくには、飼育技術、飼育環境うんぬんよりも、相性の良いペアやそれを作るためのコロニーを確保できているかが最も重要な条件となります。
だから、例えばある種の繁殖計画が決まった段階で動物園や飼育員が最も力量を発揮しなくてはいけない場面は「飼育個体の導入時」なんですね。
現環境において最も適した個体のイメージを明確化し、そして理想的な個体を探し確実に導入していく。
野生由来もいれば、飼育下産まれもいるし、親に育てられたのもいれば、途中から人間に育てられたりってのもある。
人工保育の場合もあるし、人工保育でも集団で育てられた場合もある。
親兄弟と暮らした期間が長いのもいればすぐに離された場合もあるなど、同種であっても育ち方によって全く異なる性質を持ってますからね。
来たはいいけど自分たちの環境においては全く不適切だったという事も多々あります。
だから事前に考慮すべき事項は山とあるわけです。
でもこうした当たり前に思える作業が実は非常に難儀でございまして、実際は不十分であることが多いんですよね。
結果、長期にわたって無駄な努力をしていくこともあるし、種によっては相性が悪くどちらかが殺されてしまう事もあります。
単にオスとメスが入ればいいってもんではないんですね。
そして本当に相性の良いペアって同居して1年目から繁殖しちゃうことが多いんです。
例えば猛禽類やオランウータン、ネコ科の一部なんかもわかりやすい。
そういうペアって最低限必要な環境を提供した上でなら、飼育場所を変えようが、餌を変えようが、あまり関係なく継続して繁殖していく。
とにかくペアの相性が重要なんです。
だから環境や管理が悪いわけでもないのに数年たっても何もおきないような場合は、早めに見切りをつけ積極的に個体の入れ替えを行なっていく必要があると思います。
大変な労力なんだけど繁殖を目的としているのなら当然背負わなくてはならない義務なんですよね。
では爬虫類や両生類はどうなのか。
これらの繁殖は飼育環境のコントロールによるものが主なんだけど、それを踏まえた上で最も重要な事は「優秀なオス」を確保できているかどうか。
優秀なオスってのはどんなメスにも受け入れられてしまう「奇跡のオス」。
こういう男前のオスは元々の素質もあるけど、環境によって後天的に作出されることもあります。
あと確実に繁殖を狙うのなら1ペアでは難しいです。
最低でもオス3、メス2くらいが必要。
そもそもオスは虚弱でメスより先に死ぬことが多いし、あと交尾誘起の際に「当て馬」的な役割のオスも必要。
競わせ、争わせる事でより強い求愛行動に繋げていくんですね。
ヘビなんかだと他のオスの脱皮殻を入れるだけでも効果があったりします。
そんなこともあって複数飼育は必須なんです。
個体数を確保しておけばその都度もっとも良いペアを状況に応じて作ることができるし、その「奇跡のオス」が出てくる可能性もぐっと高くなります。
例えば円山動物園の繁殖しているヨウスコウワニペアは元々4頭いた中から作られたんです。
現在爆増中のヤドクガエル類なんかも5匹の中からペアになったものを別飼いして繁殖用として管理しているんですよ。
繁殖に至るまでって単純ではなくて、こういった過程があるんです。
欧米の動物園が確実に結果を出しているのは、技術や環境ってのもあるんだけど一番はこの部分なんですね。
とにかく繁殖に適した個体を多数ストックしながら、継続した繁殖を進めている。
しかも各園館がそういう状況なんで、血統管理も国内、地域内でできてしまうんです。
展示の裏では様々な努力があるってことなんですね。
人間の場合はどうなんでしょうか?
では皆様、良い夫婦の日をごきげんに過ごしてくださいね。
奇跡のオス(スペングラーヤマガメ・Geoemyda spengleri)
センターラボから。
Posted by zoohonda on 2011年7月26日(火) 19:12
現在、は虫類両生類館内センターラボでは小さなクリーチャー達が大騒ぎです。
まずはミツヅノコノハガエル。
毎日のように上陸個体が出現しております。
この光景、まさにペガサスファンタジー。
円山三大百景の一つです、一見の価値ありですよ。
そして子沢山の母親個体。
この貫禄、赤木春恵を彷彿とさせる母さんっぷりです。
そして円山三大百景2つ目はこちら。
上陸したてのマダラヤドクガエル。
1cmにも満たない仔ガエル。
よく目を凝らして観察してくださいね。
親御さんはこちら。
まさに宝石、7キャラットの輝きです。
これら美しき両生類、残念ながら世界中で激減しており、脊椎動物の中でも最も絶滅に瀕しております。
欧米の動物園では2007年の国際カエル年をきっかけにより積極的に両生類の繁殖に取り組んでおります。
円山動物園でも、今後もこの貴重で素敵な生き物達の繁殖を継続していくつもりです。
そしてこれら幼生の育成、変態の様子などはセンターラボにてタイムリーにご覧になれます。
是非貴重な瞬間を目の当たりにしてくださいね。
ではまた。
あ、三大百景の3つ目は思いついたらお知らせします。
そして3ヶ月。
Posted by zoohonda on 2011年7月24日(日) 23:17
こんばんは、本田☆直也です。
は虫類両生類館もオープンから3ヶ月がたちました。
オープニングスタッフとして臨時で働いてくれた渡邊飼育員も任期を終え、
現在は研修で来ている遠藤先生がコオロギ、ネズミを引き継ぎ、爬虫類、両生類は僕が切り盛りしております。
まだまだ余裕の無い日々でございまして、時折、無表情で黄昏てる事もございますが、今後ともよろしくお願いします。
今年は円山の他にも旭山動物園、静岡の日本平動物園でも爬虫類館がオープンしております。
いよいよ爬虫類の時代が来たかと、やっと大ブームが来るのかと、日々ドキドキしているのですが、これが意外と来てない感じでしてね。
とりあえずもう少しだけこの根拠のない勝手な盛り上がりを一人で維持していきたいと思っております。
現在、は虫類・両生類館ではメニュー板を設置し、それぞれの給餌時間をお知らせしております。
最初は手書きでイラストなんかも加えながら、こじゃれたカフェ風メニュー板でお知らせしたいと思ってたんですよ。
でもね、僕は側頭葉の異常が疑われるくらい字と絵が下手なんですね。
ほんと何回やってもダメなんです、ゴニョゴニョ書いているうちに、最後はロゼッタストーンみたくなってしまうんですよ。
これじゃあお客様も解読できません。
それで結局味気ないテプラー&マグネットとなってしまいました。
誠に遺憾ではございますが、皆様ご了承願います。
メニュー板は朝にセンターラボ前に設置(金土を除く)しておりますので、お越しの際は確認してくださいね。
普段はピクリともしないクリーチャー達が驚くほどの動きを見せてくれるのは、この給餌の時と、展示場のガラスを拭く際に嫌がって逃げる時だけです。
彼らの新たな一面を知ることができる機会になると思います、是非来てくださいね。
それでは最後は、なんだかダラダラしているうちに結局地デジ難民となってしまった吉田飼育員の困り顔でお別れです。
ではまた。
美しきは虫類・両生類の世界へようこそ。
Posted by zoohonda on 2011年6月22日(水) 19:24
6月26日今度の日曜日、動物園内動物科学館ホールにては虫類・両生類館オープン記念講演会を開催します。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/gyouji/utukushikihachurui.html
徳田さんは爬虫類両生類好きなら誰でも知っている、著名な動物写真家です。
最近では北海道の爬虫類、両生類図鑑を出したんですが、これがけっこう売れているようなんですよ。
こんなマニアックな本が売れてるってのが何ともうれしい限りですね。
爬虫類、両生類を撮影するために日本中を駆け回っているお方ですので、エピソードには事欠きません。
非日常的、非現実的なお話がたくさん聞けると思いますよ。
また同時に7月3日まで写真パネル展も開催しておりますので、是非この機会に美しき爬虫類、両生類を堪能してくださいね。
そしてご存知、札幌市立大学の斉藤雅也准教授。
新は虫類・両生類館について建築環境学の立場からズッパリと語っていただきます。
人や動物が健康的に暮らすために熱、光、水、空気の流れなどをより良い形でデザインしていく。
飼育と建築環境学、なぜこの異なる分野が融合する必要があったのかってことがよくわかると思いますよ。
これまでとは違った観点からのお話は、非常に興味深いものになると思います。
そして動物園からは僕がお話させていただきます。
施設が完成するまでの苦労話、展示の考え方、展示動物に関して、など様々な事を軽く尾ひれをつけながらお話させていただきます。
たくさんのご来場お待ちしておりますね。
では会場でお会いしましょう。


