札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『新爬虫類・両生類館』カテゴリーの投稿一覧

ニューフェイスfrog。

上野動物園からやってきたカエル2種の展示を開始です。
円山動物園からはマダラヤドクガエル、ミツヅノコノハガエル計17匹を搬出しております。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-646.html

まずはこちら。
よーく目を凝らして探してみてくださいね。
なんせ指の爪くらいのとっても小さいカエルさんなんです。
20121006-00.JPG

ほらいた、マダガスカルキンイロガエル(キンイロアデガエル)
20121006-01.JPG

ねー、アメリカのお菓子みたいでしょ。
鮮やかなオレンジというか朱色というか、とにかく宝石のように美しい。
フルーツグラノーラの中にも入っていそうです。

でもね、このカエル意外と厄介でしてね。
とにかくやたらと跳ね回る。
まあカエルだから全然跳ねてもらって結構なんだけど、ただこの小ささですからね。
作業中もカマドウマみたいにピョンピョンやるんもんだから扉の隙間から飛び出していきそうでヒヤヒヤしてるんですよ。
ほんと一瞬たりとも気が抜けません。

そしてお次ぎはこのコケの生したビバリウムの住人。
20121006-02.JPG

ベトナム原産のコケガエル。
そう、名前の通りコケに擬態しているんです。
20121006-03.JPG

夜行性で日中は全く動きません。
でもほんと見事なコケっぷりですよね。
日本人はコケ好き民族ですから、このカエルを他人とは思えないはずですよ。
盆栽に添えてもしっくりいきそうですしね。

壁に張り付いているだけなのにこの存在感。
しかしあまりにも見事なコケっぷりに来園者の皆さんも気付かず通りすぎてしまうことがあります。
20121006-04.JPG

たしかにコケ付近にいるとほんと見失っちゃうんですよ。
先日も掃除の際にカエルの存在に気付かず、上に物を置いてつぶしてしまいそうになりましたからね。
外敵に気付かれないよう手に入れたこの能力が飼育下においては弊害になってしまうなんて・・
まったく笑えませんが、そのくらいリアルなんです。

では皆様、この魅力に富んだクリーチャーたちに会いにきてくださいね。
ほんと目の前にいるんです、皆様の目の前の壁にへばりついています。
どうか諦めずに探してみてくださいね。


ミドリホソオオトカゲ(Varanus prasinus)の産卵。

いやーうれしいニュースです。
先日のアオホソオオトカゲに続き、ミドリホソオオトカゲも無事に産卵しましたよ。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/298


今回の交尾は完璧でした。
やっとうまくいったなって感じでしたね。


そして約一ヶ月後に無事に産卵。
産卵数は4、そのうち1卵だけ発生が見られています。

これは検卵の様子。


卵内の血管が見えますよね?
生命が発生している証拠です。
実に神秘的な絵です。

たった一つだけの有精卵、頼むから孵化して神様お願い。

早熟。

サイイグアナの交尾。


僕も36歳になって大抵の事には感動しなくなっているんだけど、この行動には少し心躍らせられました。

ほんとちょっと前までは片手に収まるほどの小さなイグアナだったのに、大人の階段駆け足です。
その早熟っぷりに育ての親として誇らしくもあり、やや複雑な心境でもあります。
まだまだ産卵するような状況ではないですが、早くこの貴重なイグアナの子孫にお目にかかりたいです。
夢みたいな事が現実に近づきつつある今日この頃。
感無量でございます。
慌てずじっくりと見守っていきたいですね。


スペングラーヤマガメ第二子誕生。

一昨日、スペングラーヤマガメ2匹目の仔ガメが孵化しました。




今度の仔はちょっと大きめでやたら元気です。



最初に孵化した個体と一緒に公開しておりますよ。



お客様からお祝いの花も届きました。


では皆様、この奇妙で興味深いスペングラーツインズに会いに来てくださいね。

青い龍 アオホソオオトカゲVaranus macraeiの産卵。

青く輝く美しいオオトカゲ、アオホソオオトカゲ(Varanus macraei)が産卵しました。





いやーこの時をどれほど夢見てきたことか。


アオホソオオトカゲはWWFによって2001年インドネシアのバタンタ島で発見された世界で2番目(主観)に美しいオオトカゲです。

我々の間では「太った豚になるよりは痩せたアオホソオオトカゲになれ」と言われるように、この種は細身で繊細で誇り高きトカゲなのです。

欧米の動物園では樹上性のオオトカゲの仲間(ツリーモニター類)の飼育繁殖が盛んに行われていますが、アオホソオオトカゲの繁殖例は非常に少ない。
僕の知る限り、動物園ではドイツのケルンZoo、オーストリアのビルゼンZooでの記録のみです。

日本では一部の愛好家の方々が飼育しているくらいで、動物園ではほぼ飼育されておりません。
この美しく魅力的なオオトカゲを紹介していくために日本の動物園でも飼育繁殖技術を確立させたいと、我々円山Zooは強く思っていたのですよ。

そして感動の交尾の様子



欧米の動物園を巡った際もツリーモニターの飼育環境は細かく視察しています。
僕の印象としては個体を良い状態でキープさえしていれば「カナヘビ」のように勝手に殖えてくれるって感じでした。

しかしこの「良い状態」ってのが難しい。

これは欧米ならではの飼育環境が効果的に働いていると強く感じますね。
意外に思うかもしれませんが、欧米人が作る飼育環境って日本人から見ればそこまでする必要はないだろうってくらいに基本に忠実という印象があります。
熱、光、水に限らず、飼育ケージ、レイアウトも含めてね。

日本の動物園の場合、様々な制約の中で飼育環境を作っていく場合がほとんどですので、結果コンパクト&シンプルの中で応用を効かせながら機能させていくという管理になりがちです。
でもね、やっぱり様々な障害が次から次へと出てきましてね。
そしてふと気付かされるんですよ。
基本を理解した上で応用を効かせてきたつもりが、実は応用はおろか基本すら理解できていなかったとね・・
今更ながらそんな事を強く思い知らされている今日この頃なんですよ。

この種は基本に忠実なしっかりとした環境で管理していかないと良い状態を保てない、のりしろの小さいトカゲなんです。
だから様々な事を日々教えてくれる存在なのですね。

今回の卵は有精卵かどうかもわかりませんが、経過を見守りたいと思います。
もし有精卵であれば孵化までの期間は約半年。長すぎて胸が苦しいです。

そしてこちらは度々交尾しているミドリホソオオトカゲ。


なぜかこちらは全然産んでくれません。。
たぶん基本と気合が足りないのだと思います。
では。

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