札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『トシキカルロス』タグの付いた投稿

動物病院にて(診察室編)

続きです
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/45



ルーツはですね、待合室では終始ごきげんだったわけですよ。
犬やら人やらたくさんいましたからね。

ルーツは犬が大好きなんです。
とにかく他の犬達と遊びたくて仕方がないんです。
普段遊んでくれる相手がいないですからね。

僕だって他の犬達と思いっきり遊ばせてやりたいんですよ。
でもそれはかなわぬ夢・・・・

なぜかと言うとこの犬、ものすごくウザイんです。
ほんとウザさ1000%(トシキカルロス)なんです。

他の犬を見かけると、まずものすごいスピードで駆け寄ります。


この段階でたいていの犬は引いてしまいますね。

そして尻尾をビュンビュン振り回しながら(意図せずにテーブルのマグカップを吹っ飛ばすくらいの力)
腹の下からガンガンを鼻を突き上げて匂いを嗅ぎまくります。
この段階でほとんどの犬は硬直し唸りだします。

犬が怒ってかかってきてもまったくお構いなしです。
攻撃を交わしながら、しつこく激しくじゃれ合おうとします。
空気がまったく読めない残念な犬なんです。

そして最後はジャンプ攻撃です。
まず犬の前に立ち何度もジャンプします。
そしてそのまま近づいていき、犬の背をジャンプで跨ぎながら反復横とびを始めるのです。
みなさまここで戦意喪失。

だから一度でもルーツと遊んだ犬は、ルーツを見かけるとさりげなく方向転換するんです。
その極めて自然なさりげなさが実に絶妙でね。
そしてルーツはキューんという鼻笛を鳴らしその姿を見送ります。

あっでも一度山の中でセントバーナードとレトリーバーに偶然会いましてね。
飼い主さんの了承も出たのでたっぷり遊ばせてやったことがありましたわ。

いやーすごかったですね。
あまりの激しさに10分後には二匹とも嘔吐です。
当然飼い主からはドクターストップ。

ルーツはそんな犬なんです。


話を動物病院に戻しましょう。

先生に呼ばれ診察室に入りました。
なんか異様な空気を感じたんでしょうね。

突然下半身が沈み、プルプル震えてんですわ。
あの長い尻尾が腹にぴったりくっ付いちゃって完全に視界から消えてましたからね。

そして若き獣医師におもむろに抱き上げられ診察台へ。
「すごく緊張してますねーここまで緊張する子は少ないですよ」と先生。
なさけない・・・不甲斐ない・・・父ちゃん情けなくて涙出てくら(東野英心)

ルーツの顔を見ると・・・目を細め決して人とは目を合わさず斜め上を見ています。
これは怒られた時の表情と一緒です。
うっ、ちょっとおもしろい・・と思いつつ見守りました。

診察の際は犬が暴れぬよう必ず抑えます。
まあルーツはでかいんで獣医師さんと看護士さんと二人で抑えてたんですね。
この時に気が付いたんですけど、ルーツったらものすごく臭かったんです。

実はここに来る前、散歩中にオタマジャクシ達の誘いに釣られドブにはまってしまいましてね。
僕は犬が汚れても足も拭かずに部屋に入れちゃう民族なもんで、ついクサイまま病院に来ちゃったんです。

しかも犬を抑えてるのは若い女性看護士・・
なんかそのクサさにものすごく恥ずかしくなってきちゃいましてね。
だってね、教室に放置された柔道着みたいな匂いなんですよ。

まあ、その場で僕にできることといえば
とりあえずクサイのは犬で僕ではないですよってことを確実に理解してもらうことだけです。
だから少し離れて治療を見守ることにしたんですよ。

そして診察も終わりに近づいた頃です。
女性看護士の肘から液体がツーっと流れたんです。
僕は瞬時に気づきましたね、ルーツが失禁したことに・・・

もうクサイやら失禁するやらでなんか僕も無気力になってしまいましてね。
気の利いたセリフも必殺ジョークも浮かばなくて、気づかないふりしちゃいましたよ。

でもさすがプロです、看護士は体におしっこがかかり続けているのに全く動じません。
その姿に僕もホロッときちゃいましてね。

「あれ?おしっこしちゃいました?」
ここで初めて気がついたふりをし、謝まりました。
どっと疲れた1日でした。
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「いやー先ほどは失禁してしまいまして・・・・お恥ずかしい・・・」


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彼も疲れたんでしょう。
ものすごい寝方です。




「おっす、失禁犬です」

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