危険なあいつとメロンネット
Posted by zoohonda on 2007年2月23日(金) 01:30
えー全国200万人の大蛇ファンの皆様こんばんは。
ビルマニシキヘビのアルビノ(突然変異による色素欠乏した個体)が脱皮しました。
脱皮直後のヘビは本当に妖艶で美しい。
アルビノ個体は視力が弱い個体が多いため、ノーマルに比べると神経質で敏感な面が多々あります。
例にもれず、この個体も神経質で攻撃的な面をもっております。
んで僕はこいつに頭を噛まれたことがるんです。
てゆーか獲物と間違えられて本気締められたことがあるんです。
いやーほんとにうかつでした。
掃除のため、ヘビの部屋に入った直後、背後から後頭部にガブリンコ。
ドアのすぐ上のでっぱりで休んでいたヘビ、僕は位置確認せずに入ってしまったんですね。
しかも運の悪いことに、僕は餌用のネズミを飼育している部屋から戻ってきた直後だったんですよ。
ヘビは非常に臭いに敏感な動物です。ヘビって舌をチロチロだしてますよね?
あれは臭いを嗅いでるんですよ。
空気中の粒子を舌にくっつけてそれを頭の中にある「臭いを分析する器官」に送り込んでるんです。
んでヘビって二枚舌ですよね?
あれは舌の表面積を広げてより多くの粒子をくっつけてやろうって魂胆なんです。
そんだけ臭いを頼りに生きてる動物なんですね。
だから体中ネズミの匂いをくっつけてきた僕は完全に「獲物」なんですわ。
単なる攻撃で噛んできたんなら大した事はありません、すぐに放しますしね。
しかし今回は獲物・・・・入った途端に本気でロックオン。
あっ噛まれたっと思った瞬間、太い胴体でグルグルギューッです。
ニシキヘビの武器は太い胴体、これで獲物の鼓動が完全に止まるまで締め付けるんです。
いやー奴さん本気でしたねー、確実に僕を絞め殺そうとしてましたから。
端から見ればほんと異様な風景ですよ。
展示場内で、痩せたおっさんが頭に白い大蛇を巻きつけて空虚な目でポツリと立ってるんですから。
ターバンを巻いてるかのごとく・・・・・
その時多くの来園者の方がその瞬間を見てたんですよ。
でもなぜか皆さんふつーに微笑ましい顔してるんですよね。
てゆーか噛まれたことに気付いてないんです。獲物を狩る奴さんの動きが早すぎて。
「あーちょっと心が病んでる飼育係がヘビとたわむれてるねー楽しそうだねーハハー」
ってな感じなんです。
「おっ!ばれてない!ラッキー!」
だって爬虫類の担当者がニシキヘビに食われかけてるんですよ?
こんな恥ずかしいことってないっすよ。
だから僕も「噛まれてなんかいませんよー」ってな調子でヘビをゆっくり頭から外したんです。
まあ牙は完全に食いこんでたんで少し時間はかかったんですけどね。
バレないよう、完全に死角になるよう立ち位置にも必死ですよ。
そのうちヘビも獲物じゃないことを認識して力をゆるめて大人しくなりました。
んですぐに展示場を出てお客さんたちのもとへ走りましたね。
ほんとに気付いてないのかの確認と「ただ遊んでただけなんですよー」って伝えに。
そしたらお客さん「いやーよく慣れててかわいいーヘビですねー」って。
おっほんとに気付いてない・・・・・
だから僕も気を良くして、ちょっとハイテンションでヘビについてガイドしてたんですね。
でも少したって皆さんザワザワしだしたんですよ。さっきまでの笑顔も消えてるし。
「ん?どしたの?」と僕。「いや、それ・・」ってお客さん。
指差す方向を見たらすごいことになってましたよ。
大量の流血。もちろん僕の頭から背中にかけて。
その時点で皆さん、全てを理解されたようです。
「あっこいつ噛まれてたんだ。ターバン巻いた陽気なインド人じゃないんだ」って。
もう恥ずかしくてなのか流血でなのかもわかんないくらい顔真っ赤ですよ。ほてりまくりっすよ。
その後事務所に下がって獣医さんに消毒していただきました。
そして被りましたよ、あのネットみたいなやつ。
メロンについてるような。
その晩は涙で枕ぬらしました。
では今夜はこのへんで・・・・・・
次回は「今度は巨大アナコンダに噛まれる」の巻きです。
では。