目に毒です。
Posted by zoohonda on 2007年7月23日(月) 23:55
みなさんこんばんわ。
「長いヘビには巻かれろを」モットーに元気に生きております。
今宵は現在行われている特別展「円山昆虫研究所」をご紹介したいと思います。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/gyouji/2007july.html#science
今年はですね、ファーブル昆虫記が刊行されてちょうど100年目にあたるんですよ。
まあそんなこともありまして、この特別展が開催されたのです。
この特別展は民間企業と動物園で結成された実行委員会で主催しております。
小規模ではありますが、道内の各博物館などの協力もありまして楽しい特別展になっておりますよ。
実は札幌って日本の昆虫学発祥の地なんですよ、知ってました?
これはほんと市民の誇りですよ。
カブトムシ、クワガタとのふれあいブースです。
昆虫採集など否定される風潮もある現代ですが、命に直接触れる経験ってのは必要なことだと思いますね。
最近は虫好きのお子様が減ってきてますね、ほんと信じられない時代です。
地上最強の生物、クマムシブース。
クマムシで検索してみてください、きっとあなたもハマるはず。
我が動物園の山本獣医師が日々研究を重ね、やっと撮影に成功した貴重映像も公開しております。
今回この特別展において飼育員ブースってのを作ってもらいましてね。
飼育員が好きなことをやっていいよってブースです。
夏といえばやっぱ毒虫ですよね。
3年前に開催された伝説の特別展、「毒虫展」の再来です。
今回展示しているのは12種類。
種数は少ないですが、どれもこれもパンチの効いたクリーチャー達です。
造形家飼育員田村さんが中心となって作成されたオブジェ。
ではここから愛すべきクリーチャー達の一部を紹介したいと思います。
まずは毒虫業界きっての癒し系キャラ、放つ異臭は笑っちゃうくらい臭い「タンザニアオオヤスデ」
いやーかなりきてますね。テッカテカっすよ。
でも毒はないのですよ、自然界での役割はミミズと同じ分解者。
無くてはならない存在です。キャベツとリンゴが大好き。
続いてはビロードをまとった黒い戦士「タイランドブラックタランチュラ」
かなり怒ってます。牙を向けてご機嫌斜めのようです。
しかしほんと美しいクモですよね。僕のお気に入りです。
タランチュラってのは見た目は怖いですが、実は毒は弱いのですよ。
噛まれても死ぬようなことはありません。
僕も高校生の頃一度噛まれたことがありますが、手が腫れて痛かっただけです。
続きましては妖艶なブルー、すばやい動きで扱いずらい「コバルトブルータランチュラ」
これもまた美しいです。
先ほどのクモとは違いこちらは樹上性、展示ケースの上の方にひっついています。
こちらのクモは「ファイヤーレッグタランチュラ」
名前のとおり炎のような赤毛を身にまとったタランチュラです。
非常に美しいクモなんですが、刺激すると足で腹部を擦って体毛を飛ばしてくるんです。
ほんと鬼太郎みたいな奴でしてね。
そしてその毛が皮膚に付くと痒くなっちゃうですよ。
皮膚が弱い人にはおすすめできません。
そして、飴玉みたいなこの方達、「ラオスオオダンゴムシ」
非常にキュートです。
でかいダンゴムシでしょ?
まあほとんど土の中に潜っちゃってるんですけどたまに列を成して歩いてます。
その姿がなんだかとても素敵でしてね、ほんと愛しくなっちゃいますよ。
そしていよいよ真打の登場、極悪キャラ「タイオオムカデ」です。
これ20cmあります、ものすごいでかいムカデです。
そして動きもめちゃくちゃ早い。ケージに移しかえる時は正直ちょっと怖かったです。
そして最後はこのお方、三葉虫と間違えないでね「マダガスカルオオゴキブリ」
ほんとはお腹の画像を見せたかったのですが、失神者が出ても困るのでやめときました。
このゴキブリ、掴むと鳴くんですよ。「シーシー」ってね。
でも良くみるとゴキブリらしくなくそんなに不快感もないですよ。
もし部屋に出てきても、こんだけでかけりゃスリッパで叩く気も失せますね。
とりあえずここでは一部を紹介しました。
みなさんも「もっと見てみたい!」って気になったでしょ?
ぜひ「円山昆虫研究所」に来てくださいね。
でも実は毒虫って言いながらも、タランチュラとムカデ以外は無毒の生物達です。
「全然毒虫展になってないじゃないか!」と言う方もおります。
そして飼育員はこう答えるのです。
「いいえ、目に毒なのです」
では。