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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2007年08月08日 の投稿一覧

目からウロコ

先日打ち合わせのため釧路に行ってまいりました。
行き先は釧路湿原野生生物保護センターと釧路市動物園。



まず保護センターにて斉藤獣医師と環境省の小野さんと打ち合わせ。
齊藤先生は世界的に活動しておられる猛禽類の研究者。
日本の猛禽類の権威とも言える方です。
オオワシ、シマフクロウなどの保護活動を積極的に行い、日本各地で講演活動も行っております。
非常に細かい多くの情報を提供していただき目からウロコの思いでございました。
お忙しい中丁寧な対応をしていただき非常に感謝しております。

そして釧路市動物園。
僕は全国あちこちの動物園に行っておりますが、最も感動を与えてくれるのはこの釧路市動物園でしてね。

希少な野生動物が多く暮らす釧路湿原のお膝元、釧路市動物園には多くの使命があります。
タンチョウ、シマフクロウの保護増殖事業、希少種クマタカの継続繁殖など、残した功績は本当に偉大です。
それらを地道に実践し、結果を残してきた職員や関係機関の方々に再び目からウロコの思いです。
「種の保存」と「環境教育」を確実に実践している動物園、それが釧路市動物園なのです。

それらの集大成が「北海道ゾーン」。


入り口にはエゾリス。北海道人にとって最も身近な哺乳類かもしれませんね。




もともとは非公開だったタンチョウの保護施設。
保護増殖のために非公開施設を持っている園って少ないですね。

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近くでも見れます。



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様々なサインが充実してます。
野生からのメッセージをいかに人々に伝えるか?
それが本来の目的であって、展示ってのはそれを達成するための手段の一つ。



ゾーン内の木道。
湿原の中を歩けるのです。
なんてすばらしい環境なのでしょうか。
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途中にはここに生息している動物たちのサイン。
これはコウモリね。


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そして巨大な池。
白鳥が優雅に闊歩。
多くの野鳥達が飛来しております。





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ここの象徴、シマフクロウ。
世界最大級のフクロウ。
僕には後光が射しているのが見えましたね。
こんなすばらしい鳥が日本にしかも北海道に生息しているのですよ。

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継続した繁殖にも成功しております。
今年産まれの幼鳥です。


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世界一素敵な猛禽、クマタカ。
野生では繁殖がうまくいっておらず、着実に個体数を減らしてます。
イヌワシ以上に良くない状況なんですよ。
ここ釧路では継続繁殖に成功。もちろん日本でここだけです。


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シマフクロウの巣内が覗けるモニター。
子育ての時期には貴重な映像が観察できます。


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保護活動についてのサイン。
これは環境省がシマフクロウの生息地に設置している巣箱。
シマフクロウの繁殖には大木が必要なんですね。
しかしそのような環境はすでに失われているんですよ、だからこれを変わりに設置しているんです。
いつか森が回復し、この巣箱を取りはずせる日が来ることを祈ります。

日本の動物園って産業と結びつきレジャー施設として発展してきたんです。
だからこのような地道な保護活動は紹介される機会も少なく、人々に知れ渡ることってなかなか難しい。
本当に残念なことです。

このような活動が動物園評価の基準となる時代がきっと来るでしょう。
そのとき初めて釧路市動物園のすばらしさが人々に伝わるのでしょうね。
あくまでも僕の主観ですが・・・・

ではまた。

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