札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2008年11月09日 の投稿一覧

ミスターユリウス。

コモドオオトカゲと共に技術指導のため来札した、タマンサファリのユリウス氏。
彼との奇妙な生活が始まって10日がたちました。
なんせ寝る時以外はほぼ一日中一緒に過ごしていますからね。



すっかり五郎さんみたくなってます。
南国から来たのに「北の国から」スタイル。
雪を見るのも初めてで、粉雪舞うたび写真を撮りまくっております。

ユリウスはコモド諸島産まれ、そう、生粋のコモドっ子なのですよ。
幼少の頃からコモドドラゴンを身近に感じ、非日常的な日常を過ごしてきたわけです。
タマンサファリの飼育員となって13年、僕と同期です。

奥さんと幼い娘さんを国に残し、言葉の通じない遠い異国へと一人でやってきたユリウス。
すごく謙虚で、シャイで真面目なユリウス。
そんな彼にとってここでの生活は大きなストレスでしょう、心情は痛いほどわかります。
僕も以前ニューヨークに行った際、所持金も少なくどうしていいかわからないまま夜の街をさまよいました。
挙句のはてにハトの餌を自販機で買い求め、涙ながらに飢えをしのいだ経験があります。
あの大都会で食いぱっぐれるくらいのチキン野郎だったわけです。

彼との生活で大変なのは、やはり言葉でしょう。
彼はインドネシア語しか話せません。
通訳の人が付く日もありますが、付かない日も多々あります。


彼との生活を豊かにするための必須アイテム。
常にこれを持ち歩きお互い必死に伝えるべきことを伝えているのです。



最近の二人の様子。一日の大半はこんな感じです。
お互い辞書を開きながら、言葉を探しています。

ユリウスがおもむろに辞書を開いた時は、僕に何かを伝えたいサイン。
言葉が見つかるまで15~20分くらいかかり、僕もそれをじっと待ちます。
彼から発せられる情報は、今後のコモド飼育にとって非常に重要なことですから。

そしてやっと出てきたセリフは・・・「今日は雨ですね」
僕は「そうだね・・・・」
そんなユリウスがとっても愛おしいです。

でも最近は、めんどくさいのか開き直ったのか、無理はせず二人で鼻唄を歌いながら過ごしています。
そして疲れたら無言、長時間の沈黙も全然へっちゃらです。
無言でも長時間一緒に過ごせる関係、そう、ある意味家族になったのですね。



職場のみんなからも愛されています。
特に女性陣の人気者。
僕と二人で居る時は決して見せない笑顔ですね。

コモドオオトカゲに会いに来た際は是非ユリウスにも声をかけてください。
彼も喜ぶと思いますよ。

スラマッシアン (こんにちは)
クナルカン  (はじめまして)
ナマ サヤ ナオヤ (私は直也です)
テリマカスィ  (ありがとう)
サマサマ (どういたしまして)

これくらい覚えておけば大丈夫です。
皆様のお越しをユリウスと共にお待ちしております。

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