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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2012年04月20日 の投稿一覧

訃報。

病気療養中であったベーレンパイソンが死んでしまいました。
玉虫色に輝く美しい姿に多くの人が魅了されたのではないでしょうか。
市民の皆様からも愛されていたヘビだっただけに本当に残念、そして管理する側として力及ばず申し訳ない気分でいっぱいです。

一時は交尾行動も確認され・・



妊娠騒動で大騒ぎした事もありました(単なる便秘でした)


そして展示を開始してからは徐々に体調を崩してしまい、残念な結果に。

実は先日、私的な旅行ではありますがベーレンパイソンを巡る旅に行ってきたばかりだったのです。
この種の飼育に力を入れているアメリカの動物園3箇所を訪問し、アメリカにおいての現状、飼育展示に関する情報交換、そして悩みを共有したいと思っていたのです。

実際アメリカにおいても飼育は安定しておらず、飼育自体をやめてしまった園もあるようです。
幼体から育て上げ、充分に環境に馴染んでいるような個体であっても突然体調を崩し死に至る。
そしてその死因のほとんどが呼吸器系と消化器系の感染症であると。
ストレスがかかると、菌に対して感受性が高くなり発症してしまうんですね。
いわゆる日和見感染です。

そんな中でもテキサスのフォートワースZoo、ダラスZooは本当に素晴らしかった。
特にフォートワースには世界で唯一のベーレンパイソンの本の著者Ari Flagle氏が勤務しており、当然飼育には力を入れています。
展示個体は20才を超えており安定。
繁殖にも積極的に取り組んでおりますが、個体の体調が不安定になる時期がありうまくはいっていないとのこと。
交尾は成功しても産卵はしないというのがパターンのようです。
それでもこのヘビに関しての朗報は、テキサスからもたらされるであろうと強く感じました。

今回の旅でこの美しいヘビに関わる様々な人と出会い、今後の飼育の地盤を固めた矢先の出来事。
本当に悲しいです。
皆様もこの美しいヘビの事を時々思い出してくれたら幸いです。
では。
 

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