札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

青い龍 アオホソオオトカゲVaranus macraeiの産卵。

青く輝く美しいオオトカゲ、アオホソオオトカゲ(Varanus macraei)が産卵しました。





いやーこの時をどれほど夢見てきたことか。


アオホソオオトカゲはWWFによって2001年インドネシアのバタンタ島で発見された世界で2番目(主観)に美しいオオトカゲです。

我々の間では「太った豚になるよりは痩せたアオホソオオトカゲになれ」と言われるように、この種は細身で繊細で誇り高きトカゲなのです。

欧米の動物園では樹上性のオオトカゲの仲間(ツリーモニター類)の飼育繁殖が盛んに行われていますが、アオホソオオトカゲの繁殖例は非常に少ない。
僕の知る限り、動物園ではドイツのケルンZoo、オーストリアのビルゼンZooでの記録のみです。

日本では一部の愛好家の方々が飼育しているくらいで、動物園ではほぼ飼育されておりません。
この美しく魅力的なオオトカゲを紹介していくために日本の動物園でも飼育繁殖技術を確立させたいと、我々円山Zooは強く思っていたのですよ。

そして感動の交尾の様子



欧米の動物園を巡った際もツリーモニターの飼育環境は細かく視察しています。
僕の印象としては個体を良い状態でキープさえしていれば「カナヘビ」のように勝手に殖えてくれるって感じでした。

しかしこの「良い状態」ってのが難しい。

これは欧米ならではの飼育環境が効果的に働いていると強く感じますね。
意外に思うかもしれませんが、欧米人が作る飼育環境って日本人から見ればそこまでする必要はないだろうってくらいに基本に忠実という印象があります。
熱、光、水に限らず、飼育ケージ、レイアウトも含めてね。

日本の動物園の場合、様々な制約の中で飼育環境を作っていく場合がほとんどですので、結果コンパクト&シンプルの中で応用を効かせながら機能させていくという管理になりがちです。
でもね、やっぱり様々な障害が次から次へと出てきましてね。
そしてふと気付かされるんですよ。
基本を理解した上で応用を効かせてきたつもりが、実は応用はおろか基本すら理解できていなかったとね・・
今更ながらそんな事を強く思い知らされている今日この頃なんですよ。

この種は基本に忠実なしっかりとした環境で管理していかないと良い状態を保てない、のりしろの小さいトカゲなんです。
だから様々な事を日々教えてくれる存在なのですね。

今回の卵は有精卵かどうかもわかりませんが、経過を見守りたいと思います。
もし有精卵であれば孵化までの期間は約半年。長すぎて胸が苦しいです。

そしてこちらは度々交尾しているミドリホソオオトカゲ。


なぜかこちらは全然産んでくれません。。
たぶん基本と気合が足りないのだと思います。
では。

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