札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2013年03月 の投稿一覧

蝦夷の両生類たち。

現在北海道ゾーン展示室内の温度は10℃前後。
ほとんど動くことのできない爬虫類達を横目に両生類達はとっても元気です。













元気というか繁殖期真っ最中です。
エゾアカガエル達は日々こんな感じでがんばっております(でもオス同士)
水温は5℃、低温ではありますが燃え上がってしまった彼らの情熱を冷ます事はできません。


エゾサンショウウオもオス達が活動開始。


産卵準備が整ったメスが来るのを水中でじっと待っているのです。

円山地区における野生のアカガエルやサンショウウオたちの産卵は早くて4月上旬。
若干早いですが、は虫類両生類館にも確実に春がやってきているようです。

この両生類達の微妙な行動変化。
極めて地味な展示ではありますが、是非ホッキョクグマと抱き合わせでご覧ください。

冬眠、より深く。

薄暗い北海道ゾーン。
冬眠開始から約一ヶ月、住人達はより深い眠りについています。








冬眠中のアオダイショウ。



展示場内の温度計は10℃前後を示していますが、


実温度はもっと低いんですよ。


5〜8℃で推移。

外気の吸気量は最大のレベル4、しかも排気量を減らすことでよりキンキンに冷やしております。



他のヘビやカメたちも同時にこの場所で冬眠中。


ヒラセガメやジャノメイシガメ。


そして近々、アメリカドクトカゲ、マレーベニナメラなども冬眠に入る予定です。
多くの爬虫類、両生類の習性である「冬眠」の再現。
いよいよ爬虫類両生類館の本領発揮です。

この恐ろしく地味な展示を、是非ホッキョクグマと抱き合わせで堪能してください。





毛。

先日朝、マレーガビアルの展示場を覗いてびっくり。


プール一面に何かが浮いているわけです。
前日に水換えをしてとっても綺麗だったのにこれはいったい何事かと、何の呪いなのかとしばし呆然としておりました。

この浮遊物体の正体、実は「毛」なのです。
ワニは消化できない毛を口から吐き出すんですね。
詳細且つスリリングに説明しますと、これは餌として与えている「ネズミ」の消化できない部位、つまり「ネズミの毛」がプール一面に浮遊している状態なのですよ。

そういえばしばらく吐いてなかったなーと思ってはいたのですが、この度めでたく一気に吐き出した模様。
いやーでもさすがにこの量は体験したことなかったもんで、僕も軽いワニワニパニックです。

とりあえず掃除のために網を使って浮遊物を掬い上げます。
ワニは怒り心頭で盛んに網に噛み付いてくるんです。
でも僕は感情を表に出す事なくボロボロになった網を揺らしながら黙々と毛を集めます。
本当にやるせない、切ない作業です。

そして集まった毛がこれ。
20130316-01.jpg

すごい量です、トイプードルくらいあります。

でもね、毛を吐き出す瞬間の彼らはすごいんですよ。
口をゆっくり開いたと思いきや突然頭を振り乱し、おもむろに口から毛球を吐き出すんです。
実際目にしたら皆さんも即戦意喪失すると思います、こんな動物と話し合う余地はないってね。
2秒で悟れますよ。


ワニって人間のモノサシなんかでは測りきれない素敵な動物なのです。
ではまた。

アオに続きミドリホソオオトカゲ。

アオホソオオトカゲのBaby。
妖艶な美しさを存分にまき散らしながら、すくすくと成長しております。





実はですね、同時期にもう一種のオオトカゲも孵化していたんですよ。


そう、アオホソ同様真剣に繁殖に取り組んできたミドリホソオオトカゲです。

これが孵化のようす。
若干画像が暗いですが、アオにも劣らない美しさ。


 しかし残念ながら虚弱な状態で孵化したらしく翌日に死亡してしまいました。
たっとひとつの有精卵だっただけに本当に残念。
でもですね、今回だけはもうほんとに悔やんでも悔やみきれないんですよ。

というのも、僕自身孵化にも死に目にも立ち会っていないのです。
何の因果か僕が遠出している時に孵化が起こってしまったのですよ。
自分で記録を取ることも写真を撮ることもできなかったわけです・・・

ほんとね、いっつもそうなんです。
何の法則なのかよくわからないけど、とにかく大事な事が担当者不在の時に起きてしまうんです。
いつもながらのタイミングの悪さに、僕は中学2年生バリにふてくされ、ひどくイラつき、どこにもぶつけられない怒りでしばし我を失います。2時間半くらい。

いやーでもこの美しい仔に一目逢いたかった。


今年はアオホソとミドリホソの同時繁殖成功でアカデミー賞を総なめにしたかったんです。
でも相変わらずの詰めの甘さ。まだまだ精進が足りません。



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