札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

名景。

カラスヘビ(シマヘビの黒化型)の展示場。
ここの扉を開けると、いつもつい作業の手が止まってしまうんです。



その理由はこれ。


この木と植物達が織りなす幻想的なハーモニー。
こんな美しい光景が目の前に現れるんですから無理もありませんよね。
まさに生ける芸術。

この風景は、キンベル美術館に訪れた際、展示されていたモネやセザンヌの絵を近所の絵画教室の人達の作品だとなぜか勝手に思い込み、素通りしずっと売店で買い物をしていた僕の感性にさえ響きます。

このコケ蒸した木、もともとはその辺に落ちてた木の枝をただ置いていただけなんですね。
しかし約2年半かけて環境を構成する重要な要素へと溶け込んでいったわけです。


これは一飼育員が狙ってどうのこうのできるもんではありません。
熱、光、水、空気の流れといった無形なる要素たちをしっかりとデザインしていった結果起こった、自然物の神秘的な営みですよね。

この施設では、植物は展示生物ってだけではなく環境のバロメーターとしても機能しておりまして、コケやシダといった繊細な植物が自活できているってことは、ある程度良好な環境が維持されているという判断。


爬虫類両生類館はこれまでの「植物は死んじゃうけど、動物は耐えられる」という環境ではなく「環境内において動物と植物は一体である」「植物も育たない環境で動物を管理したくはない」ってとこから施設作りをスタートさせています。だからどうやったって環境の質を高くしていく必要が出てくるんですね。まだまだ足らない部分も多々ありますが、せめてそこはブレずに精進していきたいと思っております。
では。アデュ。

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