逃避。
Posted by zoohonda on 2016年2月21日(日) 22:58
こちらはサイイグアナのオス。
僕が近づくと、こんな体勢をとります。
おもむろに体を持ち上げ、両目を閉じ地蔵のように動かなくなるのです。
これはサイイグアナに限らずイグアナの仲間によく見られる行動で、こうなったら触っても全然OK。
この機会に体のチェックをしたり、毛はないけどブラッシングしたり、脱皮の皮を剥いたりといろいろケアができます。
奴さんもうっとりと両目を閉じて、されるがままです。
そしてこの様子を見た人は100人いたら105人が同じことを言います。
「イグアナとても喜んでますね!すごく気持ち良いんですね!」って。
でもこれ違うんです。実はこの行動「逃避」の反応なのです。
つまり「嫌だなー早くどっか行ってくれないかなー」的な状態。
ただ逃げたり、攻撃したりするほどの拒絶ではなく「我慢はできるけど早く終わらないかなー」くらいの拒否具合。
ちょっと苦手な親戚のおじさんと二人で食事するくらいの感じだと思います。
何度も言ってますが、人間ってどうしても自分たちの「モノサシ」で他種を見てしまいます。
人間のフィルターを通して動物の状態を安易に判断するということは、
「適正なBMIを知るために、自分の身長や体重を平行四辺形の計算式に当てはめている」くらいトンチンカンな行為なのです。
人が思っていることと、実際に動物が感じていることが全く正反対だなんて、ほんと恐ろしいことです。
だから動物と携わる者は客観性を持ちつつ、それぞれ適切な形で無償の愛を提供していくことが大切ですね。
人間と近い種ならまだズレは小さいかもしれないですが、遠ければ遠いほど事は深刻になります。特に爬虫類や両生類。
皆さまも爬虫類両生類館に来る際は自分のモノサシを捨て頭の中を真っ白にしてきてください。彼らの違った一面を垣間見る事ができると思います。
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