札幌100マイル

RSS 爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

ワニの清掃。

マレーガビアル舎のプール清掃。

水洗い作業は上から行います。

IMG_9281

ホースを駆使し、ワニの「糞」を中心まで誘導し排水口に落とすのがアタクシの任務。

この作業、非常にゴルフ的なのです。

ホースをクラブ、糞をボールに見立て、排水口にカップインさせるスポーツ。

僕はこれを「ゴル糞」と呼び、日々紳士的な態度で挑んでおります。

IMG_9284

たかだか数個の糞に対して無駄な水道代はかけてられません。

基本バーディー狙いで、最短で作業を終えられるよう心がけています。

IMG_9292

しかしこれがはなかなか難しい。

水を当てても糞はなかなか思うような方向へは動いてくれません。

四方壁に囲まれた施設ですから、壁に当たった水が様々な方向へと流れ複雑な水流が起きているのです。

ベテランキャディさんもこの流れを読み切るのは無理でしょう。

たまに奇跡的にジェット水流が起こり、一気に排水口に吸い込まれていく事もありますが極めて稀です。

IMG_9290

せっかくカップ側まで寄せても、糞はそこでピタッと止まってしまいます。

そうこうしているうちにポロロッカのように水が逆流してきて、あらぬ方向へと押し流してしまうのです。

四十路の男が一個の糞に翻弄されています。

いつも冷静な僕もこの時ばかりは「もー!」と叫びながら作業しています。

そして観覧通路では来園者の皆様もこの光景に興味深々、糞の行方をじっと見守っています。

ギャラリーが注目する中、プレッシャーを感じながらの糞流し。

僕も期待に応えるべく、糞の形状、水を当てる角度、水流を読みながら作業を進めます。

そしてやっとのことでカップイン。

ギャラリーの方々の顔はニヤっとゆるみ、同時に拍手が沸き起こるのです。

この時の僕たちの一体感といったら、言葉では伝えきれません。

まさに飼育係冥利につきるってやつですね。

IMG_9294

あ、ちなみに僕自身ゴルフの経験は一度もありません。

では。

コメントは受け付けていません。

pageTop