『新爬虫類・両生類館』カテゴリーの投稿一覧
アオホソオオトカゲの繁殖 2014。
Posted by zoohonda on 2014年8月6日(水) 21:38
特にニュースにもなっていませんが、今年1月産卵のアオホソオオトカゲの卵が無事に孵化しております。
5卵中、4卵が孵化。
こんな美しいトカゲを4匹も1度に抱きしめられる日が来るなんて誰が想像できたでしょうか。
ほんとなんて素敵な事なのでしょう。
現在は爬虫類両生類館センターラボ内にて管理中です。
4匹とも無事に餌も食べるようになり、やっと安定してまいりました。
こちらは前回2012年に繁殖した仔。
立派なレディへと成長してくれました。
では皆様、円山名物アオホソファミリーへ会いにきてくださいね。
モウドクフキヤガエル(Phyllobates terribilis)の繁殖。
Posted by zoohonda on 2014年4月18日(金) 22:24
苦節2年、やっとモウドクフキヤガエルの繁殖が軌道にのりました。
これがモウドクフキヤガエル、毒性の強さは生物界トップクラスです。
このカエルが持つ毒「バトラコトキシン」は非常に毒性が強く、一匹のカエルが持つ毒量でネズミを22000匹殺す事できるそうです。
人間に対しての毒性はよくわかっていませんが、少なくとも10〜20人を殺すことが可能と言われております。
学名の「terribilis」は「恐ろしい」という意味で名前もおっかないですが、見た目も「キルビル」みたいでとてもおっかないのです。
しかしそんな危険な猛毒ガエル、実は動物園で飼育されている個体は毒を持っていません。
ヤドクガエルの毒に関してはまだ解明されていない事も多いのですが、毒の生成に関してはそれぞれ生息地で食べている餌(アリ)に由来していると言われています。
つまりコオロギを食べている飼育下の個体は毒を生成できないため無毒だということなんですね。
その証拠に日々接触している僕自身元気で健康です。
若干コレステロール値が上がってきてますが、これは毎日チョコ棒を大量に食べている「チョコ棒由来」であってヤドクガエルとは無関係です。
一回の産卵数は20〜25くらいで現在週に一回ペースで産卵しています。
約22℃程度で10〜14日程度で孵化します。
現在65匹のオタマジャクシを管理中です。
このペースだと今月中には100匹を超えちゃうでしょうね。
飼育は大変ですがうれしい悲鳴です。
カエルになるまでまだまだ先が長いですが、慎重に管理していきます。
卵やオタマジャクシの様子はセンターラボにて観察できます。
この貴重なシーンを是非お見逃しなく。
アオホソオオトカゲ産卵。
Posted by zoohonda on 2014年1月8日(水) 17:33
うちのアオホソオオトカゲ夫妻がですね、またやってくれましたよ。
12月31日の大晦日、無事に5個産卵してくれました。
一時オスが体調崩しちゃったこともあり、もう繁殖は無理かなーと思っていたんですよね。
でも必死のケアで見事に復活。
求愛行動も盛んになり、情熱的な交尾も存分に披露してくれました。
こちらは産卵間近のメス。
このはち切れんばかりのお腹、産卵数の多さを予想させます。
そして12月31日、いつもの場所で無事に産卵。
5卵のうち有精卵は3卵。
うまくいけば半年後には3匹の青いドラゴンが誕生しますね。
再びあの美しい仔に会えるなんて・・・いやーうれしいっ。
仲良し夫婦。
ほんとこのペアからは様々なことを学んでおります。
日々感謝です。
コウヒロナガクビガメ夫妻。
Posted by zoohonda on 2013年11月23日(土) 21:04
今年の夏頃からコウヒロナガクビガメ夫妻がなんだか良い感じなのです。
夕方、一段階目の照明が落ち少し薄暗くなると活発な求愛行動が始まります。
この種はほんと飼育下での繁殖例が少ないですからね。
世界的にみても安定した繁殖がほとんど行われていないのですよ。
アジア初の朗報はここ札幌からと、強い思いを込めて日々お世話しております。
この種の求愛行動は♂がその長い首をカクカク動かしながら♀の背後からそっと近づき交尾するというパターン。
強引なタイプが多いカメ界において、非常に紳士的且つスマートな求愛スタイルです。
ほんとどこに出しても恥ずかくない立派な♂へと成長してくれましたよ。
育ての親としてとても誇らしいです。
交尾も盛んに行われていますが、産卵から孵化までとなるとまだまだやらなくてはならないことがあると思うんですね。
それらを実践した上で、なんとか近い将来、皆様に朗報を届けたいなと思っております。
あ、近い将来ってのは爬虫類時間でだいたい3〜5年くらいです。
ではこれからもこの首の長い若い夫婦を暖かい目で見守ってくださいね。
うずまき。
Posted by zoohonda on 2013年11月15日(金) 19:38
名作「うずまき」を彷彿とさせるこの斬新なフォルム。
皆さんはこれほど完璧な「うずまき」に出会ったことがあるでしょうか?
普通に暮らしていても7、8年に1度会えるか会えないかくらいの「うずまきっぷり」だと思います。
ではこの得体の知れない不気味な物体、いったい何なのでしょうか?
正解は・・
アオホソオオトカゲの「尾」なんですよー。こちらは昨年産まれの個体です。
いやーでもこの子ほんと大きくなりましたね。すっかりオオトカゲです。
この種の特徴でもある長い尾は、全長の3分の2を占めます。
そして休む時は掃除機のコードみたいにすっきりと巻き上げるんですね。
この子は土に潜って寝るんですが、あまりにも長すぎる尾を隠しきれず時々こんな風に露出させちゃっているんです。それでも本人は完璧に隠れているつもりのようでして、その詰めの甘さが若干痛々しいんですね。ほんと育ての親として無念でなりません。
でもですね、この詰めの甘さは飼育下においては歓迎すべき習性でして、実際「隠れんぼの天才」が多数在籍する爬虫類界において、容易に居場所が確認できる種というのは管理側としてありがたいんですよ。
特に脱走された時なんかはなおさらで、というのもこのオオトカゲったら隠れるのは苦手でも逃げることに関しては天才的でして、掃除の際など扉の隙間からスルッと出ていくんですね。しかもその素早さと言ったらもうファミスタの「ぴの」ばりで、あっという間に姿を消してしまうんですよ。
以前、旧爬虫類館で飼育してた際も何度か逃走されましてね。
そこは植物が茂る大空間の温室で、こりゃ逃げられたら大変だーと最初は思ったんです。でもこの種の習性である「樹上性」と「隠れんぼ下手」がここで味方してくれましてね。まず樹上性の彼らは必ず上を目指し、天井付近に潜むます。そして隠れんぼ下手なもんだから、案の定尾の一部が必ず露出しちゃってるんです。いつも天井の梁からダラーンと尾が垂れているんで、慌てなくても9秒もあればで発見できちゃうんですね。
まあそんな個性的に長すぎる尾も、当然樹上生活者のこの種にとっては必要不可欠なものです。木に巻き付けたり、また素早く動き回る際のバランサーにもなったりと大切な役割を持っているんです。まあ不安定な樹上であっても往年の松本匡史並みの瞬発力と機敏さは必要でしょうから、このくらい長い尾じゃないと役不足なわけなんですね。
では今夜はそんな事も頭に入れていただいて、是非次回は直接この美しいアオホソオオトカゲに会いにきてくださいね。