札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『新爬虫類・両生類館』カテゴリーの投稿一覧

太鼓で繁殖行動誘発実験の結果。

皆様こんにちは。
先日行った「ヨウスコウワ二太鼓で繁殖行動誘発実験」の様子をお知らせします。



結果、活発な「鳴き合い」も見られ非常に良い感じではありましたが、交尾行動までには至りませんでした。
でも昨年に比べると雲泥の差です。

まあ昨年は発情の兆候すらない状態で実施しましたからね。
新施設の環境にワニ達はまだ適応できていない、体内リズムも狂ったまま、簡単に言っちゃうと「時差ぼけ」みたいな状態だったわけです。

でも今年は違います。
施設にも馴染み、これまで通り10月から4ヶ月間の絶食を行いました。
そして2月に入りちょろちょろと求愛行動が見られ始めた状態だったのです。
そう、太鼓が効果的な刺激になるようお膳立てはばっちりだったのですよ。

今回は太鼓の数も2個から5個へ増やしました。
そして中国のワニではありますが、土器を壊し生命の誕生を祈るという西アフリカ流の儀式も行いました。
体調ばっちり、願掛けばっちりです。


でも相手は生き物。
僕らは環境を管理し、刺激を与えることで個体を誘導していくわけですが、当然思い通りにいかない事も多々あります。
まあそれでも今回は活発な鳴き合いも見られましたので、これから情熱的な時期に入っていく若い二頭のワニにとっては非常に良い刺激になったと思います。
今後の経過を見守りましょう。楽しみです。
AIR-Gの皆様、そして太鼓奏者の茂呂さん毎度のご協力ありがとうございます。

ヨウヨウとスウスウの鳴き合いの様子。





今年もやるぜ ヨウスコウワ二太鼓で発情誘発実験。

昨年同様、AIR-G′さんのご協力のもとジャンベ太鼓・縄文太鼓演奏家の茂呂剛伸さんをお迎えし「ヨウスコウワ二太鼓で誘発実験」を行います。
日時は2月22日金曜日午後2時からです。
2月22日は猫の日ですが、は虫類・両生類館にお集まりください。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-710.html

こちらは昨年の様子です。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/272

現在ヨウスコウワ二は4ヶ月間の絶食期間を終え、発情を促すべく飽食状態で維持しております。
ペアの様子は昨年に比べると格段に良いです。
今回の太鼓の刺激で、熱々だったあの頃の二匹に戻ってくれる事でしょう。
まあ結果はどうあれ太鼓の演奏が楽しみです。
皆様、この貴重なシーンを共有しましょう。
お待ちしております。

アオホソオオトカゲ(Varanus macraei)の孵化。

一日千秋の思いで待ち続けたアオホソオオトカゲの孵化。


2卵中1卵が無事に孵化しております。
もう1卵は残念ながら孵化直前で死んでしまいました。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-706.html



いやー長かった。
そして本当に良かった。


孵化温度は29〜30℃、湿度80〜100%。
孵化までに約5ヶ月間かかりました。

このトカゲの繁殖成功例は個人レベルですとヨーロッパ、アメリカで少数がありますが、動物園においてはドイツのケルン、オーストリアのピルゼンに続く3園目となります。
非常に貴重な事例と言えます。

しかし本当に美しすぎるトカゲです。


深みのあるコバルトブルー。
この美しさ画像では表現不可能です。

昨日よりセンターラボにて展示開始しております。
是非肉眼でその素晴らしさをご堪能ください。
そしてご家族、ご親戚にその魅力をお伝えください。
では皆様のご来園お待ちしております。




冬眠展示。

爬虫類・両生類館は「展示しながらも冬眠が可能」という画期的な施設になっているわけですが、今年はヘビ年ということでヘビ達の出番が多く冬眠開始が遅れておりました。
2月に入り干支展も終わりましたので、ちょっと遅いですが冬眠展示の準備に入りました。
今回の冬眠展示は北海道産ヘビ類、両生類のゾーンが対象です。


展示場の様子はこんな感じ。
まあはっきり言って照明が薄暗いだけで夏場と何も変わりません。



ヘビの様子。


夏場と同様、いつもの場所でいつものようにじっとしております。
風雪に晒されるわけでもないですし、部屋全体が冬眠に適切な環境に保たれているのでどこかに潜り込んだりする必要はないんです。

エゾサンショウウオとエゾアカガエルは低温になってくると水に入ります。



現在温度は7〜10℃。



この施設は外気を直接入れることで温度を下げています。
ダイヤルをイジリながら風量を調節していくんです。



外気はこの蛇腹から入ってきます。
これも位置を調整しながら効率的に温度を下げていきます。


爬虫類・両生類館は高断熱、高機密で魔法瓶のような構造になっているんですが、冬眠可能な展示ゾーンはさらに断熱材で包まれています。
魔法瓶の中にさらに小さな魔法瓶がいくつも入っている感じです。
まあドア一枚開ければ隣は熱帯のゾーンですからね。
周りに影響を与えずに特定の場所を冷やすには、このような構造にする必要があるんです。

現在の設定温度は7℃。
−10℃まで調整できます。



外気を直接入れていくので、そのままだと凍ってしまいます。
だからサーモと暖房を連動させて、ゆるく暖房しながら適切な温度を保っているんです。



ハイテクと思わせて実はすごく単純な仕組みなんです。
正直ハイテク装置は使い物にならないんですよ。
故障が多かったり、修理費用も高額だったりで結局は機能しなくなることがほとんど。
繊細な野生動物の環境作りを全て機械まかせってのもなんだか怖いし信用できませんしね。

やっぱりね、頼るべきものは人間の肌感覚なんですよ。
それを前提にした上で、シンプルな仕組みで故障しても簡単に修理可能な設備を導入するのがベストだと思います。

動物飼育ってのは人為的に環境を作ること。
こういった飼育環境作りに直接関係する設備に関しては、飼育員が直接管理していかないと話になりません。

では皆さん、夏場とほとんど変わらない貴重な冬眠の様子を是非観察してみてくださいね。




告知。干支展ファイナル。

明日の2月2日は干支展の最終日です。
最後は粋なトークで締めたいと思っております、皆様是非来てくださいね。
場所は動物科学館、午後1時15分からです。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-701.html

演者は写真家の徳田さんと僕でございます。


僕は「世界の動物園ヘビ事情」ってことで、世界の動物園ではどのような理念の元、どのようにヘビの管理を行っているのか? 
そんな現代を生きていく上では全く必要のない情報を熱く語らせていただく予定です。

徳田さんは「変わったヘビの話」ということで徳田さんが実際に目にしたユニークなヘビ達のお話をしてくれる予定です。非常に貴重な映像も用意されているようなのでお見逃しなく。

この二人でヘビーなトークをお届けします。
皆様のご来園心よりお待ちしておりますね。
レッツスネーキング。

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