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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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目からウロコ

先日打ち合わせのため釧路に行ってまいりました。
行き先は釧路湿原野生生物保護センターと釧路市動物園。



まず保護センターにて斉藤獣医師と環境省の小野さんと打ち合わせ。
齊藤先生は世界的に活動しておられる猛禽類の研究者。
日本の猛禽類の権威とも言える方です。
オオワシ、シマフクロウなどの保護活動を積極的に行い、日本各地で講演活動も行っております。
非常に細かい多くの情報を提供していただき目からウロコの思いでございました。
お忙しい中丁寧な対応をしていただき非常に感謝しております。

そして釧路市動物園。
僕は全国あちこちの動物園に行っておりますが、最も感動を与えてくれるのはこの釧路市動物園でしてね。

希少な野生動物が多く暮らす釧路湿原のお膝元、釧路市動物園には多くの使命があります。
タンチョウ、シマフクロウの保護増殖事業、希少種クマタカの継続繁殖など、残した功績は本当に偉大です。
それらを地道に実践し、結果を残してきた職員や関係機関の方々に再び目からウロコの思いです。
「種の保存」と「環境教育」を確実に実践している動物園、それが釧路市動物園なのです。

それらの集大成が「北海道ゾーン」。


入り口にはエゾリス。北海道人にとって最も身近な哺乳類かもしれませんね。




もともとは非公開だったタンチョウの保護施設。
保護増殖のために非公開施設を持っている園って少ないですね。

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近くでも見れます。



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様々なサインが充実してます。
野生からのメッセージをいかに人々に伝えるか?
それが本来の目的であって、展示ってのはそれを達成するための手段の一つ。



ゾーン内の木道。
湿原の中を歩けるのです。
なんてすばらしい環境なのでしょうか。
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途中にはここに生息している動物たちのサイン。
これはコウモリね。


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そして巨大な池。
白鳥が優雅に闊歩。
多くの野鳥達が飛来しております。





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ここの象徴、シマフクロウ。
世界最大級のフクロウ。
僕には後光が射しているのが見えましたね。
こんなすばらしい鳥が日本にしかも北海道に生息しているのですよ。

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継続した繁殖にも成功しております。
今年産まれの幼鳥です。


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世界一素敵な猛禽、クマタカ。
野生では繁殖がうまくいっておらず、着実に個体数を減らしてます。
イヌワシ以上に良くない状況なんですよ。
ここ釧路では継続繁殖に成功。もちろん日本でここだけです。


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シマフクロウの巣内が覗けるモニター。
子育ての時期には貴重な映像が観察できます。


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保護活動についてのサイン。
これは環境省がシマフクロウの生息地に設置している巣箱。
シマフクロウの繁殖には大木が必要なんですね。
しかしそのような環境はすでに失われているんですよ、だからこれを変わりに設置しているんです。
いつか森が回復し、この巣箱を取りはずせる日が来ることを祈ります。

日本の動物園って産業と結びつきレジャー施設として発展してきたんです。
だからこのような地道な保護活動は紹介される機会も少なく、人々に知れ渡ることってなかなか難しい。
本当に残念なことです。

このような活動が動物園評価の基準となる時代がきっと来るでしょう。
そのとき初めて釧路市動物園のすばらしさが人々に伝わるのでしょうね。
あくまでも僕の主観ですが・・・・

ではまた。

目に毒です。

みなさんこんばんわ。
「長いヘビには巻かれろを」モットーに元気に生きております。

今宵は現在行われている特別展「円山昆虫研究所」をご紹介したいと思います。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/gyouji/2007july.html#science
今年はですね、ファーブル昆虫記が刊行されてちょうど100年目にあたるんですよ。
まあそんなこともありまして、この特別展が開催されたのです。
この特別展は民間企業と動物園で結成された実行委員会で主催しております。
小規模ではありますが、道内の各博物館などの協力もありまして楽しい特別展になっておりますよ。



実は札幌って日本の昆虫学発祥の地なんですよ、知ってました?
これはほんと市民の誇りですよ。


カブトムシ、クワガタとのふれあいブースです。
昆虫採集など否定される風潮もある現代ですが、命に直接触れる経験ってのは必要なことだと思いますね。
最近は虫好きのお子様が減ってきてますね、ほんと信じられない時代です。


地上最強の生物、クマムシブース。
クマムシで検索してみてください、きっとあなたもハマるはず。
我が動物園の山本獣医師が日々研究を重ね、やっと撮影に成功した貴重映像も公開しております。


今回この特別展において飼育員ブースってのを作ってもらいましてね。
飼育員が好きなことをやっていいよってブースです。
夏といえばやっぱ毒虫ですよね。
3年前に開催された伝説の特別展、「毒虫展」の再来です。
今回展示しているのは12種類。
種数は少ないですが、どれもこれもパンチの効いたクリーチャー達です。
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造形家飼育員田村さんが中心となって作成されたオブジェ。
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ではここから愛すべきクリーチャー達の一部を紹介したいと思います。
まずは毒虫業界きっての癒し系キャラ、放つ異臭は笑っちゃうくらい臭い「タンザニアオオヤスデ」
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いやーかなりきてますね。テッカテカっすよ。
でも毒はないのですよ、自然界での役割はミミズと同じ分解者。
無くてはならない存在です。キャベツとリンゴが大好き。

続いてはビロードをまとった黒い戦士「タイランドブラックタランチュラ」


かなり怒ってます。牙を向けてご機嫌斜めのようです。
しかしほんと美しいクモですよね。僕のお気に入りです。
タランチュラってのは見た目は怖いですが、実は毒は弱いのですよ。
噛まれても死ぬようなことはありません。
僕も高校生の頃一度噛まれたことがありますが、手が腫れて痛かっただけです。

続きましては妖艶なブルー、すばやい動きで扱いずらい「コバルトブルータランチュラ」
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これもまた美しいです。
先ほどのクモとは違いこちらは樹上性、展示ケースの上の方にひっついています。

こちらのクモは「ファイヤーレッグタランチュラ」
名前のとおり炎のような赤毛を身にまとったタランチュラです。
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非常に美しいクモなんですが、刺激すると足で腹部を擦って体毛を飛ばしてくるんです。
ほんと鬼太郎みたいな奴でしてね。
そしてその毛が皮膚に付くと痒くなっちゃうですよ。
皮膚が弱い人にはおすすめできません。

そして、飴玉みたいなこの方達、「ラオスオオダンゴムシ」
非常にキュートです。
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でかいダンゴムシでしょ?
まあほとんど土の中に潜っちゃってるんですけどたまに列を成して歩いてます。
その姿がなんだかとても素敵でしてね、ほんと愛しくなっちゃいますよ。

そしていよいよ真打の登場、極悪キャラ「タイオオムカデ」です。
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これ20cmあります、ものすごいでかいムカデです。
そして動きもめちゃくちゃ早い。ケージに移しかえる時は正直ちょっと怖かったです。

そして最後はこのお方、三葉虫と間違えないでね「マダガスカルオオゴキブリ」
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ほんとはお腹の画像を見せたかったのですが、失神者が出ても困るのでやめときました。
このゴキブリ、掴むと鳴くんですよ。「シーシー」ってね。
でも良くみるとゴキブリらしくなくそんなに不快感もないですよ。
もし部屋に出てきても、こんだけでかけりゃスリッパで叩く気も失せますね。

とりあえずここでは一部を紹介しました。
みなさんも「もっと見てみたい!」って気になったでしょ?
ぜひ「円山昆虫研究所」に来てくださいね。

でも実は毒虫って言いながらも、タランチュラとムカデ以外は無毒の生物達です。
「全然毒虫展になってないじゃないか!」と言う方もおります。
そして飼育員はこう答えるのです。
「いいえ、目に毒なのです」
では。

飼育員の立場から日本経済を斬る

こんばん。

僕はね、こう見えても日本の社会情勢には敏感な男なんです。
日本が現在どのような状況に置かれ、またどのような立場にいるのか?
政治、経済、UMA出現情報などを調査し世界的視点また客観的視点で見つめ冷静に分析するわけです。

僕は政治番組や討論番組なんかは必ず観てるし、若かったら「しゃべり場」にも応募しちゃってますよ。
当然新聞、雑誌もしかり、蕎麦屋に行けば「財界さっぽろ」なんかをちらりと開いたりね。
まあ日々情報収集には余念がないわけです。

そんな通な僕がね、とても気になってることがあるんです。
それは現在日本経済界を揺るがしている外資系ファンド、通称「ハゲタカファンド」。
僕は彼らの動向を注意深く観察してきたんです、来る日も来る日もね。
そして入念なリサーチの結果、僕が声を大にして世間に言いたいは事はただ一つ。
それは・・・


「だからハゲタカっていう鳥はいないの!いるのはハゲワシなの!」

巷でよく使われる「ハゲタカ」って言葉。でも実際ハゲタカって種類の鳥は存在しません。
ハゲワシってのは実在してますけどね。

そう、この社会情勢のどさくさにまぎれ間違った動物の知識が人々に刷り込まれてしまってるんですよ。
この場を借りて是非ともそれを正したいと思っております。

僕はテレビでキャスターがこの単語を発するたびに必ず大声で突っ込みを入れてるんです。
「おっと奴さん、それは違うぜ」ってね。
例え他人の家や空港での待合室や家電屋であってもです。
これは義務であり猛禽好きとしての使命でもあるのです。


いやーずっと溜まってたことが言えてすっきりしました。
初の文章のレイアウトアレンジをした甲斐もありました。

もーバッサリですよ。
飼育員の立場から日本経済界をバッサリ斬ってやりましたよ。


では皆様ごきげんよう。


これはハゲタカでもハゲワシでもなく、コンドル。
「1羽でもコンドル(混んどる)」

人生の師

こんばんわ。
昨日は何の日だったか知ってますよね?
そう、UFO記念日です。
1947年、アメリカで世界で初めてUFOが目撃された日です。
この歴史的記念日、皆さんも盛大に祝ったことでしょう。

ネイチャーやサイエンスより「月刊ムー」(俳句風に)










千石正一氏に続き、僕の人生の師でもある長坂拓也氏が昨日まで遊びにきておりました。
動物業界の巨匠達が相次いで来札、非常に慌しい日々でございました。



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長坂氏との出会いは13年前。
当時高校生だった僕は、飼育のことで頭がいっぱいの気持ち悪い少年でした。

当時、日本の爬虫類飼育レベルはまだまだ低く、試行錯誤の状態。
巷では間違った情報も多々流れ、激動の混乱期だったのです。

そんな中で僕が手にした書、そこには頭がスッキリするほどの真実が書かれていたのです。
その書の著者は長坂拓也氏。

いやー感激しましたねー。
すぐにこの人と話がしたい!
たまたま氏の職場が掲載されていましたのですぐに104で調べましたよ。
んで二分後には電話をかけていました。

氏は業務の合間にも関わらず、うさんくさい高校生の電話にも親切丁寧に対応してくれましてね。
2時間も。

それからは頻繁に連絡とるようになり、お互い様々な情報交換を行ってきました。
そして僕も高校を卒業し、動物園に無事就職。
氏もとても喜んでくれましてね。

動物園に就職してからは毎月氏の元(東京)へ通いましたよ。
そればかりではなく年2,3回の南西諸島へのフィールドワーク、各学会の参加など
いつも僕は氏と一緒に行動しておりました。

就職してからの6年間は給料のほとんどを飛行機代に使ってましからね。
でもこれも自分を磨くための月謝だと思って喜んで払っていましたよ。
金ってものはこういう使い方をするべきだと思ってましたからね。

付き合いの中で氏はいろんな方々を僕に紹介してくれました。
全国に散らばる凄腕飼育員や研究者の方達です。

おかげで僕の人脈も一気に広がりましてね、今では様々な分野を網羅しておりますよ。
何か困ったら電話一本でアドバイスもらえるので本当に感謝しております。

人生を変える出会いってありますよね。
僕は氏と出会ったことで一気に道が開けたのです。
僕にとってかけがえのないお方なのでございます。
ほんと幸せな男ですわ、僕って奴は。


まあそんなこんなで今夜はちょっと良い話をしてみました。









千石ウィークも無事終了

千石先生トークショーも無事に終了。
暑い中来園してくれた皆様ありがとうございました。




良い話でしたよね。
環境破壊、温暖化など押し付けることなく淡々と現実を語る。
「ハンバーガーを食うなとは言わない。
ただハンバーガーを一個食うことで、どういうことが起きているのかは知っとくべきである」
知ってるのと知らないのとでは大きな違いがあるってのがスタンスです。
命はみんなつながっているんですよね。

お家芸のダジャレも多数飛び出し僕も安心しました。
普段ならあの10倍くらいダジャレが飛び出します。
しかもわかりづらいものがほとんどです。

特に動物の学名をからめたダジャレなんて難しすぎてまったくわかりません。
何がおもしろいのかもわからない。

僕 「あのーわかりづらいんで、いちいち反応しなくてもいいですよね?」
千石先生 「おーいいぞ。俺のダジャレは癖なんだから、いちいち反応しなくてもいいんだ」


トークショー終了後は、近くの中華屋で食事。



素敵な一週間もここで終了。
千石先生、森垣さん、ありがとうございました。



森の中にて
おもむろに木の棒を拾う、そしてそれをツエのかわりに利用。
「これがツエー(強い)味方になるんだ」
伝説の男は誰にも止められない。

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