札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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行く年よ。

こんばんわ。
大晦日の夜、皆様いかがお過ごしですか?



飼育員はね、生き物が相手ですから盆も正月もないんですよ。
僕はいつもと変わらぬ平凡で非日常的な夜を過ごしております。
動物園は元旦から通常開園しておりますので参拝帰りにでも寄ってくださいね。

でもほんと鷹やらヘビやらいじってる間に今年も終わってしまうのですね。
このブログも更新頻度が少ないにも関わらずたくさんの方に見ていただけたようで大変感謝しております。
来年はもっともっとDeepな世界へとお誘いしますのでよろしくお願いしますね。

いやーでも今年もいろいろありましたよ。
スネークアート展の開催、トガリネズミとの出会い、スパイスガールズの再結成。
ほんと激動の年でしたね。

そして来年はさらに激動であってほしいと思っていますよ。
やっぱ人ってのは誰しも社会と関わって生きていかなくてはいけませんよね。
んでその社会の中で「何かしらの役割を担いたい」、「何者かでありたい」と願っているんじゃないかなあ。

僕もそうなんですよ。
んで僕なんてもんは動物という媒体がないと自分を見出せないですからね。
でもある意味楽です、やりたいことやるべきことが決まっているから脇目も振らずに進めばいいんです。
何かを懸命に長く続けてる人ってのは絶対に強いですよ。
いくら多才な加山雄三や男前の草刈正雄でも、そういう人間にはきっとかなわないですからね。
そんな精神と理念の基、来年も元気に過ごしていこうと思っております。
加山雄三なんかに負けるわけにいかないですから。

では今年最後のブログはタカサゴナメラ(Elaphe mandarina)でお別れです。


皆様、来年も円山動物園をよろしくお願いいたします。
素敵な年越しを。

クリスマスの思い出。

今年のクリスマスはですね、日頃の感謝の意味もこめて同僚達を誘いカモパーティーをやったんですよ。
鷹狩りで得たカモたちをこの日のためにとっておいたんですね。

いやーでもクリスマスと言えばいろいろな思い出がありますよ。
僕は小6までサンタさんを信じているような素敵な子だったんですね。
イブの夜はいつもサンタさんに手紙を書いて枕元の袋に入れて眠りについてました。
んで朝にちゃんと袋にプレゼントが入っているんですよ。
でもそれがいつも微妙でしてね。
とにかくお願いした物とはかけ離れた物が入っているんですよ。

例えばある年なんかは、手紙に「超合金のロボットをください」って書いたんですよ。
んで朝袋の中身を見ると、入っていたのは「額」ね。
賞状とか入れるあの「額」ですよ。
「額」ってのはね、世界中の子供達がクリスマスプレゼントとして最も望んでいない物の一つですよ。
額で笑顔を見せる子なんて世界中探したって見つかりませんって。
「なぜサンタは僕にこんなもんをよこすんだ・・・」
お願いした物とのギャップの激しさにショックを受けましてね、あの時ばかりは二度寝しましたよ。
頼むから夢であってほしいってね。
ほんと今思えばうちの親ってとってもクレイジーで素敵です。

まあそんなこんなで今回のカモパーティーの風景です。



まあイブってこともあって集まる人も限られており、予想通りの面子でございました。


足利さんはひたすらカモを食う。
胸にはエクトプラズムが写りこんでいます。


マミちゃんと獣医神谷さんはワインをガブガブ。


ルーツはこぼれ落ちるご馳走を期待し、ひたすら下で待機。
まあパーティーの雰囲気は得に盛り上がるわけでもなく淡々としておりました。


「メリークリスマス」
今宵はもう晦日。
ではでは。

信じる道を突き進む。

日付が変わってしまってので今日放送ですね。




北海道ひと物語 「信じる道を突き進む」
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/90
NHK総合午後8時からでございます。
裏番組をぶっとばせ。
20071221-02.JPG

初登場「淡雪」、ただいま出張中。



たぶんNG集はエンディングで流れると思います(ジャッキー・チェン風)

トガリネズミ。

ワイルドマウス展にて展示中のトガリネズミ達。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/2008eto.html
ここからネズミ達の画像をDLし放題です。じゃんじゃん使ってくださいね。


でもほんとこの動物は最高っすね。
僕はやっぱ見た目も内面も「尖がった野郎達」が好きですよ。

でも残念ながらまだ僕の手の中にはいませんね。
毎日の給餌、水換え、観察という、低レベルでの「作業」しか行えていないわけです。
ただ死なないように必死に維持をしているだけね。
残念ながら「飼育」という次元にすら達していないんですよ。
大切な借り物ですから、冒険するわけにもいかないですからね。

おかげでトウキョウトガリを太らせてしまいました・・・


いくら代謝が高く大量の餌が必要と言っても、安定した飼育下という環境では給餌量のコントロールをしないと肥満になってしまいます。
まあ他の種であれば食べすぎによってどうにかなるわけでもないんですが、トガリの場合は違います。
通常体重は2g程度、これが3gを超えるとすでに危険なんです。
餌が少なくてもやりすぎても死んでしまう・・・こわいっすね。
だらか1g範囲で体重を維持させないといけないわけなんですね。
環境温度、餌の質によっても給餌量はかわります。
まだそのへんの感覚がつかめないんですね。
良い状態のイメージすら頭の中で作れない。
なかなか奴さん、キュートな顔して手ごわいですよ、ほんと。

今の僕の状態は例えていうと「何もインストールされていないパソコン」って感じ。
とりあえず電源は入るし、起動はするけど何にもできないただの箱ね。
これまで様々な動物を管理してきた中で得てきたものもたくさんあるんだけど、この種には通用しない感じがするんだな・・・
インターネットも3Dアニメも表計算もワープロもできるけど、なんかまったく新しい作業に取り掛かる感じ。
今までのパソコンじゃ機能が不足してますよ。
トガリネズミ達を「飼育する」という次元に達するには、これから様々なソフトをインストールしていかなきゃいけないですね。
いや、燃えるわ・・・まじで。



姿を現したオオアシトガリネズミ。
身近でありながら謎だらけのトガリネズミ達。
最高です。

皆さん、彼ら同様僕らも尖がって生きていきましょうね。
ではグッナイ。

ドキュメンタリー。

いやー冬到来ですね。
冬はやっぱりさみーなー(あき竹城)





実はドキュメンタリー番組が製作されているんです。
NHK 「北海道ひと物語」
http://www.nhk.or.jp/sapporo/pg_guide.html
そう、僕の人生を描いた番組が作られているんです。
まあ時期が時期なもんで爬虫類色は薄く鷹匠としての活動が主なんですが。
んで昨日全ての撮影が終了したんですよ。
長かった・・・打ち合わせ期間も含めなんだかんだで一ヶ月くらいかかりましたからね。

僕はドキュメンタリー番組にはかなりうるさい方でしてね。
毎日ナショジオ、ディスカバリー、ヒストリー、アニマルプラネットなんかを観ながら暮らしてますから。
でも今まで数々の野生動物を題材としたドキュメンタリーを観てきたけど、心に残る物ってほんと少ない。
人間側の捻じ曲がった主観的視点の中だけで野生動物を映し出しちゃっているわけですよ。
そこには野生動物を理解する際に最も重要な客観的視点が欠如してしまっているわけです。

野生動物ってそのまんまの姿だけで感動できる存在なんです。
わざわざ「お涙ちょうだいストーリー」という不自然な囲いを作り、そこに強引に野生動物を入れちゃう必要はないわけです。
名画「モナリザ」のおでこに「こうした方が良いんじゃない?」って感じで「肉」って書き込んでしまうくらいありえないことだと思うんですよね。
そのまんまで十分感動できるし素敵なんです。

まあテレビ的にはそれでおもしろいのかもしれないですけどね。
でもそんなんで野生動物達の捻じ曲げられた姿が世間に広がるのはつらいものですよ。
テレビの持つ影響力ってものすごいものですからね。
誰に対しても刷り込み可能なわけですよ。

だから今回も最初は「鷹と人間の友情物語」みたいなものを作りたいのかなって思ったんですね。
そもそも鷹と人間には友情も信頼関係もないわけですから無理なんですよ。
人間のものさしなんかで単純に測ることのできない関係なんです。

でも違いましたね。
今回、発案企画したディレクターの大海さん。
自然番組専門に作っている方でしてね、でもこの方はすごかったですよ、ほんと。
僕よりも全然年下なんだけど、強烈に熱心でしつこくておもしろい人。
まあ僕もこの方の熱心さに惚れ込んでしまいましたよ。

最初は彼もなかなか僕の動物観が理解できなかったようなんですね。
でもそのまま番組を作ってしまったらそれは全部「うそ」になってしまうわけです。
だから自分自身が納得できるまでとことん突っ込んでくるんです。
二時間、三時間の話し合いは当たり前でしたからね。

前夜朝方まで仕事してても朝薄暗いうちに家にやってきて鷹の訓練に同行。
そして職場では爬虫類の世話を一緒にやって、再度打ち合わせ。
休日は一緒に鷹狩りへ出かけ、自ら勢子(獲物の追い出し)をやってくれる。
とにかく理解しようと必死なんですね。
ほんとこんな方に番組を作ってもらえるんならこちらも気合が入りますって。
とりあえずどんな感じで映し出されているのか楽しみですよ。

ま、僕が希望するようなストーリーはこんな感じかな。
越後のちりめん問屋になりすました僕が諸国漫遊しながら鷹狩りをするみたいな。
印籠を出すタイミングも難しいよなーここでどれだけの人に鳥肌を立たせられるかですよ。
んでラストはなぜか断崖絶壁ね。
ここで襲い掛かってくる犯人を間一髪で逮捕、見事事件解決ですよ。
そしてエンディングテーマはもちろん「聖母たちのララバイ」。
岩崎宏美の美声に乗せてエンディングロール。
ほんとゾクゾクしてきますよね。

ええ、僕はドキュメンタリーにはうるさい方なんです。

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