札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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たった一人の当事者。

いやーほんとびっくりしましたね。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200905240019.html
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=76832008

以下引用
インドネシアに生息するは虫類のコモドオオトカゲは獲物を攻撃する際、かみついた相手の傷にを注入していることが、オーストラリア・メルボルン大のチームの研究で明らかになった。

調査の結果、コモドオオトカゲの毒に感染した動物は急速に血圧が低下し、失血が進んでショック状態になり、戦うことができないほど衰弱してしまうことが判明した。毒の成分のうち、血圧を低下させる作用のある一部の化合物は、西オーストラリアに生息し世界で最も強力な毒を持つといわれているヘビ、“ナイリクタイパン”の毒にも劣らないほどの効力があった。

なるほど・・・そうでしたか・・・
ずいぶん突然のカミングアウトですね・・・
細菌って言ってたじゃないですか・・・


突然そんなこと言われたって、こっちも今さらジローって感じでね。
まあでもどうってことはないですよ。
今まで無毒と言われてた種でも「使われないだけで毒は持っている」ってことはよくある話。
まあコモドはバリバリ使っているみたいですけどね。

もし今回のニュースが「コモドには毒牙があって、大量の毒を注入します」っていうのだったらビビリます。
でもこの手の注入法ならそれほど怖くはないですよ。
ありかなしかで言ったら、50万歩譲って「あり」ですね。

たいしたことじゃないですよ。
自分の父親から「お前には黙ってたけど、実は父さんヅラだったんだよ」って告白された程度の衝撃ですね。
「うん、なんとなく怪しいのはわかってたよー」みたいなね。
この程度の事で今までの関係は変わらないってことですよ。
ただ♀のコニーはちょっとやんちゃだから注意しないといけませんね。



毎日欠かさず行っているダニのチェックの様子。
知らぬが仏。

あっでも皆さんは安心してくださいね。
この調査結果で影響は受けるのは僕だけですから。
ええ、当事者は日本で僕だけなんですよ。

己喰い。

桜も舞い散り、いよいよ初夏に突入って感じですね。
そんな中、我が家のフキは美しくガンガン伸びてきております。


ルーツも「両手にフキ」ですごくごきげんそうです。
フキノトウなんてすでに1mを楽に越えてますからね。
いよいよフキ見の季節が到来でございますよ。

ではとりあえずこの画像を見てください。


ヘビを食うヘビです。
まあ世の中にはヘビを餌としているヘビもたくさんいるんですよ。
代表的なのは、キングコブラ。こいつの主食はヘビです。
身近な種でも、シマヘビとかシロマダラなんてのもヘビを食べます。
ヘビがヘビを食っているとよく「共食い」なんて言われることがあるんですけど、そうではないんですね。
コブラがアオダイショウを食べても種類は違うんで共食いとはいえません。

20090512-02.JPG

んでこのヘビはシマヘビ。
たしかにヘビを食うヘビなんですが・・

20090512-03.JPG

ん?でもなんか変ですね。


20090512-04.JPG

己を喰らってます。

非常に稀な現象なんですが、このシマヘビは年に数回こういう奇怪な行為をやってしまうんですね。
見つけ次第すぐに引き抜いてやるんですが、このまま放っておいたらどうなってしまうのでしょうか?

理由はいろいろ考えられるんですよ。
まずこの個体は非常に老齢(15歳くらい)で目も見えてません。
なおかつ、非常に食欲旺盛で大食漢なんですね。
目が見えないもんだから、顔に触れてくるものはとりあえずなんでも噛み付いて食べようとするんですよ。

その辺から推測しますと、
「何かの拍子に顔に尾が触れました。そしたらなんかうまそうなんでそのまま食べちゃいました。」
そんな感じだと思いますね。

20090512-05.JPG

なんかね、すごくやるせないですよ。
お前は一体、給料何か月分の何リングなのよ。

ではごきげんな一日を。

とうとう来たぜ、Ilove you。

その日は急にやってきましてね。
いやーとうとうきちゃいましたよ、コモド♀の発情が。


♀のコニー。
4月に入った頃から急に行動が変わりましてね。
♂コナンとの間合いの取り方も以前とは違ってきたんですよ。
あーいよいよ♂を受け入れる態勢になったなと・・・ 僕は理解したわけです。
こうなったら彼らがよりセクシーな気分になれるよう、お膳立していく必要があります。

いつも一緒に暮らしているペアは、発情が来てもお互い無関心になりがちです。
求愛行動が観察されても高揚することなく終わってしまう、つまりマンネリね。
それを克服するには野生のように劇的で刺激的な出会いが必要なわけですよ。

では一緒に暮らしているペアに対し、毎日が刺激的な出会いになるよう演出するにはどうしたらいいのか?
様々な刺激を与えて、嗅覚を積極的に使わせることでお互いを再認識する機会を提供するのが効果的です。

飼育環境、又は個体に対し刺激を与えることで、意図的に一瞬の環境変化を提供するんです。
環境が変わると彼らは積極的に探索行動に入ります、舌をピロピロしながらね。
そうすることでお互いのニオイを再認識させることができるんですね。
刺激を与えたことで引き出された再認識は、一つの劇的な出会いになるわけなんですよ。
刺激を与えない再認識とは質が違うんですね。
4月に入ってからは毎日この手法で朝と夕の2回、求愛行動の誘起を実施しております。


刺激を与えると♂はすぐに♀に接近していきます。
んで体中のニオイを嗅いだり、爪で体を引掻いたりするんですね。
ちょっと前ならこの時点で♀は走って逃げておりました。



その後♂は後ろに回り込み、♀にマウントします。


そして交尾体勢。 Komodo mating        


でもね、大変なのはここからですよ。
この体勢に入ったら♂は後ろ足で♀の尾を激しく引掻くんですね。
♀の尾を上に上げさせて、自分の尾を下に入れなくちゃ交接できないんですよ。
交尾の成功には様々な困難が待ち受けているんです。

しかもやっと性成熟したばかりのペアですからね、とにかく経験不足。
やる気はあってもうまくできない・・・・
ほんと歯がゆい毎日を過ごしているわけですよ、僕は。

んでもって先日、もう♂のあまりのチェリーボーイっぷりに居ても立ってもいられなくなりましてね。
彼らの情事に介入したんですよ。
♀の尾を持ち上げて、交接しやすくしてあげたんですね。


♂はですね、待ってましたとばかりにすぐに尾を下に滑り込ませ♀の尾に巻きついたんですよ。


こんな感じ。
もうそれはそれは完璧な交尾体勢になりまして僕も心躍らせたわけですよ。
しかしその後、♂はなにやらモチャモチャしながら相変わらずのモタツキぶり。
「好きなら行っちゃえよ!」そんなアドバイスを飛ばしてはいたのですが、結局交尾は成立せず。
んーやはり一筋縄ではいかないもんですね。

でもね、とりあえずここまできましたよ。
是非ね、札幌市民の皆様にコモドベイビーを見てもらいたいです。
僕は心からそう思っておりますよ。
皆様、是非応援よろしくお願いいたします。

また、たまたまコモドの交尾を目撃した方などおりましたら、お手持ちのカメラで撮影していただけたら非常にありがたいです。
僕も一日中観察していたいのですが、そうもいきません。
見てない所でちゃっかりやられちゃうと困っちゃうんですね。
皆様、ご協力よろしくお願いします!

美しきエゾグリーン。

円山動物園が世界に誇る美しきアオダイショウ、エゾブルー。
20090222-00.JPG

やっと世に広まってきた感がありますね。
北は北千住から南は南千住までと、たしかな手ごたえを感じている今日この頃。

では今日は、もう一つ世界に誇る美しきアオダイショウを紹介しましょう。
現在は頓挫中の極秘プロジェクト「エゾグリーン計画」。
片割れが病気で亡くなってしまい、現在は1匹のみの管理。
20090222-01.JPG

ね?きれいでしょ?
この緑色、摘みたてのほうれん草だってここまでの色は出ませんよ。
20090222-02.JPG

この個体は3世代目の♂なんですけど、亡くなってしまった♀はほんとに奇跡の美しさでしたね。
興味のある方はお手元の、「山渓ハンディ図鑑 日本のカメ・ヘビ・トカゲ」を開いてみてください。
アオダイショウのページの真ん中に写っているのが、その個体。

まあ北海道にはこういう緑系のアオダイショウも多く生息していましてね。
この個体のルーツも、もともとは動物園内で保護された個体なんですよ。
またいつの日か、計画を再開させたいですね。

身近でありながら、理解されず嫌われがちなアオダイショウ。
先入観の払拭、魅力の再確認にはこれら美しきアオダイショウが果たす役割は大きいと思いますよ。

では皆様、素敵な休日を。







2月、恋の季節。

いやー札幌も大雪が降ったと思ったら今度は雨ですからね。
「雨に~」って感じでね、ほんと三善英二ですよ。

2月に入って爬虫類館もぞくぞくと行動変化が起こっているんですよ。
まあ前にも言ったとおり、爬虫類館の住人達は2月に求愛が来るようにお膳立てしているんですね。
最近みなさんも「いやー日が長くなってきたなー」って感じますよね?
そう、この「日長変化」を利用しているんですね。



ご存知アオダイショウ「エゾブルー」のペア。
展示場の温度は15~17℃程度で餌は3ヶ月間与えていないんですよ。
てゆーか代謝が低下してるもんで与えても食べませんね。
冬眠するほどではないけど、餌は食べれませんっていう状態。
こんな時期から♂は♀を求めはじめるわけです。
まあ昨年のパターンから言ってたぶん本格的に交尾するのは来月以降ですね。


美しい♂


美しい♀


そしてかわいい子供(昨年産まれ)
リカちゃんファミリーも真っ青の理想的な家族です。




こちらはバックヤードで管理中のチュウゴクワニトカゲ。
毎日のように交尾しておりますよ。
この種の求愛誘起には冬眠が必要とされてますが、別のやり方で誘起させています。
とりあえず体内リズムの再確立がうまくいったようです。
この種は胎生種、うまくいけば秋ごろに子ワニトカゲが産まれるかもしれませんね。




んでボアコンストリクターインペラトール。
こちらはちと予定外・・




もう産んじゃったのは恒例のカンボジアモエギハコガメね。
今年一回目の産卵。真ん中が白く濁ってますよね?これは有精卵の証です。
とりあえず交尾はさせてないので、体内で貯蔵していた昨年以前の精子を受精させたんですね。
今年はコモドが居るんで室内温度が高め、それが関係していつもより産卵が早まったようです。

んで肝心のコモドはと言うと・・・・


ええ、いたって順調です。

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