札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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危険なあいつとメロンネット

えー全国200万人の大蛇ファンの皆様こんばんは。

ビルマニシキヘビのアルビノ(突然変異による色素欠乏した個体)が脱皮しました。
脱皮直後のヘビは本当に妖艶で美しい。

ビルマニシキヘビ

アルビノ個体は視力が弱い個体が多いため、ノーマルに比べると神経質で敏感な面が多々あります。
例にもれず、この個体も神経質で攻撃的な面をもっております。

んで僕はこいつに頭を噛まれたことがるんです。
てゆーか獲物と間違えられて本気締められたことがあるんです。
いやーほんとにうかつでした。

掃除のため、ヘビの部屋に入った直後、背後から後頭部にガブリンコ。
ドアのすぐ上のでっぱりで休んでいたヘビ、僕は位置確認せずに入ってしまったんですね。
しかも運の悪いことに、僕は餌用のネズミを飼育している部屋から戻ってきた直後だったんですよ。

ヘビは非常に臭いに敏感な動物です。ヘビって舌をチロチロだしてますよね?
あれは臭いを嗅いでるんですよ。
空気中の粒子を舌にくっつけてそれを頭の中にある「臭いを分析する器官」に送り込んでるんです。
んでヘビって二枚舌ですよね?
あれは舌の表面積を広げてより多くの粒子をくっつけてやろうって魂胆なんです。
そんだけ臭いを頼りに生きてる動物なんですね。

だから体中ネズミの匂いをくっつけてきた僕は完全に「獲物」なんですわ。
単なる攻撃で噛んできたんなら大した事はありません、すぐに放しますしね。
しかし今回は獲物・・・・入った途端に本気でロックオン。

あっ噛まれたっと思った瞬間、太い胴体でグルグルギューッです。
ニシキヘビの武器は太い胴体、これで獲物の鼓動が完全に止まるまで締め付けるんです。
いやー奴さん本気でしたねー、確実に僕を絞め殺そうとしてましたから。

端から見ればほんと異様な風景ですよ。
展示場内で、痩せたおっさんが頭に白い大蛇を巻きつけて空虚な目でポツリと立ってるんですから。
ターバンを巻いてるかのごとく・・・・・

その時多くの来園者の方がその瞬間を見てたんですよ。
でもなぜか皆さんふつーに微笑ましい顔してるんですよね。
てゆーか噛まれたことに気付いてないんです。獲物を狩る奴さんの動きが早すぎて。
「あーちょっと心が病んでる飼育係がヘビとたわむれてるねー楽しそうだねーハハー」
ってな感じなんです。

「おっ!ばれてない!ラッキー!」
だって爬虫類の担当者がニシキヘビに食われかけてるんですよ?
こんな恥ずかしいことってないっすよ。

だから僕も「噛まれてなんかいませんよー」ってな調子でヘビをゆっくり頭から外したんです。
まあ牙は完全に食いこんでたんで少し時間はかかったんですけどね。
バレないよう、完全に死角になるよう立ち位置にも必死ですよ。
そのうちヘビも獲物じゃないことを認識して力をゆるめて大人しくなりました。

んですぐに展示場を出てお客さんたちのもとへ走りましたね。
ほんとに気付いてないのかの確認と「ただ遊んでただけなんですよー」って伝えに。

そしたらお客さん「いやーよく慣れててかわいいーヘビですねー」って。
おっほんとに気付いてない・・・・・
だから僕も気を良くして、ちょっとハイテンションでヘビについてガイドしてたんですね。
でも少したって皆さんザワザワしだしたんですよ。さっきまでの笑顔も消えてるし。

「ん?どしたの?」と僕。「いや、それ・・」ってお客さん。
指差す方向を見たらすごいことになってましたよ。
大量の流血。もちろん僕の頭から背中にかけて。

その時点で皆さん、全てを理解されたようです。
「あっこいつ噛まれてたんだ。ターバン巻いた陽気なインド人じゃないんだ」って。

もう恥ずかしくてなのか流血でなのかもわかんないくらい顔真っ赤ですよ。ほてりまくりっすよ。
その後事務所に下がって獣医さんに消毒していただきました。

そして被りましたよ、あのネットみたいなやつ。
メロンについてるような。

その晩は涙で枕ぬらしました。


では今夜はこのへんで・・・・・・

次回は「今度は巨大アナコンダに噛まれる」の巻きです。

では。

円山スネークアート展

まだまだ作品、ペット写真募集しております。
詳しくは円山動物園ホームページをご覧くださいませ。


本日は伝説のイベント「円スネ」宣伝のため、ラジオ出演してまいりました。
お相手は我が実行委員広報部長の野谷悦子さん。
フリーライターを生業とし、コメンテーターやパーソナリティとしてテレビやラジオでも活躍されています。
ほんと頼りになるお方です、ヘビも飼ってるし。
野谷さんに限らず、実行委員には愉快な人達が集まってくれてます。


このイベントの発信拠点であり、アート業界に精通、金魚大好きの「カフェエスキス」の中川夫妻。
染色家でヘビ好きのまいちゃん。
イラストレーターとして様々な活動をしてる、みっつこと山岸みつ子。
ウェブの魔術師、岩田くん。
動物園ボランティア、版画作家として活躍中の浅川さん(爬虫類館のアナコンダやワニの模型作成者)
白衣にぴっちり横分け、謎のパフォーマンス集団「近未来美術研究所」の梅津研究員。
んで全てを把握し指示する女、殿村ちゃん。
実行委員長の石山通り動物病院斉藤院長。


こんだけ有能なブレーンが協力してくれれば、鬼に金棒、タカサゴナメラにメトロニダゾールです。
僕はレーガン大統領のごとく振舞うだけで十分です。
皆様感謝しております。


んで本日は終了後、野谷さんと飯を食いました。
スープカレー?カリー?よくわかんないけど初めて食べました。
小洒落た食物を目の前にして固まっている僕に、野谷さんが食べ方を伝授してくれました。
いやー危うく伝説に残る恥ずかしい食べ方をするとこでしたわ・・あぶねーあぶねー。
お互い西表島フリークってことでジャングルに生息する「ヤシガニ」や巨大ヘビ「サキシマスジオ」
猛毒の「ハブクラゲ」などについて2時間ほど議論してきました。


んでその後は職場にて出展希望の方と打ち合わせ、CGアートの素敵な作品にちょっと興奮。
いろんなジャンルから作品がどんどん集まってきております。
おもしーアート展になりそうです。

ではまた。

アデュ。

しばしの別れ

僕んちの鷹。動物園ではなく家で飼ってる個体です。
フィンランドオオタカ(2005年イギリス生まれ、飼育下繁殖個体)の♂。
名前は柊。こいつに惚れてこの2年、共に狩りをしてきました。

フィンランドオオタカ 柊

本日、シーズンを無事に終え小屋へ入りました。
これから鷹の換羽(羽の生え変わり)が始まり、換羽が終わる秋までは鷹と接することもありません。
ただ餌をやるだけ。しばしの別れでございます。

餌は小屋の餌入れ口から投げ入れるだけで僕の姿すら見せません。
あとの世話といったら、2,3日に1回の水換えと月に1回程度の掃除だけ。
それも神経質な鷹を驚かせないように夜間に短時間で済ませちゃいます。

1年間で鷹と接する期間って長くても半年くらい。
鷹狩りをしても良い時期(猟期)は法律で決まっていて、北海道の場合10月1日から1月末まで。
それに合わせて鷹の訓練を開始するのは9月中旬くらいからです。


訓練が始まったら外の鷹小屋から、家の中の鷹部屋へと移動します。
そう、半年くらいは家の中で鷹と暮らしてるんですよ。
えーもちろん部屋の中は糞だらけで、香ばしい匂いが漂っています。

んで半月くらいかけて狩りができるようになるまで訓練し、
10月から獲物を求め鷹狩りへ行くというのが毎年のパターン。
まあ僕も仕事してますんで、狩りへ行くのは休日の2日間だけ。
あとは出勤前に訓練のみやってます。
こんな生活もすでに9年・・・・・素敵な人生です。

鷹小屋

うちの鷹小屋、今年も雪に埋もれてます。
あっあと、たまに近所の方達が散歩がてらに小屋の中を覗いてます。
目が合うと気まずそうにしてますが、遠慮なくどーぞ。


明日は円山スネークアート展の宣伝のためラジオ出演です。
三角山放送局へ行ってきます。
昼くらいから放送すると思うんで暇な方は聞いてみてください。
僕は滑舌が悪いらしいので歯切れの良いトークを心がけたいと思っております。

よく鼻唄を歌ってるだけなのに「はい?」って聞かれます。
別に話かけてねーよ。気分がいいから歌ってんだよ。

あっあと話しかけてんのに普通に通りすぎられることもしばしばです。これはまじで恥ずかしいです。
ちぇ、また独り言になってるよ・・・・と思いつつ、顔が少しほてります。

んじゃまた。

交尾のさせかた(カンボジアモエギハコガメ編)

3日前から湿度を下げカラカラにしとく


飼育ケージ内の物(水入れや隠れ家)を全部とりだす

♂のケージに♀を入れる

上からぬるま湯をたっぷりかけて湿度を上げる(カメにもかけてね)

10分待つ(覗いちゃダメよ)

んで・・・・・・・

カンボジアモエギハコガメ01

交尾成立

行為が終わったら(30分程度)再び♀を取り出し元のケージへもどす

最近♂の行動がもちょもちょしてきたため本日交尾を実施いたしました。
2月に入ると日長時間がのびますよね、爬虫類館は年中暖房しているんで、本来繁殖行動を引き出すために必要不可欠な「温度変化」を提供してやることができないんですよ。

だから、この日長変化を利用して発情のタイミングを調整しているんです。
2月に♂と♀の「やる気」が最高潮に達するように飼育管理を行なうのです。
彼らの行為がスムーズにいくよう事前にしっかりお膳立てをして、
最高のムードを演出してあげるのが飼育係の役割なんですよ。

他に2月に「やる気」を設定しているのは「ヨウスコウワニ」
動物園に来た際は観察してみてくださいね。
あと、かるーく展示場のガラスをドンって叩いてみてください。
きっとエキサイティングな光景を目の当たりにすることができますぜい。

カンボジアモエギハコガメ02

交尾を終えた♂
恍惚の表情・・・・・・・・

伝説のイベント開催します。

3月17〜31日まで「円山スネークアート展」が開催されます。
「ナゼ、多くの人は爬虫類・両生類を嫌うのだろうか?」をスローガンに
札幌に暮らすART集団が新たな視点で爬虫類・両生類の魅力を伝えるという伝説のイベントです。
聞いただけでおもしろそうな感じがするでしょ?

なぜこんなアート展をすることになったかと言うと、まあ僕は昔から爬虫類が好きだし飼育担当者として爬虫類への理解を深めてもらい彼らが愛すべき存在であることをアピールする使命があるわけです。
しかし動物園が発信する「理科チックなメッセージ」はなかなか世間には伝わらないんですよねー。

まあそのような状況の中でも来園者の方も含めいろんな人から爬虫類についての相談を受けることもあります。んでふと気付くと爬虫類に関心を示す人ってなぜが芸術家やロックンローラー(メタル系6・パンク系3・ロカビリー系1)の方達が多いことに気付いたんですね、本当にとっても素敵でウィットに富んだ方達が多いんですよ、まじで。
だったら彼らに新たな視点で爬虫類・両生類の魅力を伝えていただこうってのがきっかけなんです。

独特な感性を持ち合わせている表現者達は爬虫類の魅力を鋭く感じとることができます。
だから常々僕は「爬虫類を好きな人ってかっこいい奴らが多いんだぜ!」って世間に教えてあげたかったんですよ。んで爬虫類はキモくてイヤっていう感情が「何となくかっちょ悪くない?」みたいな風潮ができたらいいなーなんて思ったりもしてたんですね。
何よりも爬虫類・両生類が主役なのが素敵なんです。
爬虫類・両生類だから個性豊かな人達が集まるんですよ。
例えばこれが動物全体を対象にした「アニマルアート展」だったら?んー・・・・・・なんかつまんない。
やっぱ爬虫類だからパンチがきくんですよ、きっとね。
でも「猛禽アート展」はちょっとだけ楽しそう・・・・

あっタバコもあと残り3本、今夜はもう寝ますわ。

次回は愛すべき実行委員達についてお話します。

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