札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

ワニガメ。

先日保護されたワニガメ、昨日より展示開始しています。
この個体は三笠市の川で発見されたんですよ。
誰かが川へ放しちゃったんですね。




その威厳と風格はカメ業界でもトップクラスです。
誇り高き奇怪なカメでございます。

生息地はアメリカ合衆国南東部、池や沼なんかに生息してます。
ほぼ完全な水中生活者で産卵以外で陸に上がることは稀なようです。
この個体は甲長25cmと小さいですが、最大で80cm、体重も80kgを超えるようですね。
この容姿で甲長80cmって・・そりゃもう怪物ですよ。

食性は肉食傾向の強い雑食で生きた獲物を好みます。
狩りの方法は待ち伏せ方でその手法がとても特徴的。
水中で口をあけて、ピンクの突起をユラユラ動かして獲物をおびき寄せるんです。
んでミミズと勘違いした魚なんかが寄ってきて、そのままガブリ。
ルアーフィッシングをするカメなんですよ、ほんと容姿に似合わず器用なお方。



寿命は50年くらいって言われてるけど実際はわかりません。
まあカメは長寿な生物として知られているけど、実年齢がわかっている個体ってのは以外と少ないんです。
まあリクガメ類なら通常100年、大型のゾウガメになると200年くらいは生きますね。
でも僕はね、カメの中で最も長生きするのはこのワニガメじゃないかって思ってるんですよ。
ワニガメは大型でしかも代謝が低いんですね、そんなカメの寿命が50年ってことはないだろうって。
んで水中生活だから人目に付く事ってないと思うんですよ。
だからどっかの沼とかに300年くらい生きている「主」みたいな個体がいるんじゃないかって。
まあ科学的根拠はないんですけどね。でもあながち間違ってはいないと思いますよ。

ワニガメは特に珍しいって種ではありません。以前は普通に売られていましたしね。
でも現在は、動物愛護法で特定動物に指定されていて飼育するには許可が必要です。
まあ危険な動物なので許可なく飼育してはダメですよって。

まあたしかに顎の力は殺人的で、噛まれれば大怪我しますね。
でもワニガメに限らずどんな動物も扱い方を間違えれば危険ですよ。
ワニガメにはワニガメの接し方があって、ちゃんと扱えば何ら問題はありません。
よく比較されるカミツキガメよりも全然おとなしいですしね。
なんでもかんでも危険だーって騒ぎ立てる風潮ってのは良くないですよ。
それで被害を受けるのは動物たちですからね。

以前は普通に売られていたわけですから、法の制定前から飼育されている個体もたくさんいます。
そういう個体に関しても新たに申請して許可を得る必要があるんですね。
んでその許可を得るには手間もお金もかかるわけですよ。
それをめんどくさがって飼育を放棄しちゃう飼い主が後を絶たないんです。
安易に川へ放しちゃうって行為が各地で行われているわけなんです。
この個体もその犠牲者の一人ですね。

ワニガメは日本の気候に適応できます。
まあ繁殖までいかなかったとしても生きていくことは可能です。
こんな状況が続けばそのうち帰化することも考えられますよね。
ほんと深刻な問題なんですよ。

これはもう飼い主のモラルの問題ですからね。
魅力的な種なんですから、きちんと許可をとって堂々と飼育しましょうよ。
こんなことでこんな素敵なカメのイメージが悪くなってしまうのはとても悲しいことですから。

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