札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

ザリガニフォーラム。

こんばんわ。
環境省主催による「洞爺湖ザリガニフォーラム」に参加してまいりました。



今年サミットが開催されるこの洞爺の地に、ザリガニ界のG8が終結。
たくさんの報道陣も集まり、盛大に開催されました。

会議の主たる議題は「外来生物ウチダザリガニの現状と対策」
このウチダザリガニ、もともとは北米原産です。


1930年に食用として北海道に持ち込まれ、その後各地に広がってしまったんですね。

まあ何が厄介かって、このウチザリさん。
適応能力も高く、繁殖力も旺盛、また在来種であるニホンザリガニも食ってしまうってことで大変なんです。
直接的、または間接的に生態系に及ぼす影響が大きいと判断されています。

地元の方の話によると以前は洞爺湖にもニホンザリガニが多く生息していたそうです。
しかし近年はほんと一匹も見つからない。
あれだけいたニホンザリガニが一匹もいないってことに強い危機感を持ったそうです。
まあ、ウチダザリガニだけの影響ではないかもしれませんが、一要因としては十分考えられますね。
彼らにとってニホンザリガニは最高の食料ですから。

この会議では道内各地で行われているウチダザリガニの調査や捕獲状況などが発表されました。
結果、全道的に爆発的に増加しており、すでに完全駆除は不可能なようです。
然別湖においても在来のニホンザリガニが姿を消したそうです。

酪農学園大学の吉田准教授によると、最も外来生物対策が進んでいる国はニュージーランド。
たしかにキーウィやムカシトカゲといったメガトン級の希少種が生息してますからね。
そのデーターによると、外来生物は定着してある期間までは一定数を維持、十年程度で爆発的に増加していくそうです。
この時期になるともう駆除は不可能なようで、早めに対処する必要があるんですね。

でも残念ながら北海道では時すでに遅し。
今後は伝播しないよう、しっかりとした情報発信と対策が必要なんですね。

円山動物園でもニホンザリガニの保全計画が実施されます。
今回のフォーラムではこの計画について発表してきたんですよ。
彼らの保全にあたり、同時にこの外来種についてもしっかりとしたメッセージを発信していかなくてはなりませんね。

まあでもこのウチダザリガニ、持ち込んだのは人間です。彼らに罪はないんですよ。
でもやはり最も大切なのはもともとの生態系。
この生態系を保全していくには駆除していかなくてはならないんですね。
目の前の状況を冷静に捉え客観的に判断していかなくてはなりません。
様々な利用方法も考えられていますが、最善な策はまだ見つかっていないのが現状です。

また国内に伝播しているたくさんの外来生物達。
彼らに対しての調査研究がもっと必要であることが説明されてました。
まあたしかに、例えば全国に帰化している「ミドリガメ」や「アメリカザリガニ」。
では実際彼らが生態系にどのような影響を与えているのかは推測の域を出ていません。
彼らにもっと関心を持ち、科学のメスを入れていくことで最良の対策案が生まれるかもしれませんね。


当日朝、捕獲されたウチダさん。


冬でも平気で抱卵中。

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