札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

「一発屋」と呼ばないで。

こんばんわ、大事マンブラザーズバンドのボーカルです。
20080507-03.jpg

先日ブログに載せたヨウスコウワニ(Alligator sinensis)の写真。
いやー大反響でしたね、日本中の爬虫類マニア達から。
「ほんとに妊娠してるのか?」とか「またどうせダメなんだろ?」とかね。
まあヨウスコウワニってのはそれぐらい人々を魅了してやまない存在なわけなんですよ。

とにかくこのワニ、生態が非常に特殊でして飼育下での繁殖が難しいんですよ。
一番の特徴は「冬眠する」ってこと。
温帯域に生息してる種だから、冬は地中深く穴を掘って冬眠するんですね。
んで繁殖させるためにはこの「冬眠」を経験させることが必要条件とされています。
繁殖に成功している中国やアメリカは屋外飼育をすることでこの条件をクリアしてるんですね。
だから日本やヨーロッパの屋内飼育環境では全く結果が出ていなかったわけです。

がしかし、その「冬眠必要説」を覆し、屋内施設で冬眠させずに繁殖に成功させた動物園があるんです。
そう、我が円山動物園でございます、2001年に繁殖に成功してるんです。
理論と実際を基に計画的に行った繁殖、全てがイメージ通り進んだんですね。
これほどうれしいことはなかったな。

でもね、残念なことにその後はうまくいってなくてね、毎年交尾まではいくんだけど産卵しないんです。
一回きりの繁殖なんて意味がないわけですよ、偶然かもしれませんしね。
もうね、業界からは一発屋扱いですよ、ほんと大事マン扱いですからね。
この辛い状況を脱却するには継続した繁殖実績を残さんといけないわけですよ。


まあそんな訳で前フリは完璧ってことで・・・・


はい、産みました。
5月4日未明。産卵数は少なく9卵、どうりで♀の食欲が落ちなかったわけです。
交尾は例年通り2月中旬から3月上旬にかけて行われてましてね。
妊娠を確信したのは4月13日、僕が飼育場に入るときに♀が一瞬神経質な素振りを見せたんです。
これは前回の繁殖時にも見せた行動だから確信しましたよ、「お前、できたのね」って。



これは産卵数日前に作られた産卵塚、高さは40cmくらい。
材料は腐葉土、落ち葉、スダレの破片、ゴミ少量。




卵は掘り出して、人工孵化させます。
しかし残念ながら9卵中、有精卵は1卵のみ。
後の8卵は無精卵・・・つまり孵化しない卵でございます。



1つだけの有精卵、白い帯が入ってるのがわかりますよね?発生が順調に進んでいる証拠です。
何があってもこの卵だけは守らないといけませんよ、まじで。保険はなしですからね。


孵化するまでの日数は約70日。
僕はその日を心待ちにしておりますよ。
一日千秋の思いでね。

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