札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

とうとう来たぜ、Ilove you。

その日は急にやってきましてね。
いやーとうとうきちゃいましたよ、コモド♀の発情が。


♀のコニー。
4月に入った頃から急に行動が変わりましてね。
♂コナンとの間合いの取り方も以前とは違ってきたんですよ。
あーいよいよ♂を受け入れる態勢になったなと・・・ 僕は理解したわけです。
こうなったら彼らがよりセクシーな気分になれるよう、お膳立していく必要があります。

いつも一緒に暮らしているペアは、発情が来てもお互い無関心になりがちです。
求愛行動が観察されても高揚することなく終わってしまう、つまりマンネリね。
それを克服するには野生のように劇的で刺激的な出会いが必要なわけですよ。

では一緒に暮らしているペアに対し、毎日が刺激的な出会いになるよう演出するにはどうしたらいいのか?
様々な刺激を与えて、嗅覚を積極的に使わせることでお互いを再認識する機会を提供するのが効果的です。

飼育環境、又は個体に対し刺激を与えることで、意図的に一瞬の環境変化を提供するんです。
環境が変わると彼らは積極的に探索行動に入ります、舌をピロピロしながらね。
そうすることでお互いのニオイを再認識させることができるんですね。
刺激を与えたことで引き出された再認識は、一つの劇的な出会いになるわけなんですよ。
刺激を与えない再認識とは質が違うんですね。
4月に入ってからは毎日この手法で朝と夕の2回、求愛行動の誘起を実施しております。


刺激を与えると♂はすぐに♀に接近していきます。
んで体中のニオイを嗅いだり、爪で体を引掻いたりするんですね。
ちょっと前ならこの時点で♀は走って逃げておりました。



その後♂は後ろに回り込み、♀にマウントします。


そして交尾体勢。 Komodo mating        


でもね、大変なのはここからですよ。
この体勢に入ったら♂は後ろ足で♀の尾を激しく引掻くんですね。
♀の尾を上に上げさせて、自分の尾を下に入れなくちゃ交接できないんですよ。
交尾の成功には様々な困難が待ち受けているんです。

しかもやっと性成熟したばかりのペアですからね、とにかく経験不足。
やる気はあってもうまくできない・・・・
ほんと歯がゆい毎日を過ごしているわけですよ、僕は。

んでもって先日、もう♂のあまりのチェリーボーイっぷりに居ても立ってもいられなくなりましてね。
彼らの情事に介入したんですよ。
♀の尾を持ち上げて、交接しやすくしてあげたんですね。


♂はですね、待ってましたとばかりにすぐに尾を下に滑り込ませ♀の尾に巻きついたんですよ。


こんな感じ。
もうそれはそれは完璧な交尾体勢になりまして僕も心躍らせたわけですよ。
しかしその後、♂はなにやらモチャモチャしながら相変わらずのモタツキぶり。
「好きなら行っちゃえよ!」そんなアドバイスを飛ばしてはいたのですが、結局交尾は成立せず。
んーやはり一筋縄ではいかないもんですね。

でもね、とりあえずここまできましたよ。
是非ね、札幌市民の皆様にコモドベイビーを見てもらいたいです。
僕は心からそう思っておりますよ。
皆様、是非応援よろしくお願いいたします。

また、たまたまコモドの交尾を目撃した方などおりましたら、お手持ちのカメラで撮影していただけたら非常にありがたいです。
僕も一日中観察していたいのですが、そうもいきません。
見てない所でちゃっかりやられちゃうと困っちゃうんですね。
皆様、ご協力よろしくお願いします!

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