札幌100マイル

RSS 爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

メカニック兼ドライバーであれ。

久々に猛禽類のフリーフライトについて綴りたいと思います。
ていうものですね、僕はここ1年以上フリーフライトには関わっていなかったわけですよ。
吉田飼育員、足利飼育員、鈴木マミ飼育員にほぼ任せっきりです。
この鷹匠の技術ってのはですね、今後動物園で実施していく猛禽類の保護事業には不可欠なものでしてね。
先を見据えるとこの技術を持つ人がどうしても複数必要なわけですよ。
僕だけがこの技術を持っていても意味がないんですね。
人材育成ってのを真剣に考えなくてはならない時期にきていたわけです。

でもね、僕が関わっていたら他の人は育たないんですね。
どうしても頼ってしまいますし、大事な部分は僕がやってしまいますから。
これではね、他のメンバーはいつまでもたっても鳥の事を理解できないし、技術も習得できない。
それぞれが当事者意識責任を持って鳥と接し、何かあっても自分で学び、考えて対応していく事が大切なんですね。
そういう経験を継続していくことで、鳥の本質を知ることに繋がるんですよ。
そのことを認識してもらうには、僕の存在は邪魔だったってわけです。

調教された鳥を操るだけなら、経験を重ねれば到達できます。
車の運転と一緒で、完成された車を運転するだけならそれほど困難ではないんですね。
でもね、それじゃあ何かトラブルがあっても表面的な事、目に見えることしかわからないんですよ。
僕も車の運転はできるけど、車の仕組みは全くわかってません。
車の調子がおかしくなっても、ワイパーが冬用だなーくらいしか判断できないわけです。
でもね、車の内部構造や仕組みを理解していれば僅かな情報からでも原因を特定し対処することができるわけですよ。
これと一緒で鳥を知るためには作れて(調教できて)、操れる必要があるんですね。
メカニック兼ドライバーでなくてはならないわけなんです。
メカニック的視点が養われていれば、鳥の様子を見て状態を判断することができるんですよ。
異変を察知したり、いつもとは違う違和感を感じ取れたりね。
これによってトラブルを事前に回避したり、なにかあっても対応ができるわけなんです。

何もね、高いレベルのことを求めているわけではないんですね。
僕だってまだまだ未熟だし、勉強中なんですから。
でもね、僕らが今後扱っていくのは貴重な野生猛禽類なんですよ。
種類も様々、個体も様々だからセオリー通りに進むわけがない。
鷹匠の技術を利用するってのは鳥を手に乗せて、飛ばすことではないんですよ。
大切なのは鳥の肉体面と精神面、それに影響を与える様々な要因を判断できる視点なんですね。
研究者的視点でもなく、保護活動家的視点でもなく、飼育員的視点でもなくて鷹匠の視点。
これだけは事前に養ってもらいたかったわけなんですよ。
この基盤がある程度できていれば柔軟な対応ができるようになりますからね。


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最も上達した鈴木マミ。残念ながら3月で任期満了のため退職。
人材を失うのはとても残念です。


トラブルがあっても自ら対処し、克服している吉田飼育員。
20090415-02.jpg

そして川崎マヨ。

四月からは新メンバー2名も加わり、フリーフライトも新体制で行っております。
皆様なにとぞよろしくお願いいたします。

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