札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

悲しき、美しきホウシャガメ。

ホウシャガメ4頭の展示を開始しました。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-214.html
横浜市野毛山動物園からやってきた3頭と円山のバックヤードにて飼育していた1頭です。


この放射柄、ほんとうに美しいカメですよね。
ホウシャガメはマダガスカルに生息するリクガメで、絶滅に瀕した貴重な種です。
欧米の動物園では以前から飼育下繁殖が進められておりまして、成果を挙げております。
日本では野毛山動物園が成功しましたね。

でもね、ほんと素晴らしいカメなんだけど、僕ら業界の人間にとっては複雑な気分にさせられるカメなんですよ。
ホウシャガメはサイテス(ワシントン条約)Ⅰ類という最も厳しいレベルで国際取引が規制されてるんですね。
本来であれば輸入できる種ではないんだけど、日本では密輸が絶えないんですよ。
この個体も密輸されて動物園に保護されてきた個体達なんですね。
残念なんだけどそんな背景があって、どうしてもダークなイメージが付きまとう。
インドホシガメとこのホウシャガメが二大巨頭ですね。


唯一の救いは、非常に丈夫で扱いやすいということですね。
餌食いも良好、ハイビスカスの花と野草をバリバリ食べております。
今後は円山動物園においても飼育下繁殖を進めていく予定です。

リクガメ全般に言えることだけど、このホウシャガメもすごく長生きするんですよ。
英国の探検家キャプテン・クックがこのホウシャガメを連れ帰り、トンガ王国王妃に献上したんですね。
それが1777年、そのカメは「トゥイ・マリラ」と名付けられ大切に育てられたんですよ。
んでそのカメが死んだのは1965年、つい最近ですよ。実に188年も生きていたことになります。
泉重千代さんを余裕で越してますからね、見事でございますよ。
ちなみに泉重千代さんは徳之島出身の世界長寿記録の持ち主です。
114歳のときに「好きな女性のタイプは?」と聞かれ、「やっぱり年上かのう・・」と答えた伝説の人です。

それでは皆様、この神々しさすら感じるホウシャガメたちをじっくり観察してくださいね。
そしていよいよ明日からヨウスコウワニ16つ仔の展示開始です。


ワニムーブメントよ巻き起これ。
僕のささやかなる願いでございます。

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