札幌100マイル

RSS 爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

シミュレーション。

先日、アメリカの某世界的ドキュメンタリーチャンネルで「宇宙人が襲来してきたらどうするか」みたいなシミュレーション番組をやってたんですよ。






宇宙人が地球に攻めてきたことを想定して、様々な専門家がそれぞれの立場で真剣に対策を講じているんですね。

まあ国自体が豊かだって事もあるんだけど、それでもこんなどうでもいい内容を真剣に議論し、素敵な番組を作ってしまえる環境ってのがほんと素晴らしいなと思いました。やっぱこの国は強いなって。

実は僕もゾンビハザードが起きても良いように日頃から結構真剣にシミュレーションをしてるんですよ。まずはホームセンターに行って武器を集め、そして向かいのスーパーにたてこもって時を待つ、というシナリオです。

でもそれを知人や同僚や通りすがりの人に話しても大抵は「あ、そうっ」とか「それって何か意味があるの?」って言われるんですね。
誰も「それはおもいしろいですね」とか「危機管理能力が抜群ですね」とは言ってくれない。

で僕はいつも思うんですよ、この「何の意味があるの?」ていう思考が良くないなって。日本の野生動物系学問分野が発展していかない理由はまさにこの思考にあるなと論理を飛躍させてしまうわけです。

結局日本社会は、産業と結びつかない(金にならない)学問には予算が回ってこない、学校で学んでも「仕事として」生かせる場が少ない。野生動物系分野はまさにそうです。そんな地味なイモリを保全してどうするの?そんなトカゲを分類してどうするの?そんなヘビの生態を調べて何の意味があるの?ってな具合にね。もう夢も希望もない、それを言っちゃおしめーよっていう楔を打ち付けられるわけです。

だからですね、この番組のように”どうでもいいバカバカしいこと”と思われることにエネルギーを集約できる、予算と人材を集める事ができるというお国柄は絶対に強いと思うんですね。それが野生動物系も含め様々な学問がこの国で発展しているという要因の一部なんだろうなと。
そんなことを何となく考えている今日この頃でございます。


コメントをどうぞ

メールアドレス (必須・公開されません)
コメント本文

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

  • スパム・迷惑コメント投稿防止のため、メールアドレスの入力が必須ですが、公開はされません。何卒ご協力のほどお願いいたします。
  • 投稿いただいたコメントは管理者のチェック後掲載しておりますので、即時には反映されません。
pageTop