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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2016年03月 の投稿一覧

エゾサンショウウオ産卵第二弾。

春めいてきたため北海道産ヘビ類ゾーンも覚醒モードへと切り替えました。

これで冬眠展示も終了です。

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エゾサンショウウオ展示場内のシダも芽吹きが始まってます。

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そして今シーズン2回目の産卵が正常な時期に始まりました。

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卵に絡みつき団子状になって放精喰らわすオス個体たち。

この時期のオスたちは繁殖期特有の体型に変化しています。

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尾がひれ状に幅広くなることで、より水中で動きやすくなるわけです。

飼育下だからこそ、躍動感溢れる野生のシーンを側面からじっくりと満喫できます。

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放精終了後の卵嚢、最初はこんなに小さいんですよ。

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これから水を吸ってどんどん大きくなります。

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この貴重なシーンに偶然巡り会えた方々、本当にラッキーでした。

今後はこの卵嚢の成長をリアルタイムに観察できますので、ぜひマメに足を運んでくださいね。

エゾサンショウウオの孵化。

エゾサンショウウオの展示場。

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今シーズンの産卵は1月という異例の早さだったのですが、

厳冬期を無事に乗り切り2ヶ月以上かかって孵化が始まりました。

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やはりエゾという名のつく動物が繁殖するとものすごく嬉しい。

エゾの飼育員として、エゾと名のつく動物には責任を持ちたいと常日頃から勝手に思っているのです。

ちなみに北海道に生息する爬虫、両生類で北海道固有種はエゾサンショウウオとエゾアカガエル。

だからこの2種については継続した繁殖と累代飼育を視野に入れ、日々頭の中でエネルギーを注いでいます。

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この成果は動物園業界にとっては、とても地味で小さな一歩かもしれませんが、

北海道の動物園そして地元の動物を心から愛する有志にとっては大きな一歩なのです。(アームストロング風)

 

ワニの清掃。

マレーガビアル舎のプール清掃。

水洗い作業は上から行います。

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ホースを駆使し、ワニの「糞」を中心まで誘導し排水口に落とすのがアタクシの任務。

この作業、非常にゴルフ的なのです。

ホースをクラブ、糞をボールに見立て、排水口にカップインさせるスポーツ。

僕はこれを「ゴル糞」と呼び、日々紳士的な態度で挑んでおります。

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たかだか数個の糞に対して無駄な水道代はかけてられません。

基本バーディー狙いで、最短で作業を終えられるよう心がけています。

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しかしこれがはなかなか難しい。

水を当てても糞はなかなか思うような方向へは動いてくれません。

四方壁に囲まれた施設ですから、壁に当たった水が様々な方向へと流れ複雑な水流が起きているのです。

ベテランキャディさんもこの流れを読み切るのは無理でしょう。

たまに奇跡的にジェット水流が起こり、一気に排水口に吸い込まれていく事もありますが極めて稀です。

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せっかくカップ側まで寄せても、糞はそこでピタッと止まってしまいます。

そうこうしているうちにポロロッカのように水が逆流してきて、あらぬ方向へと押し流してしまうのです。

四十路の男が一個の糞に翻弄されています。

いつも冷静な僕もこの時ばかりは「もー!」と叫びながら作業しています。

そして観覧通路では来園者の皆様もこの光景に興味深々、糞の行方をじっと見守っています。

ギャラリーが注目する中、プレッシャーを感じながらの糞流し。

僕も期待に応えるべく、糞の形状、水を当てる角度、水流を読みながら作業を進めます。

そしてやっとのことでカップイン。

ギャラリーの方々の顔はニヤっとゆるみ、同時に拍手が沸き起こるのです。

この時の僕たちの一体感といったら、言葉では伝えきれません。

まさに飼育係冥利につきるってやつですね。

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あ、ちなみに僕自身ゴルフの経験は一度もありません。

では。

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