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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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2016年09月 の投稿一覧

アルマジロトカゲの出産。

 

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ゾウガメのうめちゃんに花や果物、小銭を手向けてくださった方々、ありがとうございます。

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あ、でも小銭はちょっと困りますのでどうかお控えくださいませ。

 

悲しい出来事もありましたが、ものすごく嬉しいこともありました。

アルマジロトカゲの出産です。

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円山動物園では4匹2ペアのアルマジロトカゲが暮らしておりまして、そのうちバックヤードで管理しているペアから1頭が誕生。

アルマジロトカゲは子供を直接出産する胎生種です。

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円山動物園ではアルマジロトカゲとって必要な季節性を人為的に提供し、彼らが本来持ち合わせているであろう概年リズムを組み立てて繁殖を促しています。

しかし、野生下では集団を作って生活している社会的なアルマジロトカゲに関しては、こういった環境要因よりもペアの相性や一緒に暮している個体間との関係といった社会的環境の方が明らかに繁殖に及ぼす影響が大きいと感じています。

ほんとものすごく特異な習性を持つトカゲなんです。

ある意味非常に難しいとも言えますが、逆にペアの相性が抜群に良いなど社会的環境が整ってしまえば苦労することなく継続的に子孫を残してくれる種とも言えるかもしれません。

この貴重なトカゲで今後も継続して繁殖できるよう、環境を整えていかなくてはなりませんね。

あーすごく嬉しい。

 

 

 

訃報、ゾウガメのうめちゃん。

アルダブラゾウガメのうめちゃんが死んでしまいました。

https://www.city.sapporo.jp/zoo/zougamefuhou.html

zougame

直接的な接触の少ない爬虫類の中でも、このゾウガメのうめちゃんときくちゃんとだけは、積極的にコミニュケーションをとり、他種とは違ってちょっだけ哺乳類的な感覚で日々接しておりました。

とても無念です。

食欲もあり一見それほど問題ないような状態であったのですが、すでに病魔は体を蝕んでおり体調は一気に悪化。

解剖の際は、胃にはまだ未消化の大量の草、腸には健康的な排泄物も確認できましたが、腎臓が全く機能していないひどい状態で、最終的には消化器官全ての機能も失っていたであろうとのことでした。

最後はさぞ苦しかったと思います。

 

うめちゃんはアメリカの飼育下繁殖個体で、平成5年生まれと聞いています。

とにかく飼育下で育ったとは思えない、美しいゾウガメでした。

通常飼育下で育ったゾウガメは様々な要因により甲羅が歪になり、野生個体のように健康的なプロポーション育つ事は非常に困難です。

うめちゃんは素晴らしい飼育者によって育てられたのは間違いありません。

しかし本来なら100年以上は生きる動物、残念でなりません。

直接的な原因ははっきりわかりませんが、再度様々な環境要因を再考し、同環境で暮らすきくちゃんが同じことにならぬよう、注意深く管理していかなくてはなりません。

うめちゃん、これまでありがとう!

 

 

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