札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『爬虫類館』カテゴリーの投稿一覧

パパイヤと共に。

あ、今さらではございますが、皆様あけましておめでとうございます。
本年も暖かくそして粋な態度で見守っていただけることを願っております。

ほんと今さらではございますが、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?
クリスマスを祝い、寺で除夜の鐘を聞き、そして神社で初詣。
年末年始は数日間の間に様々な神様と接する機会でもあります。
こんな特殊な状況を一歩引きながら見つめて過ごすのもなかなかいとをかしでございますよ。

そんな中爬虫類館のヘビ達は冷蔵庫の中で完全に冬眠に入っております。


白菜やパパイヤたちと共に静かに眠っております。


温度は7~8℃、ベストな温度です。



ケージには保湿と光を遮断するため黒いビニール袋をかけてるんですよ。




ケージ内は通常と同じレイアウトでございます。

これで4月くらいまでじっくりと寝かせて、その後交尾へと移行させていく予定です。
繁殖を目的とした管理の場合やはり冬眠が必要となるんですね。
冬眠させなくても繁殖はできるのですが、ちょっと厄介な面もあります。
冬眠させちゃうのが最も簡単で、最も確実というわけなんです。

ヨウスコウワニ16+1。

全国1500万人のヨウスコウワニファンの皆様こんばんは。
本日よりヨウスコウワニベイベー達の展示を開始いたしまいた。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-218.html


二つのマスをぶち抜いた広々としたスペース
緑が茂るさわやかな空間
(劇的ビフォーアフター・ナレーション風)

昨年産まれの子と一緒に計17匹の大所帯で展示開始です。
よくお客さんから「昨年のヨウスコウの赤ちゃん全然大きくなってませんよね?」といわれます。
んなこたーないっすよ。比較すると一目瞭然でしょ?


僕だって飼育員のはしくれなんですから、ちゃんとお世話してるのですよ。
ヨウスコウワニって成長が遅いんですよ、最大サイズになるまでには10年くらいかかります。



仔ワニ達は思い思いの時間を心地良く過ごしておりますよ。
餌のコオロギに飛びつくやんちゃ者、環境変化に驚きセミのように壁に張り付く者、個性もいろいろです。


展示開始にあたり、「ヨウスコウワニの給餌&ガイド」も行う予定でございます。
クールでパッション、陽気でキュートなワニ達が待っております。
皆様、ご近所お誘いあわせの上お越しくださいませ。

悲しき、美しきホウシャガメ。

ホウシャガメ4頭の展示を開始しました。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-214.html
横浜市野毛山動物園からやってきた3頭と円山のバックヤードにて飼育していた1頭です。


この放射柄、ほんとうに美しいカメですよね。
ホウシャガメはマダガスカルに生息するリクガメで、絶滅に瀕した貴重な種です。
欧米の動物園では以前から飼育下繁殖が進められておりまして、成果を挙げております。
日本では野毛山動物園が成功しましたね。

でもね、ほんと素晴らしいカメなんだけど、僕ら業界の人間にとっては複雑な気分にさせられるカメなんですよ。
ホウシャガメはサイテス(ワシントン条約)Ⅰ類という最も厳しいレベルで国際取引が規制されてるんですね。
本来であれば輸入できる種ではないんだけど、日本では密輸が絶えないんですよ。
この個体も密輸されて動物園に保護されてきた個体達なんですね。
残念なんだけどそんな背景があって、どうしてもダークなイメージが付きまとう。
インドホシガメとこのホウシャガメが二大巨頭ですね。


唯一の救いは、非常に丈夫で扱いやすいということですね。
餌食いも良好、ハイビスカスの花と野草をバリバリ食べております。
今後は円山動物園においても飼育下繁殖を進めていく予定です。

リクガメ全般に言えることだけど、このホウシャガメもすごく長生きするんですよ。
英国の探検家キャプテン・クックがこのホウシャガメを連れ帰り、トンガ王国王妃に献上したんですね。
それが1777年、そのカメは「トゥイ・マリラ」と名付けられ大切に育てられたんですよ。
んでそのカメが死んだのは1965年、つい最近ですよ。実に188年も生きていたことになります。
泉重千代さんを余裕で越してますからね、見事でございますよ。
ちなみに泉重千代さんは徳之島出身の世界長寿記録の持ち主です。
114歳のときに「好きな女性のタイプは?」と聞かれ、「やっぱり年上かのう・・」と答えた伝説の人です。

それでは皆様、この神々しさすら感じるホウシャガメたちをじっくり観察してくださいね。
そしていよいよ明日からヨウスコウワニ16つ仔の展示開始です。


ワニムーブメントよ巻き起これ。
僕のささやかなる願いでございます。

カメ三昧。

カンボジアモエギハコガメ。
先月に続き今年2卵目の卵が無事に孵化いたしましたよ。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-215.html


いやーこの卵、実は中止卵になったと思ってたんですよ。
先日の暑い日に爬虫類館の温度が上がりすぎましてね、卵の一部が破裂して血が流れ出てたんですよ。
ありゃーこりゃダメだなーって感じだったもんで、無事孵化したことに少し驚いたしだいでございます。
まあこれで円山動物園誕生したモエギハコガメは6匹目ですね。
そろそろ累代繁殖も考えていかなくてはならない時期にきております。



卵から出た直後のベイビー。
まだ体が縦に折れ曲がっていて、細長いですね。
ほんと美しいカメでございますよ。



先月産まれた個体と一緒に。
年に2匹産まれたってのは数年ぶりなんですね。
やっぱり今年はツインズブーム。そう、円山名物ツインズですよ。
まあ全くブームに乗り切れてませんけどね。
実に無念でございます。

でもね、2匹の動画はちゃんと撮ってあるんですよ。
微動だにしないツインズ映像を。

僕はね、この映像を観てツインズが発信してるメッセージを完全に感じ取りましたね。
この荒んだ現代社会に「物言い」をつけてるなって。
何でもスピード重視のこの時代に一石を投じてるなって。
実に奥深いですよ。。彼らの熱い生き様を痛いほど感じましたね。
なぜ彼らがこの現世まで生き残ってこれたのか、その理由が垣間見れた気がしましたよ。

まあそんなこんなでこのハコガメツインズの静止動画をDVD化したいっていうツワモノは現れませんかね。
イギリスのBBCだったら反応してくれそうな気がするんだよなー。
BBCってほんとマニアックな動物ドキュメンタリーを作りますからね。
まあそんな時を期待しながら大切に育てていきたいと思っておりますよ。
では皆様、楽しいカメライフを。



ファミリーモエギ。

箱に閉じこもりたい。

毎日雨が降り続きますね、しとしとと。
おかげで我が家のフキはとんでもないことになっておりますよ。
20090607-01.JPG

ラワンブキ化しております。
保護地域に指定されるのも時間の問題ですね。

まあそんな中、爬虫類館でもまた新たな命が誕生しております。
20090607-02.JPG

カンボジアモエギハコガメ(Cistoclemmys galbinifrons picturata)
20090607-03.JPG

2004年以降今回で4回目、5匹目の仔ガメの誕生でございます。
この貴重で飼育困難なカメの繁殖が継続されているということを誇りに思っておりますよ。

でもね、もう職場の人間はこのカメが産まれても誰もテンション上がってないですね。
「産まれたよー!」ってテンション上げて伝えても「ふーん、また産まれたんだ」みたいなね。
「あれ、ものすごいあっさりでございますね・・・」
実際こっちだって正直それほどテンション上がってないんですよ。
でも無理やり強引にテンション上げて報告してるんだからさ。
「あーそりゃ大変だー!警戒態勢をフェーズ6に引き上げろー!」
せめてこれくらい気の利いたリアクションが欲しいところですね。
なんかね、誰のセリフもウィットに富んでないんだな。
ほんとね、こんなんじゃあ箱に閉じこもりたくもなりますよ、ハコガメだけに。

でも僕はね、今後もめげずにがんばりますよ。
この篠塚の流し打ちのようにちょっと鼻に付くいぶし銀の技術を堅持したいと思っております。
では皆様、ステキな一日の始まりです。
ごきげんな日曜日をお過ごしください。
http://www.youtube.com/watch?v=DwjuKhBIIIQ

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