札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『爬虫類館』カテゴリーの投稿一覧

コモド旅立つ。

コモドオオトカゲのコナンとコニがインドネシアと旅立っていきました。
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輸送箱にも素直にすんなり入ってくれて、ほんと最後まで手のかからないオオトカゲでございましたよ。
左がコニで右がコナン。
でも無事に着いてくれるまで、実に不安でございましてね。
早くこの胸のモヤモヤをすっきりさせてほしいです。
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ぽっかり空いたこの巨大な展示場を眺めるとやはり寂しさがこみ上げてきますね。
しかしね、現実に寂しがってもいられないわけですよ。
爬虫類館には僕に命を委ねているたくさんの爬虫類両生類がいますからね。
明日からもいつも通り、脇目も振らずに非日常的な日常をこなしていくわけですよ。

コモドがいなくなった爬虫類館は来園者の方々には少し寂しいかもしれません。
でも今は来年の新爬虫類・両生類館に向けての蛹の時期だと思って見守ってくださいね。
春にはオオムラサキのように美しく羽ばたいて魅せますよ。
羽化したらヘビトンボだった、みたいなことにはなりませんからね。

では短い期間ではございましたが、コモドーズを愛してくださった皆様に心から感謝します。










お盆休みはコモドで。

コモドオオトカゲのコナン、コニの旅たちの日が決まりました。
8月18日です。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-328.html
展示は17日まで行っております。
お盆休みを利用して是非コモドに会いにきてくださいね。



ほんと存在感のある素敵なトカゲです。
爬虫類の特徴の一つとして、「剥製、もしくは石のように動かない」ということがいえます。
確かにコモドもそれほど動きませんが、こう見えても爬虫類業界の中では桁外れに活動的なんですよ。
とくに人間が中に入り、彼らの好奇心にスイッチを入れることで、その活動量はマックスに達します。
だからガイドに限らず、排泄物の掃除やプールの水換え、またはダニ取りの時などコモドの魅力的な動きが観察できるんですね。
コモドだけでも十分魅力的なんですが、人とセットになることでより強い印象を与えることができるんですよ。
そんなこともあって僕は極力コモドの中に入って、作業する時間を作っていたんですね。



動き回る巨大生物、その横には「貧相で将来は喉に餅を詰まらせそうなタイプ」の男ですからね。
そりゃお客さんの足も止まりますって。
まず断片的にでもコモドの魅力が伝わって、さらに強い関心を持ってもらうためのきっかけになれば良いなと思っておりました。
この作戦はたぶんうまくいったんだと思うんですよ。
たくさんのコモドファンの方達が何度も足を運んでくれましたからね。
本当に心から感謝しております。

でもそんな絡みもあと数日ですね。
最近は他の動物にかかりっきりでなかなかコモドとの時間を過ごせないでおりますが、明日からはまた時間を作りたいと思っております。
全身のダニをきれに取ってあげようかな。
では明日も皆様のご来園を心待ちにしております。

「THE 飼育」。

あまりの放置プレーにより、瀕死状態のこのブログ。
入院説、異動説、死亡説と知人の間では流れていたようですが、再びこのブログに息吹を与えるべく戻ってまいりました。
なんだか久しぶりに登校して、仲間に受け入れてもらえるかちょっと不安な中学生の気分です。
皆様なにとぞよろしくお願い致します。

皆様お元気だったでしょうか?
僕もそれなりに元気です。
町内会費を集めに行ったり、広報さっぽろや選挙のチラシなどを配布したりと日々活躍しております。

もちろん動物園でもバリバリやっておりますよ。
なんたって新爬虫類・両生類館の建設が開始されましたからね。
40年に一度あるかないかの大事業です。
そりゃ僕も休日返上でハッスルしますよ。
ほんと毎日気分は超YPです。(過去ログ参照)

今僕が動物園で主に取り組んでいるのは、もちろん「飼育」です。
いや飼育という表現では足りません、ここではあえて「THE 飼育」と言わせていただきます。
なんとなく「ものすごく飼育」みたいな感じの意味だと理解していただけるとありがたいです。

今ですね、新爬虫類・両生類館に向けて、国内外からたくさんの生物達が集まってきているんですよ。
そんなこともあって現在の管理個体数は200を越えております。
現在のバックヤードはこんな感じ。







もうね、どこになにがいるのかわからないって感じですね。
でもね、どこになにがいるかはちゃんとわかってます。






閉鎖された昆虫館も爬虫類、両生類たちのバックヤードとなってるんですよ。
うちの風呂よりでかいケージが所狭しと並んでおりますね。



要求する条件が異なる種を一箇所で管理するってのは非常に難儀でございまして。
特に昆虫館ね、ここは全面ガラス張りの施設です。
ほんとこういう環境ってのは最も飼育に向いていないって気がしますね。
とにかくね、日射の影響をモロに受けてしまうんですよ。
陽が照れば高温になりすぎ、陰れば温度が足りなくなる。
もう毎日太陽との戦いでしてね。
ほんと今まで生きてきて、太陽に対して憎悪を憶えたのは初めてですよ。

爬虫類・両生類ってのはシビアな温度環境を要求します。
気まぐれな太陽さんと雲さんの動きで、一日中温度を監視し管理しなくちゃならないわけです。
まあそのおかげで僕の体内サーモスタットは非常に研ぎ澄まされましたよ。
たぶん何千万もする設備機器よりも、僕が動き回った方が良い環境を作れますね。
まあそんなこんなで気分は超YPなんですか、日々ピリピリしちゃうんです。

しばらくそんな日が続くと思いますが、新爬虫類・両生類館の完成は来春です。
どうか皆様期待してくださいね!
素晴らしい施設にするため職員一丸でがんばりますよ!
必ず市民の皆様に誇りに思ってもらえる施設になります!



僕もにんにく卵黄の過剰摂取でがんばっていきます!
なんか変なテンションになってきたのでもう寝ます!
それでは皆さんおやすみなさい!

ヨウスコウワニBaby 旅立ち。

円山動物園で飼育しているヨウスコウワニのBabyたち。
そのうちの5匹が神戸市王子動物園へと旅立っていきました。


新天地でまた新たなる子孫を残していってほしいと強く願っております。


2008年産まれの1頭と2009年産まれの4頭です。



ワニは生後3年を過ぎないと性別判定はできないようです。
ちなみに2008年はオス温度、2009年はメス温度で孵化させております。
近い将来、天王寺動物園や野毛山動物園も繁殖に成功すると思われます。
そうなれば、国内においての遺伝的多様性も確保できますので、先を見据えた飼育計画を立てていく必要があります。


2008年産まれのペロちゃん。
実に美しく成長してくれました。
自慢の円山Bred個体でございます。



これは輸送箱。
安全に輸送できるよう僕が自作しました。男のDIYです。
ちなみに僕は石狩管内でも5本の指に入るぶきっちょです。



お別れ会の様子です。
実に感動的な風景です。


ちなみに画像の足利飼育員はたまたま爬虫類館のトイレに行くところだったそうです。

そしてその夜、王子動物園より無事に届いたとの連絡が来ました。
関西の皆様、円山産まれのヨウスコウワニ達を是非見に行ってくださいね。

奇をてらう。

皆様、ご無沙汰でございます。
少しばかり長い夢を見ているようです。
夢ならどうか覚めないで。

オリンピックも無事に終わり世間も少し落ち着いたようですね。
やれトリプルアクセルだ、やれ浅田美代子だ、やれキム・ヨンジャだと町中大騒ぎでしたよ。
ほんと様々なドラマがありましたね。

現在、爬虫類館の動物達も繁殖期真っ最中でして、様々なドラマを垣間見ることができます。
そして新しい「ガイド」も始まりました。その名も「ヨウスコウワニの求愛行動観察ガイド
これはヨウスコウワニの交尾に至るまでの一連の求愛行動を観察しちゃおうってやつです。
円山動物園では求愛から交尾までを人為的に誘起させているんですね。

本来ワニ類は日中に交尾は行いません。
でも飼育下においては交尾を確認しておく必要があるので、日中に実施しているんですよ。
んでどうせなら来園者の皆様にも観察してもらおうってことで始めたんですね。
こんな奇をてらったガイド、そうそうお目にはかかれませんよ。
貴重なシーンが観察できると思います。


ほんとは交尾の様子まで観察してもらいたいのですが、3月に入ってからはなかなか交尾までいきませんね。
すでに2月に交尾を済ませてしまっているもんで、メスはもう誘いに乗ってこないんですよ。
でも活発で激しい鳴き合い行動は観察できると思いますよ。
月火水の2時半から行っています。ワニの状態によっては実施しない場合もありますので事前にホームページ等で確認してくださいね。



必死のアピールでメスを水中へと誘い込むオスのヨーヨー(実は名前がある)。
その肉食系男子っぷりの振る舞いは、日本の未来に希望すら感じさせます。



そして、驚くほど簡単に誘いに乗ってしまうメスのスースー。
実に見事なテクニックです。





激しく体を揺さぶりながら鳴き合う2頭のワニ。
情熱的です。実にパッションです。




背後からそーっと近付きごきげんを伺うオスのヨーヨー。
R指定ギリギリです。
ほんと粋なカップルでございます。


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