札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『新爬虫類・両生類館』カテゴリーの投稿一覧

芽生え。

ホウシャガメ展示場。
ここにはマダガスカル原産の多肉植物たちも暮らしています。




しかしこの多肉植物ってのはほんと厄介な子たちでしてね。
人為的環境下で「野生のプロポーションを保たせながら」自活させていくことは非常に困難。
どうしたって熱や光量、水のバランスを適正に保てないんですよ。

例えばこのカランコエの一種、無惨に徒長しちゃってヒョロヒョロ。


他の熱帯多湿系植物なんかと比較するととんでもなく環境作りが難しいんですね。

でも丈夫ではあります。
乾燥地の植物なんで強い生命力を持っていまして、そう簡単には枯れません。

枯れはしないけど、素敵に育たたない。。それが多肉植物なんです。

長い期間しわくちゃに萎んで死んだように成長を止めていたパキポディウムグラキリス。
ここにきて突如芽を出し始めました。


ストレスがあってもそれを乗り越え再び芽を出す。
ほんと素晴らしいタフネスさ。
僕なんか疲れたらヘルペスしか出ないですからね、ほんと見習わなくてはなりませんよ。

爬虫類両生類館には美しい植物たちもたくさん暮らしています。
かれらの織りなすリズムとハーモニーにも注目し、よりdeepな世界を堪能してください。








午後6時からのアマンダ。

ミドリニシキヘビ(♀・AMD)
日中はきつくトグロを巻き決して動くことはありませんが


午後6時になるとその頑な態度をちょっと緩めます。


この活き活きとした表情を見てください。
日中は絶対に出さないエナジーをガンガン放出させています。

この顔はですね、定期的に見せる「飯食わせろ」の顔です。

彼女はですね、とても美しく妖艶なのですが、少々癖のある個体でしてね。
というのも手渡ししてやらないと餌を食べないんです。
ただ差し出してもダメで、この表情をしている時にタイミング良く目の前に提示してやらないと食べないんですね。

たまに互いの呼吸が合わず差し出した餌を鼻にぶつけてしまうことがあるんですが、そんな事をしてしまった日にゃせっかく延ばしてきた首もキュッと引っ込め、そしてもう二度と緩むことはないのではないかと思わせるほどの固いトグロを巻き、再び頑な態度に戻ります。
ほんと気難しい、全て順調に事を進めていかないと受け入れてくれないんですよ

これは餌を飲みこみ、体をくねらせながら胃に送っている様子。


この目、すごいでしょ。乗りに乗っている証拠です。
この顔をするのはよく食べる時期で月に3〜4回。
食べない時期だと4ヶ月くらい見せない時もあります。
ほんといつまでも気の抜けないレディです。

朗報。

マハトマ・ガンジーは言いました。
「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかる」と。


伴侶動物、産業動物、野生動物、様々な動物を扱う中で、こういった人目に付かない地味な動物たちにこそしっかりと目を向けていきたいと思うんですよ。



特にエゾサンショウウオは産卵期以外は姿を見ることができませんからね。
身近でありながら謎多きミステリアスな動物なんですよ。


当然動物園においても、大抵どこかに潜り込んでしまっていて、いつも来園者を落胆させます。

そんなある意味幻の動物でもあるサンショウウオくんたち。
なぜか最近やたらと活動的なんです。
かなり高い確立で表に出てきてまして、長時間観察することができちゃうのです。

こんなチャンスはそれほどありません。
こんな時こそ、あえてこの地味でミステリアスな存在に関心を持ち目を向けてみてください。
そんな態度や振る舞いは、きっとガンジーの目にも微笑ましく写るのではないでしょうか。
是非会いにきてくださいね。

スター、ソバージュネコメガエル。

夜9時30分。
円山動物園のスターアニマル、ソバージュネコメガエルが目を覚まします。




そしてうろついていたコオロギをおもむろに口中へ。


やはりスターは違います。起きて2秒でこの荒々しさ。
夜になればちゃんとそれなりにたくましく生きているのだなと、なんだか心から愛しくなります。

でも朝がきたらこんなんです。


これから12時間は地蔵のようにピクリとも動きません。

形容し難い特異なフェイス。


この昼夜のギャップに世のご婦人達もいちころです。
今宵もスター街道爆進中。

夜間専門。

暗い画像ですがみえます?







これは夜のサイイグアナたちの様子。
照明が落ちてしばらくすると、それぞれの個体がお気に入りの場所へと移動し、不動化します。
そして僕はこうなってからひっそりと展示場内に入り、清掃やガラス拭きなどの作業を開始するんですね。
サイイグアナに関しては、給餌以外のお世話は全て夜間なんです。

実は1匹非常に神経質な個体がおりましてね。
明るい時間帯に入るとパニック起こして走り回って、怪我をしてしまうんですよ。

この「日々の作業の度にトカゲがパニック」という状況は、爬虫類を管理する者にとって日常ではあるのですが、トカゲと同様に管理者も非常にストレスがかかるんです。

実際イグアナが暴れだすと、僕もオロオロしちゃって下っ腹がヒヤーッとなってくるんですよ。あのジェットコースターで急降下するときによくなるやつね。そしてガラスに鼻先をゴンっとぶつけようものなら、こちらも胸を押しつぶされそうになるほどの痛みを感じるんです。ほんと常にヒヤヒヤで精神衛生上非常によろしくない。

そんなこともあって、こんなお互い不幸な状況を解決するためにとりあえず夜間作業に切り替え、「イグアナが起きてる時は接しない」という「とことんすれ違う関係」を選択したわけなんです。



これでイグアナが怪我する心配も消えました。
ほんと今はお互いストレスなく、日々楽しくすれ違っております。
「とことんすれ違う」これが僕とイグアナにとってベストな関係なんですね。
あ、あとアオホソオオトカゲもです。
では。














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