札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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嵐の動物園にて。

いやー今日は最悪の天気でしたね。
園内もガラガラ、ほんと寂しい気分でしたよ。

まあそんな中、いつも通りコウモリ小屋の掃除をしてたんですね。
んでね、お客様の姿もなかったもんで、僕ったら歌を唄いながら作業してたんですよ。
ジュリーの「勝手にしやがれ」ね、しかもちょっとだけモノマネ気味に。

しばらく気持ち良く唄ってましてね。
気分も上々、ホウキでフンを集めるその動きも実に軽快だったわけですよ。
そしてね、サビも中盤に差し掛かった時ですよ。
ふと後ろに人の気配を感じましてね、さっと振り返るとそこにはお客様。
中年のご夫婦がにこやかな笑顔で、こちらを向いてたわけですよ。
アハ、ずっとご覧になってたんですね。僕のワンマンショーを。
もうね、びっくりしましたよ。ものまね王座で後ろからご本人登場みたいな感じでね。

「あっおはようございます・・・えへ」、2秒で顔真っ赤ですよ。
ほんとね、恥ずかしくて死にそうになりましたね。「恥ずかし死」寸前ですよ。
恥ずかしさのあまり目の前のコウモリを捕まえて、そのまま逃がしてしまおうかと思いましたからね。

とりあえず何が恥ずかしいってね、ちょっとモノマネ気味に唄ってたってことなんです。
しかもね、ちょっと似てるんですよ、僕のジュリーは。
そこがまた微妙に痛いんですね。
ほんとね、今思い出しただけでも胸をかきむしりたくなりますよ。
それくらいショックな出来事でしたね。

そしてご夫婦にきちんと謝罪できなかったことを後悔しております。
この場を借りてお詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした。



20080521-00.jpg

「我、関せず・・・・」

今夜は朝までふざけよう、ワンマンショーで。

「一発屋」と呼ばないで。

こんばんわ、大事マンブラザーズバンドのボーカルです。
20080507-03.jpg

先日ブログに載せたヨウスコウワニ(Alligator sinensis)の写真。
いやー大反響でしたね、日本中の爬虫類マニア達から。
「ほんとに妊娠してるのか?」とか「またどうせダメなんだろ?」とかね。
まあヨウスコウワニってのはそれぐらい人々を魅了してやまない存在なわけなんですよ。

とにかくこのワニ、生態が非常に特殊でして飼育下での繁殖が難しいんですよ。
一番の特徴は「冬眠する」ってこと。
温帯域に生息してる種だから、冬は地中深く穴を掘って冬眠するんですね。
んで繁殖させるためにはこの「冬眠」を経験させることが必要条件とされています。
繁殖に成功している中国やアメリカは屋外飼育をすることでこの条件をクリアしてるんですね。
だから日本やヨーロッパの屋内飼育環境では全く結果が出ていなかったわけです。

がしかし、その「冬眠必要説」を覆し、屋内施設で冬眠させずに繁殖に成功させた動物園があるんです。
そう、我が円山動物園でございます、2001年に繁殖に成功してるんです。
理論と実際を基に計画的に行った繁殖、全てがイメージ通り進んだんですね。
これほどうれしいことはなかったな。

でもね、残念なことにその後はうまくいってなくてね、毎年交尾まではいくんだけど産卵しないんです。
一回きりの繁殖なんて意味がないわけですよ、偶然かもしれませんしね。
もうね、業界からは一発屋扱いですよ、ほんと大事マン扱いですからね。
この辛い状況を脱却するには継続した繁殖実績を残さんといけないわけですよ。


まあそんな訳で前フリは完璧ってことで・・・・


はい、産みました。
5月4日未明。産卵数は少なく9卵、どうりで♀の食欲が落ちなかったわけです。
交尾は例年通り2月中旬から3月上旬にかけて行われてましてね。
妊娠を確信したのは4月13日、僕が飼育場に入るときに♀が一瞬神経質な素振りを見せたんです。
これは前回の繁殖時にも見せた行動だから確信しましたよ、「お前、できたのね」って。



これは産卵数日前に作られた産卵塚、高さは40cmくらい。
材料は腐葉土、落ち葉、スダレの破片、ゴミ少量。




卵は掘り出して、人工孵化させます。
しかし残念ながら9卵中、有精卵は1卵のみ。
後の8卵は無精卵・・・つまり孵化しない卵でございます。



1つだけの有精卵、白い帯が入ってるのがわかりますよね?発生が順調に進んでいる証拠です。
何があってもこの卵だけは守らないといけませんよ、まじで。保険はなしですからね。


孵化するまでの日数は約70日。
僕はその日を心待ちにしておりますよ。
一日千秋の思いでね。

春、恋の季節。

春ですね。
春やすこ・けいこですよ。

最近ね、車乗っててイライラすることが多くてね。
一番イライラするのが、やたらブレーキを踏む人ね。
後ろ走ってると、なんでもない直線なのに何度もブレーキ踏むんですよ。何かが見えてるんですかね。
もうブレーキランプもパカパカ光って、ほんと「愛してるのサイン」かと思っちゃいますよ(ドリカム)。
春、恋の季節ですね。

まあ春って言えば繁殖期。
爬虫類館のクリーチャー達も様々な変化が現れていますよ。
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アオダイショウ( Elaphe climacophora )。
契りました。
今回のメスは初めての繁殖参加、ちゃんと産んでくれるといいですがね。
お母さん似の美しい子を期待しております。


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陰部の接合部。ばっちりです。
この時の交尾時間は6時間。



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こちらはすでに一回目の産卵を終えております。
カンボジアモエギハコガメ(Cistoclemmys galbinifrons picturata)


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ビルマニシキヘビ(Python molurus bivittatus)
すごく仲良しのカップル。毎日イチャイチャしております。
でもオス同士です。
恋にもいろんな形がありますから。

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キバラクモノスガメ(Pyxis arachnoides arachnoides)
一回目の産卵でございます。

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「お、お前。ま、まさかその腹は・・」
ヨウスコウワニ(Alligator sinensis)
二回目の奇跡を願います・・・

爬虫類館、今年も熱い年になりそうです。
皆さん、一緒にがんばりましょう!
北京に向けて!

脱がしてあげる。

大雪には参りましたね。
近所の皆様はほんときれいに除雪しております。我が家だけですよ、埋もれているのは。
とりあえず今日はサンフランシスコガーターヘビ二匹分の道を付けてお茶を濁しておきました。

前回書いたUMAブログ、予想に反し各方面から反響がありましてね。
「スカイフィッシュについて教えてくれ」とか、「あの本買いました」とか、「中島公園でカモノハシを見た」とか。
中島公園にカモノハシって・・いるわけねーじゃん。そりゃカモだよ。
極めつけは「友人がチュパカブラの骨を持っている」という情報。
プエルトルコの怪人「チュパカブラ」ですよ。
これにはさすがに妖怪アンテナが反応しましたね。是非拝見したい・・・。
でも購入したのはメキシコだと・・・・んー実に胡散臭い。
とりあえず「40ルピアで売ってくれ」とだけ伝えておきました。

では本題に。
この画像見てください


脱皮直後のビルマニシキヘビ(3m)
皮がバラバラになってますね。しかもところどころ皮が体に残ってます。
普通ヘビってのはきれいに千切れることなく脱皮するんです。
これは「脱皮不全」という状態。つまり脱皮の失敗ね。
せっかくの美しい姿も台無しです。
原因は過度の乾燥。この時期は特に乾燥しちゃうんで脱皮不全が多くなるんです。
こうなると人が介入して、残ってる皮を脱がしてあげないといけないんですね。
20080125-00.JPG

こういう風にぺりぺりと剥いてあげるんです。
でかいヘビだからけっこう時間かかりましたね。

20080125-01.JPG

特に尾の部分にがっちり残っております。
こういう場合は・・・・
20080125-02.JPG

ふやかす・・とにかくふやかすのです。
これでスムーズに剥くことができます。

20080125-03.JPG

最後の尾先。
プルンってうまく剥ければ何ともいえない爽快感を得ることができます。
でも途中で千切れると、ものすごくイライラします。「んもーっ!」て。

前にも言ったけど湿度管理ってすごく大切。
人間も含め過度の乾燥ってのはよくないです。
健康にも美容にも悪影響を与えます。
みなさんも乾燥にはくれぐれも注意してくださいね。
ちなみに僕の部屋は湿度20%・・・砂漠です。

アルマジロトカゲ。

インフルエンザが流行ってますね。
皆さん感染しないよう気をつけてくださいね。


僕はね、インフルエンザにはかからないんですよ。
昔から流行には乗らないって決めてますから。
流行に乗っちゃうような大人にはなりたくないってね。
よくいるでしょ、流行語とかすぐに使っちゃう人って。

例えば、今だったら「そんなの関係ねー」とかさ。
これね、僕の口癖だったんです。いい加減な男がよく言うセリフですね。
でも小島ヨシオのブレイクによって僕はこの口癖を完全に封印しました。
流行に乗ってると思われたくないからね。
まあいくら「関係ねー」って言ったところで、実際世の中関係ある事ばかりですよ。
現実逃避はいけません。

まあそんなこともあって今は「だっちゅーの」を使うようにしています。
懐かしすぎて誰も気づかないですからね。
とってもクールですよ。お勧めです。

ではアルマジロトカゲを紹介します。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-58.html




この特徴的な大きなウロコ、まさに恐竜みたいですよね。
南アフリカの乾燥地帯に住んでいます。
円山では現在5匹飼育展示中です。
ほんとはもっと早くに展示開始する予定だったんですが、なかなか施設の準備がうまくいかなくて。

展示にあたり擬岩の色を塗り変えたんですよ。
でも僕は塗装センスがないから塗れば塗るほど、イメージとかけ離れていっちゃうんですね。
乾燥した岩場のイメージがなぜか「場末のスナック」みたいになっちゃうんですよ。
それで結局美術センス抜群の田村飼育員に治してもらったんです。


乾燥地や砂漠というと=「乾燥させる」ってことが頭に浮かびますよね?
そう、普通こういう種を飼育する際は、湿度を下げ乾燥させることに気が行きがちなんです。

でもね、実はそれが大きな間違いになることもあるんですよ。
乾燥地帯に住んでる種ほど乾燥に弱いってこともあるんです。
飼育下の乾燥状態ってのは明らかに不自然で安易なものですからね。

普通砂漠ってのは灼熱の乾燥状態ですよね?人間だったらとても耐えられません。
これは動物にとっても同じでこの環境の中活動できる種っては実は少ないんですよ。
じゃあ彼らはいつ活動してるのか。
砂漠ってのは昼夜の温度差が激しく、その温度差により朝夕に湿度が上がります。
そう、乾燥地に住んでる種ってのはこういう時間帯に活動し、日中は穴や岩場に隠れているんですよ。
穴や岩場ってのは通常湿度が保たれているのが普通。
だから実際砂漠に住んでいても乾燥した環境に晒されているわけではないんですね。
そんなこともあって乾燥地に生息する種を過度に乾燥させた環境におくと脱水して死んでしまうこともあるわけです。

一般的に気候帯が砂漠やサバンナなどと区分されていても年間を通して日本より湿度が高いって地域は普通にあります。
雨季はもちろん雨が降らない乾季であっても湿度が下がらない地域もあるんですね。
だから砂漠=乾燥ってのは動物を管理する際非常に危険な固定概念になるんです。

飼育下では温度管理ばかりに気をとられがちです。
でも湿度管理ってのはそれ以上に大切なものなんですね。
今後は暖房方式の改善も含め同時に湿度を維持できる環境が必要です。
飼育下の動物達は乾ききってます。
彼らにもっともっとうるおいを。

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