札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『猛禽類のフリーフライト』カテゴリーの投稿一覧

若人たち。

4月から新体制で実施しておりました「猛禽類のフリーフライト」


一昨日から新メンバーの若人二人が、修行期間を終了し独り立ちいたしました。
左がパーマネントでおなじみの渡邊飼育員、そして紅一点の葛西飼育員。
いやーしかし早いっすよ、元々センスが良かったとはいえたった1ヵ月半でここまでできるんですからね。
やはりね「やる気、元気、イワキ」(BY 小泉チルドレン)ですよ。
その技術習得のための貪欲な意欲と努力に感服いたしました。


猛禽類のフリーフライトは鳥を飛ばせれば良いってもんじゃありません。
鳥はあくまでもメッセージを伝えるための手段であって、主役は飼育員のガイドなんです。
実際ね、このパンチの効いた動物が目の前を飛んでいたら誰だってガイドなんて耳に入りませんよ。
その状況の中で、いかにしっかりとメッセージを伝えるか。
鳥をコントロールしつつ、臨機応変に且つ効果的にガイドを進める必要があるんですね。
これがなかなか難しい。


まあバンドで例えれば、ボーカル兼ギターですよ。
ギターを掻き鳴らしながら唄い、時にはブレイクでシャウトできるくらいじゃないと務まりません。
ボーカル&ギターなのでベンチャーズでもCCBでもトムキャットでもダメなわけです。
しかもリハーサルにはなかった突然のアドリブソロを要求されることもあります。
時には加山雄三ように、時にはイッセー尾形のようにと高度なテクが必要なのです。
特に渡邊飼育員のパーマネントを振り乱し鳥を操るその姿は、グレッチを掻き鳴らしながら詩を叫ぶ往年の浅井健一(元BJC)を思い出させます。

では皆様、この若人二人を今後ともよろしくお願いいたします。
とりあえず僕の任務は終わりました、老兵は去るのみでございます。


いつもトムキャット気分でノリノリの吉田飼育員。
されどロケンロー。

メカニック兼ドライバーであれ。

久々に猛禽類のフリーフライトについて綴りたいと思います。
ていうものですね、僕はここ1年以上フリーフライトには関わっていなかったわけですよ。
吉田飼育員、足利飼育員、鈴木マミ飼育員にほぼ任せっきりです。
この鷹匠の技術ってのはですね、今後動物園で実施していく猛禽類の保護事業には不可欠なものでしてね。
先を見据えるとこの技術を持つ人がどうしても複数必要なわけですよ。
僕だけがこの技術を持っていても意味がないんですね。
人材育成ってのを真剣に考えなくてはならない時期にきていたわけです。

でもね、僕が関わっていたら他の人は育たないんですね。
どうしても頼ってしまいますし、大事な部分は僕がやってしまいますから。
これではね、他のメンバーはいつまでもたっても鳥の事を理解できないし、技術も習得できない。
それぞれが当事者意識責任を持って鳥と接し、何かあっても自分で学び、考えて対応していく事が大切なんですね。
そういう経験を継続していくことで、鳥の本質を知ることに繋がるんですよ。
そのことを認識してもらうには、僕の存在は邪魔だったってわけです。

調教された鳥を操るだけなら、経験を重ねれば到達できます。
車の運転と一緒で、完成された車を運転するだけならそれほど困難ではないんですね。
でもね、それじゃあ何かトラブルがあっても表面的な事、目に見えることしかわからないんですよ。
僕も車の運転はできるけど、車の仕組みは全くわかってません。
車の調子がおかしくなっても、ワイパーが冬用だなーくらいしか判断できないわけです。
でもね、車の内部構造や仕組みを理解していれば僅かな情報からでも原因を特定し対処することができるわけですよ。
これと一緒で鳥を知るためには作れて(調教できて)、操れる必要があるんですね。
メカニック兼ドライバーでなくてはならないわけなんです。
メカニック的視点が養われていれば、鳥の様子を見て状態を判断することができるんですよ。
異変を察知したり、いつもとは違う違和感を感じ取れたりね。
これによってトラブルを事前に回避したり、なにかあっても対応ができるわけなんです。

何もね、高いレベルのことを求めているわけではないんですね。
僕だってまだまだ未熟だし、勉強中なんですから。
でもね、僕らが今後扱っていくのは貴重な野生猛禽類なんですよ。
種類も様々、個体も様々だからセオリー通りに進むわけがない。
鷹匠の技術を利用するってのは鳥を手に乗せて、飛ばすことではないんですよ。
大切なのは鳥の肉体面と精神面、それに影響を与える様々な要因を判断できる視点なんですね。
研究者的視点でもなく、保護活動家的視点でもなく、飼育員的視点でもなくて鷹匠の視点。
これだけは事前に養ってもらいたかったわけなんですよ。
この基盤がある程度できていれば柔軟な対応ができるようになりますからね。


20090415-00.JPG

最も上達した鈴木マミ。残念ながら3月で任期満了のため退職。
人材を失うのはとても残念です。


トラブルがあっても自ら対処し、克服している吉田飼育員。
20090415-02.jpg

そして川崎マヨ。

四月からは新メンバー2名も加わり、フリーフライトも新体制で行っております。
皆様なにとぞよろしくお願いいたします。

動画のご紹介。

新トビのデューク、かなり良い飛びしてましてね。
やはり短くとも野生を経験した分、飛翔技術の上達は目を見張るものがあります。
飼育下生まれのビリーはかなり時間かかりましたからね。
すこぶる良い感じでございます。市民の皆様、ぜひご来園ください。

まあそんなこんなで今宵は動画の紹介をさせてもらいます。
皆様ご存知円山ズーチャンネルでございます。






「猛禽類のフリーフライトと鷹匠体験」
http://www.maruyama-zoo.jp/dokidoki/eagle.shtml

シロフクロウのセーベルと本田飼育員
http://www.maruyama-zoo.jp/staff/b_scandiacus01.shtml

皆様是非ご覧ください。
まあこの動画僕も出てるわけなんですが、相変わらずボソボソ喋って覇気がないですね。
ハートは熱いんですけど、それが表面に出てこない民族なんですよ。

母親とか兄貴にもいつも注意されてましてね、「ちゃんと喋れ」て。
こっちはとてもご機嫌だしテンション高めで話してるつもりなんですけどね。
でも実際見てみるとものすごい暗いんです。
たぶんテンションの上げ方が間違ってると思うんですね。

徐々にクレッシェンドしていき、最後にフォルテシモってのが僕のスタイル。
でも実際映像を観て分析してみるとクレッシェンドが長すぎるんですよ。
フォルテにすら行ってない、その前に終わってしまっている状態なんだな。
まあわかりやすく例えると「鈴木大地はバサロで進みすぎ」って感じですね。

でもね、この映像見てわかる人にはわかると思うんですよ。
そこはかと滲み出るオーラが写りこんでるのがね。
エクトプラズムではない、オーブでもない何かがね。

ぜひ皆様暇な時にでも観てくださいね。
できれば100万回くらい観てもらえるとありがたいです。

シロフクロウ。

シロフクロウのセーベル。
結局トレーニングなしでそのままデビューにいたりました。

やはり3年目、今まで積んだきた経験は何よりも変えがたいですよ。
その経験がきちっと今の飛行に出てますね。
うるさかった鳴きも今はほとんどありません、精神的に成長した証拠です。
人間に刷り込みの入った鳥ってのは人への依存度が高く様々な悪癖が出てくるんですよ。
一度人間との関係きっちりと断ち切ることが必要ですね。

それができるのは換羽中。
換羽中は飼育小屋に放してしまって給餌する際も極力人の姿を見せないようにしてるんですね。
「人=餌」という彼の中にある絶対的な方程式を崩してしまうんですよ。

人を見ると少しビビッて警戒するくらいになれば良い感じです。
あと狭い小屋の中でも様々な経験をさせるのも重要ですね。
止まり木と止まり木の間を自分の意思で飛び回るだけでも鳥のスキルアップに繋がるんですよ。

まあこんな生活を半年もさせると見違えるほどパリっとした鳥になってくれるわけなんです。
フクロウ類はたったこれだけの管理をするだけでほんと変わりますよ。



より白くなったセーベル。
ほんと美しい鳥ですよね。

この鳥は北極圏に分布してますけど、たまに冬鳥として北海道にやってくるんですよ。
札幌近郊でも過去確認されてますからね。
ほんとこんな鳥を見かけたらびっくりしますわな。



良い写真だ。自分のテクに自画自賛。




強風の中でも安定した飛行を見せてくれます。


寒くなったら猛禽の季節です。
猛禽類のフリーフライトは毎日午後2時から。
皆様のご来園を心からお待ち申しております。
では。

お待たせいたしました。

食欲の秋、皆様いかがお過ごしでしょうか?
秋と言えばサンマですね、ほんと今が旬ですよ。
だから今日のランチはサンマを食べました。
昨日戸棚の奥からひょっこり出てきたんですよ「サンマ蒲焼(缶詰)」。
「旬の物を缶詰でいただく」 ほんと最高の贅沢ですよ。








まあそんなこんなで皆様長らくお待たせいたしました。
明日より「猛禽類のフリーフライト」を再開いたします。
蝦夷のスナイパー、トビの「デューク」の登場です。


はっきりいってまだまだです。
皆様の暖かい眼差しで成長を見守っていただければ幸いでございます。

そしてシロフクロウのセーベル。


本日初トレーニングでしたが、さすがです。三年目だけあってすでに準備OKでございます。
数日中に登場予定でございます。


「猛禽類のフリーフライト」は単に飛行姿を見てもらい感動していただくことを目的とはしておりません。
僕ら動物園側から伝えたいメッセージを発信する場でございます。
それらを伝え理解してもらうことが目的でありまして、飛行というものは手段にすぎないわけです。

「客観的に見た猛禽類の性質と習性」
「自然界における猛禽類の役割」
「鷹匠の技術とそれを利用しての動物園の役割」
この3つのメッセージが大きな柱となっております。
だからメンイはあくまでも僕らのトークってわけなのです。

もしこのフリーフライトが入場料1000円だったとします。
そのうち飛行観覧料は100円、残り900円はトーク拝聴料とならなくてはいけないのです(妄想主義)。
そのくらい僕らの中ではトークを重要項目としてやっているわけでございます。

ほんと力不足でございます。
言ってることがムチャクチャです。
滑舌悪いわ、ワタワタしてるわでほんと申し訳ないです。

これらの改善も含めチーム4人一丸となって努力していく所存であります。
僕らの成長も含め今後も暖かい目で見守っていただけたら幸いです。
では明日からよろしくお願いいたいます。
アデュ。

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