札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

最安値

動物園でもっとも餌代が安い動物ってなんだべかなー?しばし考えておりました。
いろいろ悩みましたが、結局「夏場の爬虫類」という結論に達しました。
まあ餌用のコオロギとかなり接戦だったんですけどね。

爬虫類館には動物食、植物食、雑食とそれぞれ食性の違う種が暮らしております。
その中で頻繁に餌を与える必要があるのは植物食の種、イグアナとかリクガメね。

どんな餌を与えてるかというとこんな感じです。



左側がアカアシガメ、キアシガメ、手前がイグアナ、奥の2つはクモノスガメね。

まあこの日はペレットや少量のリンゴなんかも加わっていて豪華メニューだったんですが
基本メニューはタンポポ、オオバコ、クローバー、ハコベ、そしてハイビスカス。
そう、これ全て野草類なんですよ。

植物食の爬虫類には低カロリー、高繊維、高カルシウムの餌が必要なんです。
野草類は育った土壌にもよるけど、市販の葉野菜よりはこれらの条件を満たしております。
なんせ「タダ」だしね。

だから春から夏はこの野草類のみを利用してるんです。
市販野菜は使っておりません。
新鮮な野草をその都度刈ってきて新鮮な状態で与えているんですよ。
園内そこら中に生えてますからね。
他の飼育員にとっては邪魔な雑草、でも僕にとっては宝みたいなもんなんです。

ハイビスカスは爬虫類館と隣接している熱帯植物館に年中咲いております。
しぼんでしまった花を摘んで餌にしてるんですよ。

んで最後にビタミンD3入りカルシウム剤をふりかけて完成。
このカルシウム剤のみ何円かかかっちゃってるんですわなぁ。
それで餌用コオロギが食ってる煮干の欠片とどっちが高いか悩んじゃったんですよ。

まあとにかくこの時期の爬虫類は餌代がかかってないのです。
動物食種に与えているコオロギやネズミは自家生産ですしね。
雑食性種に与えている果実類だけは多少のお金はかかってますが、まあそれでも微々たるもんです。



そんなこんなで僕の日課はこの雑草刈から始まります。
カマを持った飼育員が園内を闊歩しておりますが、「ナマハゲ」ではありません。
特に泣く子も探しておりませんので、どうぞ怖がらないでください。

もし見かけた際は
「おっ今日も雑草刈りですな!」とか「よっ蝦夷の雑草ハンター!」などと声をかけていただければ幸いです。


花びらのように花びらを囲むクモノスガメたち。
決して小食な種ではありません。

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