札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

サンパイジュンパラギ。

コモドの飼育技術指導のため、インドネシアのタマンサファリから来ていたユリウス氏。


昨日一ヶ月の指導期間を終え、インドネシアへと帰っていきました。
通訳なしでは会話もままならい状態だったけど、コモドの情報は納得いくまで聞き出すことができましたよ。
預かっているコモドはインドネシアの宝です。僕だって真剣ですからね。


ただね、インドネシアと日本では根本的に「飼育概念」が異なるんですよ。
インドネシアの飼育環境ってのは、恵まれた気候と屋外の広いスペースを利用した「半野生型管理」。
円山での管理は屋内にて人為的に環境を作り出す、「完全人工型管理」です。
インドネシアでは、屋外飼育することでコモドにとって必要な条件を提供することができるんですね。
こちらの場合はその必要条件を人為的に作り、提供していかなくてはならないわけです。

人為的に環境を作るために最も重要なのは現地の気候です。
コモドが生息しているコモド諸島の気候、コモドを飼育しているタマンサファリのある場所の気候。
それぞれの地域の雨期や乾期の状況、気温、湿度の変化、光周期変化それに伴う行動の変化、繁殖時の様子、餌の内容などなど・・・
これらを事細かく聞き出し、それぞれの場所でコモド達がどのようなリズムで暮らし、またどれくらい適応能力があるのかを探るわけです。
それら集めた情報はふるいにかけ、必要条件をピンポイントで拾っていくんですね。
ユリウスにとっては自然すぎて意識しないことでも、こちらにとっては重要って事がたくさんあるわけですよ。

円山にいる2頭のコモドは、生理的な面でインドネシア型のリズムを持っているんですね。
だからまずはこれを一旦リセットして、円山型に再確立していく必要があるんですよ。
生息地とも、タマンサファリとも違った、新たなコモドの生活史を作り上げるんですね。
こちらが目指す概年リズムが完成したら、繁殖も決して夢ではないと思っております。
時間は限られているけど、死ぬ気でがんばりますよ。


最終日はエメラルドグリーンに輝くアロハで登場。
「カナブンみたいだねっ」って言ったら無視されました。



お別れの挨拶をするユリウス。
園長はじめみんなへの感謝、そして僕へのプレッシャー。
こちらこそ一ヶ月間本当にありがとうございました!

次回はボゴールで会いましょう!
サンパイジュンパラギ!
20081204-01.JPG

最後は末広がりで。

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