札幌100マイル

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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

by zoohonda

zoohonda
プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。


投稿したブログ数:395件

光の周期。

爬虫類両生類館では各ゾーンにごとに光周期を管理しています。

それぞれの季節性に合わせ日長時間の年変化を提供しているわけです。

例えば北海道産ゾーンの日長は夏季は最大14時間、冬季ですと最低8.5時間。

いま時期は16時で消灯、真っ暗です。

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照明は蛍光灯とメタルハライドランプの2段階になってまして、メーン照明である蛍光灯は地下のタイマーで管理しています。

この蛍光灯は動物にとって有効な紫外線を照射する爬虫類専用のものを利用しています。

 

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光周期は赤道やその付近の動物なら12時間、その他のゾーンは季節ごとに大幅に変わります。

特に繁殖予定種などが暮らすゾーンは、生息地とは異なるよりパンチの効いた光周期を提供しています。

野生とは異なる現環境において、新しいリズムを再確立することも重要ですから。

メタルハライドランプのタイマーは各ゾーンごとに設置されています。

IMG_8776

メタルハライドランプは強い光と熱を放射するランプでして、自然界でいう「晴れの日」の再現です。

このランプは基本的に、蛍光灯より1時間遅く点灯し、一時間早く消灯しています。自然界でいう薄明状態の提供です。

いきなり暗くなったり明るくなったりという状態はいくら不自然な飼育下とは言え、不自然すぎますでしょ。

 

という感じでここの施設では温度だけではなく、同時に光の年変化も提供していきながら、動物達の体内リズムを整えていきます。

人間だけが「一定した変化のない安定した環境」が心地良いと思い込んでいるみたいです。

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